日々是マーケティング

女性マーケターから見た日々の出来事

AKB48の総選挙に思う

2017-06-17 21:16:56 | アラカルト

今年のAKB48の「総選挙」は、大雨のため「無観客中継」となったようだ。
お天気のことなので、仕方ないと言えば仕方ないことだと思うのだが、そもそもテレビ中継をするようなことなのだろうか?
数年前?までは、総選挙の結果をNHKまでニュースとして取り上げていたような記憶があるのだが、ニュース性のある出来事なのだろうか?
ファンの方には申し訳ないのだが、アイドルの人気投票なのだ。
ファンではない人にとっては、興味も関心もない出来事だ。
それをネット配信ではなく、テレビ中継をしたりする意味は、どこにあるのだろう?
もちろん、ネットでも逐次投票結果を流しているようだが、ネットの場合「サイトにアクセスする」という、手間がある為、アクセスをする人達というのは、ファンが中心ということになると思う。

それに対して、一般のニュースは不特定多数の人たちが視聴している。
ファンではない人たちにとっては、「それって、わざわざニュースとして扱う内容ですか?」という、疑問を抱くのではないだろうか?
むしろメディアなどが、AKB48を紹介するときに使う「国民的アイドル」という枕詞は、メディアによって作られたイメージのような気がしている。
メディアが「国民的アイドル」と言い続けることで、「国民的アイドルなんだ・・・」ということが刷り込まれ、いつしか定着したイメージとなってしまっているように感じるのだ。

そもそも今回の「総選挙」に参加するために「CDのオマケ付き、総選挙参加権」のようなCDの販売は、CDという音楽ツールの市場を拡大させているのだろうか?という、疑問を持っている。
今では、音楽を聴くツールそのものがCDからストリーミングやダウンロードへと変化してきている。
昨年一番売れたCDは、AKB48だった。
他の部門で圧倒的に売れたのは、他のミュージシャンだったのだ。
CDと他のストリーミングやダウンロードとは一緒にする必要はないはずだが、CDを購入する人と他の方法によって音楽を聴くようになりつつある。
問題なのはCDを購入する人の動機だ。
「イベント参加権のオマケ」としてCDを購入しているとすれば、それは「音楽を聴くために購入した」ということにはならない。
その傾向が顕著にあるのが、AKBとその姉妹グループになる。
そう考えると、メディアが好んで使う「国民的アイドル」という枕詞は、違っているのでは?という気がしてくるのだ。

AKB48を仕掛けた秋元さんは、30年以上前「総選挙」の中継をしているフジテレビで「おニャン子クラブ」という女の子のアイドルグループを仕掛け人気になった。
その縁もあっての中継なのかもしれないが、CDを購入した人達を中心とした情報発信の方法があっても、良いのでは?
「国民的アイドル」という枕詞を外し、本当のファンが観たい・知りたい情報発信の在り方を考える時期に来ているような気がするのだ。