日々是マーケティング

女性マーケターから見た日々の出来事

「大塚家具」を子会社化する、ヤマダ電機の狙い

2019-12-12 17:11:51 | ビジネス

日経をはじめとする新聞各社のWEBサイトに「ヤマダ電機が大塚家具を子会社化する」という、記事が掲載されている。
日経新聞:ヤマダ電機、大塚家具を子会社化 増資引き受けへ

大塚家具に限らず、昔からある家具店は苦戦を強いられているのでは?と、思っている。
というのも「家具販売」の一番の難しさは、その売り場面積に対して展示する商品の数が限られている、という点があるからだ。
IKEAのような「組み立て家具」が中心であっても、ある程度の展示スペースを確保しなくては、「その家具がある空間イメージ」を伝えることが、難しいからだ。
他にも、日用品のような商品サイクルで販売することができないことや、商品単価が高いなど、家具そのものの購入機会と単価の高さなどから、地方の家具店の閉店が珍しいものではなくなっているような実感がある。
今まで、大塚家具が何とかなっていたのは、全国展開をすることができたからなのでは?という、気がしている。

その「大塚家具」のお家騒動が表面化して3年ほどになる(と思う)。
時事通信社の記事では、今年に入ってからの大塚家具の騒動について、時系列でまとめてあるのでその経営状況とお家騒動などとの関係が良く分かる。
時事通信社:大塚家具 再建問題

なぜ、ヤマダ電機がこれほどまでの「赤字」を抱え込んでいる、大塚家具を子会社化するのか?という点が、気になるはずだ。
なんとなくだが、ヤマダ電機の店舗にその回答があるのでは?という気がしている。
我が家の近くにある比較的大きな店舗には「住宅リフォーム」の売り場が、目立つところにある。
はじめは「太陽光発電」と「オール家電」の販売目的だったように思うのだが、「太陽光発電」の売買期限の終了が迫っていることもあり、「住宅リフォーム」へと2年ほど前から変わってきていた。
「住宅リフォーム」となれば、当然家具の買い替え需要なども見込めるだろう。
その部分で考えれば、大塚家具の持っている「全国展開」は魅力的であった、ということになる。
他にも「家具の在庫」そのものは、ヤマダ電機は持つ必要は無く、インテリアコーディネーターなどは大塚家具から派遣してもらえば、生活者が持っている(であろう)ヤマダ電機が展開している「住宅リフォーム」などの不安を解消することができる。

最近の家電の傾向である、「生活空間に溶け込むような」インテリアデザインのような点も、重要視されていることを考えれば、他の家電量販店との差別化を図る、というメリットもあるのかもしれない。

大塚家具にとって、ヤマダ電機の子会社化はプラスとなるか?否か?は、なんとも言えない部分があるが、少なくともヤマダ電機側にとっては、少なからずメリットのある子会社化かもしれない。