軽減税率のニュースを時々目にするたびに「なぜ?」と、思うことがある。
例えば、先日あったニュースでは「合いびき肉とパン粉も対象とする」という、内容のものがあった。
毎日食事を作っている方なら、「は?」という内容だろう。
「合いびき肉とパン粉」で作る料理は、ハンバーグ。
ハンバーグを作るための、大切な材料なのだ。
それを軽減税率の対象としない、というのは「なぜ?」というよりも、「議論の対象とするコト自体おかしいでしょう!」という気になる方のほうが多いのでは?
議論となった理由は、「加工食品」というだったらしい。
確かに「合いびき肉」は、牛肉と豚肉を加工したものだし、「パン粉」もパンを粉にした加工したものだ。
ただ、それだけで食べるという人は、いないだろう。
同じ発想でいうなら「塩鮭」や「魚の干物」、「ハム・ソーセージ」は、軽減税率の対象にはならない、ということだろうか?
「加工した食材」という、発想はないのだろうか?
そんな議論を自民党と公明党の間で、行われているという。
自民党は「生鮮食料品」を軽減税率の対象と限定しているのに対して、公明党は「食品」を軽減税率の対象とすべきである、と言っているかららしい。
その「攻防」を示すようなニュースが、毎日新聞や産経新聞に掲載してある。
毎日新聞:軽減税率 対象品目「線引き」めぐり平行線 自民・公明
産経新聞(Yahoo!トピックス):軽減税率 公明「加工食品も」VS自民「分類難しい」
そもそも軽減税率というのは、所得の低い世帯は「食品購入」の支出割合が高いので、税負担を軽くするコトを目的としていたはずだ。
最も「食品購入」だけを対象とすると、高所得者が高級食材を購入した場合のほうがメリットが高く、中間所得者以下には、メリットが少ないのでは?という指摘も一理だとは思う。
ただ現実として、「低所得者への税負担を軽くする」という点では、それなりのメリットがはあると思う。
それを「生鮮食料品」を限定にすると、実は低所得家庭ではあまり恩恵がない。
というのも低所得家庭では、「加工食品」を購入する率(=購入額)が多く、「生鮮食料品」の中でも、そのまま食べるコトができる「刺身」のようなモノを食べる機会はあまりないからだ。
逆に「刺身」のようなメニューが、食卓に登場するコトが多い家庭は、裕福な家庭のほうが多いのではないだろうか?
となると、軽減税率を実施する意味は、ほとんどなくなってしまう。
そう考えると、自民党(も財務省も)軽減税率を実施する気はあまりなく、「とりあえず実施しました」ということにしたいのかな?と、勘繰りたくなるのだ。