Huffpostを「見ていたら、「価値は誰が決めるのだろう?」と思う記事があった。
Huffpost:プラダの゛2万円クリップ”が物議⇒商品ページがアクセス不能に
一瞬、事務で使うゼムクリップかと思ったら、マネークリップだった。
スターリングシルバー製なので、ある程度の価格になってしまうのは仕方ないと思う。
ただ「2万円」するマネークリップを、どのような人が買うのだろう?と、気になった。
一体どのような人が購入するのか?と想像した時、
①「プラダ」というブランドが好きな人
②マネークリップを普段使っていて、買い替えを検討している人
③話題の商品を買いたい!と思っている人
④ゼムクリップのようなマネークリップに2万円を出せる人
などが、思い浮かんだのだ。
ただ「2万円」という金額を出しても良い!という人は、どのような人だろう?と考えると
ノーブランドでスターリングシルバーの2万円のマネークリップでも、欲しい!と思う人は、いらっしゃると思うのだが、おそらく多くの人にとっては「いくらスターリングシルバーと言っても、ゼムクリップのようなデザインに2万円を出すのは、二の足を踏む」という感覚なのでは?
Amazonなどで探してみると、ゼムクリップ型のマネークリップを発見したが、価格は130円程度。
素材はシルバー製だった。
とすれば、このようなマネークリップを購入する人は、「プラダ」というブランドに高い価値観を持っているからこそ、「購入したい」と思うのではないだろうか?
日本の場合、「有名ブランド」に対して高い価値観を持っているように感じる。
一昔前の言葉でいうなら「ブランド信仰」のような、「ブランド品=良質な商品=高い価値がある」という感覚が強くあった。
反面、普段の生活で必要なものの多くは、ブランド品のような「価値」ではなく「価格」が、購入の動機となっている。
そのために起きるのが「価格競争」と言われるモノだ。
「安ければ良い」というわけではないし、日本の生活者は商品に対する要求が高いため、ある一定以上の品質の商品やサービスが提供されている。
しかし多くの場合、購入をするとき生活者が真っ先に考えるのは「価格」だと思う。
正しく言うなら「価格と自分の生活に合っているのか?必要なものなのか?」というコトだと思う。
紹介したHuffpostの記事の最後に、グッチのうちわが出てくる。
私にとって「うちわ」は、暑い時、風を送るための道具なので、どんなものでも良いと思っているし、生活の中で使う道具という点で「価値がある」とは思えない。
しかし、グッチファンにとっては「グッチが作ったうちわ」という点で、高い価値があると感じているかもしれない。
「うちわ」という点での価値なのか?「グッチがつくった」という点での価値なのか?それを決めるのは、生活者側にある、ということをよく表しているように思う。