一昨日、実業家の前澤友作さんが、Meta社に激怒する、というニュースが報じられた。
ITMedia News: “なりすまし詐欺広告”に対するMetaの声明に前澤友作さんら怒り心頭「行政処分を出すべき」
いつのころからか覚えが無いのだが、前澤さんの名前で「お金を配る」とか、「投資指導」のような広告が、フェイスブックだけではなく現在のX等にも頻繁に表示されるようになった。
そもそもいくら実業家で巨額の資産をつくり上げた人物とはいえ、お金を配るとか投資指導をする、こと自体変な話なので、そのような広告を見た時はブロックするようにしていた(それよりも、知らない外国人からの友達リクエストを何とかして欲しい)。
その為、これほどまでの被害が出ていたとは、思いもよらなかった。
考えてみれば、詐欺を働くような人はあの手この手で新手のツールを使い、人をだますことをしてきた。
時代とともに、電話からeメール、現在はSNSとその手口を替えてきた、ということだ。
これら詐欺に使われるツールを見て、気づくコトはないだろうか?
それは「詐欺に使うツールのコストが、安いモノへと移っている」という点だ。
確かに今でも「オレオレ詐欺」と言われる「特殊詐欺」に使われるのは、電話が主流だ。
しかし、固定電話ではなくいわゆる「かけ放題プラン」が使える、携帯電話になっている。
もしくは、光電話と呼ばれる通常回線とは違う電話番号を利用しているはずだ。
eメールは、ランダムなアドレスに一斉送信をしている。
しかもその多くは、日本国内ではなく海外経由で送信されている。
そしてSNSの場合は、無料で不特定多数の人に「広告」することができる。
アクセスするための通信料と言っても、ネット通信の利用料はご存じの通り、高額ではない。
多くのSNSサービスを提供している企業は、広告収入によって収益を上げているので、「広告」として、申請しアカウントを取得すれば、繰り返し表示させること等簡単なコトなのだ。
しかもSNSの場合は、広告主の実態が分からないまま「なりすまし」が簡単にできる。
今回の前澤友作さんをはじめとする著名人の名をかたった「なりすまし詐欺」の場合、広告としてアカウントだが、日本国内でつくられたモノなのだろうか?
確かにSNSの魅力の一つは、タップをするだけで世界とつながる、という手軽さがある。
だからこそ、アカウントの取得国はハッキリさせる必要があるのでは?という、気がしているのだ。
日本国内で取得されたアカウントでありながら、海外から発信されている広告となれば、それはどこか怪しげなアカウント、ということになる(と思う)だろうし、そもそも、いくら著名人だからと言って前澤さんをはじめとする著名人の写真を勝手に使うこと自体、肖像権の問題なのでは?
このような「なりすまし詐欺」のアカウントそのものは、法的手段を取られる前に削除し、また新たなアカウントを取得する、という鼬ごっこに陥るとは思うのだが、根気よく法的手段に訴え続けるしかないのかもしれない。
もう一つ考える必要があるのはこの「なりすまし詐欺」の手法だ。
FacebookやInstagram等のSNSで誘い込み、LINEで実際のやり取りをしている、という点だ。
それは、FacebookやInstagram等のSNSに対する規制だけでは、犯罪防止に繋がらないということでもある。
ただ、Facebookの成り立ちは「同級生の連絡網のデジタル化」から始まったシステムだ。
ということは、「広告表示は、自分とは関係の無いモノ」と、利用者側が認識する必要がある。
Instagramにしても、「広告」が表示されても、同様な認識をする必要があるだろう。
そして、SNSからLINEのような個人連絡ができるツールに誘導すること自体、嘘くさいと受け止める必要があるだろう。
Meta社だけではなく、SNSサービスを提供している側は、ユーザーがブロックした広告アカウントに関して、削除をする等の運用がもちろん必要だろう。
このような「なりすまし詐欺」を無くしていく為には、ユーザーの協力もまた必要であり、それを呼びかけることも必要なのではないだろうか?