日々是マーケティング

女性マーケターから見た日々の出来事

「ひとり暮らしの40代が日本を滅ぼす?」ということを、考えてみる

2017-07-22 20:58:13 | ライフスタイル

Huffpostに、センセーショナルな見出しがあった。
それが、今日のタイトルだ。

このタイトルを見て、「40代の一人暮らし=未婚者の増加=少子化と孤独な高齢者予備軍」という、構図?が思い浮かんだ方も多いのでは?
確かに「40代の一人暮らし」という状況は、未婚者というコトが真っ先に思い浮かぶ。
ただ、もう少し「ひとり暮らし」という点だけにフォーカスすると、離婚をし現在一人暮らしをしている、という「元既婚者」も含まれているはずだ。
シングルマザーやシングルファザーではない、元既婚者ということであれば、単純に「少子化の要因」とは言い切れない。

また「孤独な高齢者予備軍」ということも、本当に当てはまるのか?というと、決してそうだとも言い切れないはずだ。
「一人暮らし=孤独」だとは言い切れないからだ。
趣味などを通じて様々な人間関係を持っている、一人暮らしをしている人かもしれない。
イメージだけで考えると、マイナス面ばかりが見えてくるように思えるが、本当にそうなのか?と、疑ってみる必要があると思う。
何故なら、このデータはAIが導きだしたものだからだ。

先日、「超ソロ社会」という本を紹介した。
実は40代の独身男性で働いている場合、自由に使えるお金は驚くほど多い。
同世代の既婚者で、子どもがいる男性の多くが子育て期間中の父親である、ということを考えれば当然といえば当然の事なのだが、今マーケティングではこの「40代一人暮らし男性」をターゲットした、様々な商品やサービスを展開したい、という動きもある。
理由の一つは、上述した通り「趣味や食事、ファッション」などに使えるお金が、同世代の女性よりも多いからだ。
「同世代の女性より使えるお金が多い」という理由は、今更述べる必要もないと思う。

問題なのは「ひとり暮らし=未婚者」と結びつけ、少子化=人口の減少=社会保障費の支出増・収入減と、考えるからなのでは?
もちろん極端な少子化は、社会保障という点で「現役世代の負担増と不安増」を引き起こすだろう。
そのための枠組みを変える必要が、早急に必要である、ということも様々なところから指摘されている通りだと思う。

だからと言って「ひとり暮らし」が日本を滅ぼすというのは、極端な気がする。
「少子化」の問題にしても、経済的不安が減ったり子育て環境の充実で、変わっていく可能性がある。
それだけではなく、不幸にも親といっしょに暮らすことができない子供たちへの様々なサポートをし、「社会全体での子育て」という、発想の転換も必要かもしれない。
親と子の精神的密着が、もしかしたら「少子化」を促す要素となっている可能性もあるのでは?という、気がする時がある(名古屋の「一卵性母娘」の印象が強いからかもしれないのだが・・・)。

何よりこのデータは、AIが導きだしたものだ。
人の気持ちや考えが反映されたデータではない。
要は、このデータからどのような発想をするのか?ということだと思う。