先日の「自民党裏金問題」に対する、岸田首相の「背に菌は国民の判断」という言葉に、ネット上で嵐になるほどの批判コメントが相次いでいるようだ。
Yahoo!ニュース:岸田首相「責任は国民判断」波紋 自民反発、野党は解散要求
この発言の元記事は、時事通信のものだが、Yahoo!コメントが通常では考えられない、8828という数字になっている。
それだけ関心の高い記事であった、ということなのだが、その多くはこの発言に対する批判コメントのようだ。
岸田首相としては、「裏金問題について、首相という立場でやるべきことをやった」というつもりで、「あとの判断は、国民に任せる」というつもりで発言をしたのかもしれないが、「責任は国民判断」と言ってしh待ったがために、処分の線引きや説明について十分と感じていない国民としては「なんとも無責任な発言」と、感じ取ったのではないだろうか?
それだけではなく、今回の「自民党裏金問題」に関して、旧安倍派幹部と二階氏を政権から外すことで、問題を収束させ、自分に関係することについては話題にもさせたくない、という気持ちが透けて見えるような印象だ。
このような印象を持たれる方は、私だけではないと思う。
それを示すのが、ヤフコメの数ということになる、と考えている。
そしてこの「責任は国民判断」という言葉を受け、野党が解散要求をするのは当然だろう。
政治に対して国民が責任を負えるのは「選挙」しかないからだ。
その選挙も岸田首相は「時機を見て=自民党が選挙で勝てる」状況と考えているとすれば、当面総選挙はない、と考える方が自然だろう。
何故なら、今総選挙をすれば自民党が下野することが、想像できるからだ。
自民党のパートナーとなっている公明党にしても、今すぐ総選挙となれば、創価学会票の取りまとめが難しいかもしれない。
というのも、昨年創価学会会長の池田大作氏が亡くなり、その後の選挙態勢がどれほど準備できているのか、わからないからだ。
もっとも、池田大作氏自信は、数年前から姿を見せていなかったことから、創価学会内での権力集約はスムーズに終わっている可能性は高い。
だからと言って、今回の「自民党裏金問題」で、どれだけ創価学会票が集まるのかは、多いに疑問だ。
それらの状況を考えると、総選挙そのものはしばらく行わない、と考えるべきだろう。
では何故「責任は国民判断」と岸田首相は言ったのか?
それは、責任回避ということだろう。
岸田首相のいう「国民の責任」という点では、今回の裏金問題に名前の挙がった国会議員を選んだのは、確かに国民だ。
選挙という方法で、選んだのだから「国民に(も)責任がある」ということになる。
党や内閣の重要ポストに就かせる、ということは岸田首相の判断だが、その前に「選んだ者の責任」を問われれば、国民ということになるので「自分の責任ではない」という、言い訳は成り立つ、という判断なのだろう。
「自民党裏金問題」に限らず、岸田首相の様々な発言は「自民党をぶっ壊す」に十分値する内容が多い。
ということは、総選挙までの時間「投げられた賽」に対して、これまでの「恩や義理」を切り離し、熟考し有権者として回答を示すしか方法はないだろう。