Huffpostに、「若い社員のサクセスストーリー」が掲載してある。
Huffpost:コーヒーでもエナジードリンクでもない。「第3の選択肢」を。これが”甘酒の令和版”だ。
社内起業としてのサクセスストーリーとして、読み応えのある記事だと思う。
その過程についても、比較的細かく書かれているので、わかりやすいという印象を持っている。
何より、日本人ビジネスパーソンの大好きな「サクセスストーリー」だ。
多くの人たちが、このような記事を読むと「そうか!」と、共感をするのでは?という気がしている。
話の内容として、商品開発の苦労話や奮闘する姿、そのような苦労や努力が実を結び、ヒット商品が生まれる瞬間などがまとめられている。
しかし、この話に共感するのは良いのだが、自分の仕事として置き換えた時共感できる部分だけではないはずだ。
共感どころか、「違うな~」と感じるところの方が、多いのでは?
それは当たり前のことなのだ。
このサクセスストーリーは、この商品開発に携わった彼の話であり、読者のサクセスストーリーではないからだ。
同時に「そんなこと、わかっている」と、言われる方の方が多いと思うのだが、街中にあふれる「成功本」と言われる内容と、このサクセスストーリーは大差ないのでは?ということなのだ。
では、何故「成功本」や「成功のためのhow-to本」に目を向けてしまうのか?ということなのだ。
一つは「どうすれば良いのか?」ということが、わからないからだろう。
成功のknow-howなどの方法論がある訳ではないが、そのknow-howを求めてしまうのは「楽がしたい」という気持ちとともに、「自分がやらなくてはならない本質」が見えていないからなのでは?ということなのだ。
これはどのような場合でも当てはまるのでは?と思うのだが「事業のGoalがわからない」のでは?という、気がしている。
今回の場合は、「甘酒の新規顧客となる市場の開拓」ということになる。
「自分が甘酒が苦手だから…。」という視点ではなく、「甘酒が苦手な自分のような人たちは、社会に多いのでは?その人達に美味しいと言ってもらい、定期的に購入してもらう」ということが、具体的な市場の開拓の考えになるだろう。
言い換えれば「甘酒が苦手な人達の問題解決」ということになるかもしれない。
メーカー側が「甘酒」の市場の見直しをする、ということを考えたのには、数年前から若い女性の間で「甘酒人気が起きている」という市場調査があったのでは?と、考えている。
しかし、「甘酒を飲み続ける」というところまでには、なっていないはずだ。
その理由は、様々なだろう。
この商品開発をした彼のようなアプローチもあれば、私のように「甘酒って、どこかお味噌のような味を感じる」という人もいるのでは?
また「お米の粒粒が苦手」という人もいるはずだ。
「体に良い」と、わかっていても市場規模がある程度のところで止まっている、という場合は「テコ入れ策」が必要になる。
「テコ入れ」をしなくては、市場は縮小していく可能性が高いからだ。
その「テコ入れ策」として、若い世代に受け入れられる「甘酒」という考えが必要になる、ということだ。
そのような考えの段階を踏みながら、商品開発が進められたという話なので、自分ならどうする?何を重要視するだろう?と「自分ならどうだろう?」という、落とし込みが必要なのだ。
サクセスストーリーを読み、それをなぞるようにすれば成功する、などということは無く、そのエッセンスをいかに「自分なら?」という置き換えをしながら読んでいく、ということが重要なのだ。