日々是マーケティング

女性マーケターから見た日々の出来事

「星」が無くても、美味しいモノは美味しい

2018-02-06 21:50:28 | 徒然

「ミュシュランガイド」と言えば、世界に名だたる「レストランガイド(ブック)」と言えるだろう。
その「ミシュランガイド」の三つ星を20年近く獲得し続けてきたフランスのレストランが、「掲載をやめてくれ」と、ミシュラン側に申し入れ、ミシュランが掲載を見送った、という話題があった。
TBS NEWS:ミュシュラン“三つ星返上”のなぜ、世界的名誉で史上初 (注意:音声あり)

日本でも「ミュシュランガイド」の東京版が出て以来、日本各地のレストラン、料理店を掲載した「ミシュランガイド」が、出版されるようになった。
ミュシュランガイド公式:CLUB MICHELIN
そして、掲載されたお店には、当然のことながら人が集まる。
何故なら「ミュシュランガイド」という、「お墨付き」があるからだ。
しかも「星」の数で、そのお店をランク付けしてくれている。
旅行先などで初めて行くお店なら、このようなガイドブックはとても参考になるし、頼りになる。

ご存じの方も多いと思うのだが、「ミシュランガイドブック」そのものは、フランスのタイヤメーカー「ミュシュラン」が、「旅先でも安心をして美味しい食事ができるお店」をピックアップしたガイドブックが始まりだ。
クルマで旅行をする人向けの「旅行ガイドブック」が、基本となっている。

それが今では「ミシュランガイド」に掲載される、ということが名誉となり、お店の格付けとなってしまっている。
ニュース映像でもあったように、「ミシュランガイド」の三つ星を獲得するために多大なる努力をし、一流シェフの仲間入りを果たしているレストランオーナーも、数多くいるだろう。
その努力は、とても素晴らしいモノだと思う。
でも・・・と思うところがある。

それは「ミシュランガイド」に掲載されているレストランや料理店の味が、自分の好みでなかったら?ということだ。
「味の好み」というのは、千差万別なのでは?という気がしている。それが時には「嫁VS姑」という状況にまで発展することは少なからずあるはずだ。
いわゆる「おふくろの味」問題だ(問題というほど、大げさなコトではないとは思うが、育ってきた味覚というのは、大人になってからも相当影響されている、と実感している)。
ということは「ミシュランガイド」に掲載されているからといって、自分の好みの味を提供してくれるお店とは限らないのでは?ということなのだ。

確かに「ミュシュランガイド」に掲載される様なお店は、美味しい食事を提供してくれるだけではなく、そのサービスも素晴らしいモノだと思っている。
それと自分の好みの味とは、別ものなのだ。
そして、今回「ミュシュランガイド」掲載を辞退したオーナーの言葉のように、「星を気にして料理をしたくない」というのも、本音かもしれない。

「三つ星」という名誉とは別に、「三つ星」という星の数や「ミシュランガイドに掲載されているから」という理由で、来店するお客様というのはこのお店にとって、本当の顧客であったのか?という、疑問もあったように感じるのだ。
「ミュシュランガイド」だけではなく、ネットの「食べログ」などに掲載されているお店の評価は、あくまでも「目安」という程度に考え、自分の味覚を信じて食べ歩く方が、数倍たのしいのではないだろうか?
星があっても・無くても美味しいと感じるモノは、美味しいのだから。