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被災地に必要なモノって何だろう?

2014-03-12 20:59:29 | ビジネス

「東日本大震災」発生から3年。
昨日は、日本だけではなく世界の多くの人達が、東北への慰霊と希望の祈りが捧げられたようだ。
昨日エントリをさせて頂いた「復興の進捗状況」から考えれば、本当の復興にはまだまだ遠いと言う気がする。

では、復興のための資金がないのか?というと、決してそうでは無いらしい。
復興予算の多くが、使われないと言う状況が続いていると言う。
その大きな理由は、被災地で管理・運営をする人材の不足らしい。
おそらく「人材不足」の理由の一つは、インフラ整備のための人材不足、と言うことがあると思う。
まして、6年後の2020年東京オリンピック開催に向け、東京でも建築ラッシュが起きようとしているのだ、そうかんがえると「インフラ整備のための人材不足」という状態は、数年経っても解消しないかもしれない。

ただ「震災復興」と言っても、建物や道路を造るばかりが「震災復興」ではない。
その様な仕事に携わらない人達の、生活再建もまた重要な「震災復興」だと思う。
そう考えると、使われていない予算を「東北産業復興」のために使っても良いのでは?と言う気がする。
例えば、昨日テレビのニュース番組でも取り上げられていた「さとうみファーム」のような、農業+αの事業など新しい地域産業を創ろうとしている事業体への助成だ。

「さとうみファーム」HP

助成とするのか、支援策とするのかは検討する余地があると思うが、この事業そのものはとても面白いと思ったのだ。
と言うのも、津波で海水を被った田畑の活用+畜産+観光+αがあるからだ。
この「さとうみファーム」では、羊を飼いラム肉の販売ということを考えているようだが、羊からとれるモノは、肉だけでは無いと思う、羊皮(シープスキン)もそうだろうし、羊毛の可能性もあるだろう。
羊の品種によって、羊毛に向く・向かないと言うことはあると思うが、東北の女性の手仕事として「糸を紡ぐ」技術はとても高いと言う印象がある。
高級ニットが東北で作られ、それが世界のファッションに使われる・・・と言う可能性もあるのでは?
一つの新しい産業を興すことで、違う分野の産業も興る可能性を考えているようなのだ。
随分前から、農業の6次産業化ということが言われているが、「さとうみファーム」のようなカタチであれば、6次産業以上の産業が生まれてくる。

地域の産業を興すことを主に考えれば「被災地復興予算」の使い方も、もっと柔軟で早い生活再建=被災者一人ひとりの災害復興が、可能になるのでは?と、考えるのだ。
そして、その様な異業種が一つになることで、新しい「東北ビジネスモデル」だけではなく、「地域に根ざしたコミュニティ」が生まれ、市民が主役となる「新しいタイプの行政システム」が誕生するかも知れない。
その様な「東北発」の新しい行政モデルも含め、復興予算を考えることが大切なのでは?と言う気がしている。