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テレビ番組が示す、生活の変化

2024-04-06 22:00:25 | ライフスタイル

現在のX(旧ツイッター)のおすすめポストに、変わった投稿が表示されるようになった。
その「変わった投稿」というのは、NHKがかつて夕方6時頃に放映をしていた「人形劇」の動画だ。
先日は、「ひょっこりひょうたん島」のオープニングだった。
その前は「プリンプリン物語」。
これらの番組を知っている方は、50代~60代だろう。
特に「ひょっこりひょうたん島」の放映が始まったのは、1956年。
それから約8年ほど続いた、今でいうなら長寿番組かもしれない。
放映時間も確か15分程度だったような記憶がある。

この「ひょっこりひょうたん島」の放映を切っ掛けに、夕方6時台は子供向け番組が組まれるようになったような記憶がある。
その中でも「ひょっこりひょうたん島」の大ヒットにより、後継番組は「人形劇」だったように思う。
しかも今にして思えば、豪華な制作スタッフだった。
「ひょっこりひょうたん島」の脚本を書いていたのは、井上ひろしさん。
オープニングアニメーションは、イラストレーターの九里洋三さんという、新進気鋭というか次の世代の表現を創りだした人達が、携わっていたのだ。
その後も「新八犬伝」では、人形作家・辻村ジュサブローさんが手がけていた。
この「新八犬伝」のヒットにより、辻村ジュサブローさんは人形作家としての地位を確立したと言っても過言ではないかもしれない。

このような毎日夕方になると、NHK総合では子供向け番組として「人形劇」が放映されていたのだ。
NHKアーカイブによると、「ひょっこりひょうたん島」以前に放映されたモノを含め1985年まで、夕方に放映されていたようだ。
NHKアーカイブ:人形劇リスト

そう考えると、1980年代半ごろまでは夕方6時くらいになると、多くの家庭の夕飯の時間帯であり、家族そろって食卓を囲む時間であった、ということになるだろう。
それが今現在、この夕方の時間帯は民放も含めニュースの時間帯となっている。
「人形劇」を見ていた子供たちは、塾等に通う為に人形劇等を見ることが無くなり、同時にそれは「(都市部を中心に)中学受験」が一般化し始めた、とも考えられるのではないだろうか?

それどころか、今の新聞のテレビ欄を見ると「子ども達が見る番組」そのものが、とても少ない、ということに気づく。
働くお母さんが増えたことで、朝放映されていた幼児向け教育番組は無くなり、代わりに登場したのが「情報番組」だろう。
今や子ども達の多くは「テレビを見ない」というだけではなく「子ども向け番組」そのものが、なくなってきているのだ。
昨今のテレビ(の視聴)離れの背景の一つに、「みたい番組・(親が)見せたい番組」そのものが、激減したことで「テレビを見ない生活」が当たり前になった、ということのようにも思えてくるのだ。

今後「ひょっりひょうたん島」のような、人形劇はもちろん情緒性のある物語を基にした番組がつくられることは、ほとんどないだろう。
何故なら、テレビ番組もまた「生活者の時々のライフスタイル」を反映しているからだ。