今日、3つの選挙区で補欠選挙が実施された。
結果については、ご存じの通りだ。
この補選の中で注目されたのは、与野党一騎打ちとなった島根1区だった。
以前、拙ブログでもエントリさせていただいたが、島根は自民王国と言われてきた。
島根1区は、細田家。島根2区は竹下家と、いずれも自民党の重鎮と呼ばれる政治家を輩出してきたからだ。
ところが、今回の補選を実施することになった細田博之氏は、亡くなる前に「後継者指名」をしていなかった。
これは島根2区の竹下亘氏についても、同じだ。
いうなれば、後継者指名がされないまま補欠選挙を迎えることになった、ということだ。
後継者指名が無いことから、島根県の自民党関係者も候補者選びに時間がかかったようだ。
そして立候補した方は、細田氏との関係が無いと思われる官僚出身の方だった。
この時点で、自民党の敗北は決まっていたのでは?という、気がしている。
というのも、自民党に投票をしていた有権者の内、相当数の人達は「自民党」に投票していたのではなく、「細田博之」という地元出身の政治家に投票をしていたのでは?と、感じていたからだ。
違う言い方をするなら「細田家には義理はあるが、細田家とは関係の無い立候補者には、義理が無い」という、ことなのだと思う。
先日、和歌山2区の二階俊博氏が次回の選挙に出馬しない、と表明しその後継者として自民党和歌山の県町村会が、二階氏の三男を指名した、というニュースがあった。
この件については、後日拙ブログでも書きたいと思うのだが、同じ自民党内であっても後継者を選ぶのは選挙区の県町村会なのだ。
なぜ、県町村会が二階氏の三男を後継者指名としたのか?と言えば、県町村会にとって重要なのは「二階氏の血族である」ということなのだ。
自民党という政党が打ち出す政策に共感して、投票している訳ではない、ということでもある。
島根1区の話に戻すと、選挙期間中、自民党は党の主要幹部を次々に送り込み、選挙遊説をさせた。
選退委員はもちろん、岸田総理も松江市内の街頭に立ち、演説をしている。
自民党幹部が演説に立つと、有権者から「裏金問題」について、厳しく問う声が毎回のように上がった、と言われているが自民党が負けたのは、決して「裏金問題」だけではないはずだ。
上述した通り、立候補者が亡くなられた細田博之氏の後継者指名をされた候補者ではなかった、ということの方が、敗戦理由としては大きいのでは?ということなのだ。
「裏金問題✕故細田氏が指名していない候補者」という二つの要因によって、自民党が負けたのでは?ということなのだ。