日々是マーケティング

女性マーケターから見た日々の出来事

日本が目指すべき外交とは

2023-11-09 23:23:39 | 徒然

岸田首相をはじめとする国会議員の給与アップについて、「増額分を自主返納する」という話が出ている。
時事通信:岸田首相ら増額分、自主返納へ 年46万円、給与改正法は維持 

この岸田首相の言葉を聞くと、「世間からの逆風が強いので、とりあえず自主返納と言っておこうか」という印象を持ってしまうのは、私だけだろうか?
かつて、故中曽根首相は「風見鶏」と揶揄されたことがあったが、岸田首相は故中曽根首相よりも「風見鶏」という気がする。
しかも「給与改正法は維持」ということは、国民の関心が薄れたら法案通り給与を上げる、とも読み取れる。
これまでの岸田首相が行ってきたことを振り返ると、「自分に対してメリットがあるか・ないか」という考え方ばかりが強く、「国民生活」と口では言ってはいるが、「国民のことなんて、ちっとも考えてはいない」という行動が見え隠れしている。

その最たるものが、外交政策なのではないだろうか?
「米国がこのような支援をしているから、我が国も同様の支援を行う」とか「米国から(型落ちの)戦闘機購入」等、大盤振る舞いのお金の使い方をしている。
確かに、今の対中国・台湾等を考えると、それなりの防衛の増強は必要だと思われる。
だが、第二次世界大戦の敗戦国である日本が、防衛力の増強をすればするほど、今の中国は「日本が軍事力を高めているので、中国も対抗する必要がある」という、論法で中国の軍事強化の正当化を図っているようにも見えるのだ。
このような「防衛増強対抗」を繰り返すだけでは、本当のアジア、特に東アジア諸国から日本が今まで以上に信頼されるようになるのか?という、疑問がわいてくるのだ。

何より、現在の中国は経済大国になった、という自信を持っており、その経済力を背景に相当身勝手とも思える発言や政策を国際社会の中で打ち出している。
経済力については、様々な意見や考えがあることは重々承知だが、実態ではなく現在の中国政府の自信の拠り所となっているのが、「経済力」ということだと、理解していただきたい。

その意味で、高度経済成長を体験し、国際社会の一員として一目置かれる(あくまでも経済面であり、国際政治の中での日本政府の立ち位置ではない)ようになったことを、模倣あるいは参考としていると考えてもよいかもしれない。
ただ決定的な違いがあるとすれば、それは日本は「専守防衛の為の自衛隊」を保有しているのに対して、中国は「先制攻撃ができる軍」を持っている、という点だろう。
勿論、現在の国際社会の中で簡単には「先制攻撃を発動する」ということは、難しいだろう。
だからこそ、国連の常任理事国が有する「拒否権」を度々発動させ、自国益を守ってきたのだ。

このような中国に対して、日本が参考とすべき国は米国ではなく、北欧のノルウェーなのでは?という、気がしている。
現在NATOに加盟しているノルウェーだが、ノルウェーの基本的なスタンスは「調停国」だ。
ノルウェー外務省HP:平和、安定、安全保障 

現在の元号「令和」に象徴されるように、日本人の中には「和を以って貴しと為す」という考えが、聖徳太子の頃から尊ばれてきた。
10minutes TV:聖徳太子の十七条憲法「和を以って貴しと為す」の真の意味

現在のように、複雑化した国際社会だからこそ、国のリーダーとしてこの考えを、日本の国際社会における立ち位置である、ということを示すことで、「米国の言いなり」と言われない外交となるのでは?
何より、その為に国と自国民の生活を豊かにすることを考える政治家が、求められているのではないだろうか?


岸田首相や国会議員の給与アップよりも、優先すべき給与の見直しがあると思う

2023-11-08 13:38:55 | アラカルト

今週になってから、岸田首相をはじめとする国会議員の給与アップについての法案が、話題となっている。
何でも岸田首相は、年間で40万円のアップだそうだ。
岸田首相ほどではないが、国会議員の給与もアップするという。
朝日新聞:批判続出の「首相給与アップ」法案 松野長官「賃上げの流れ止めず」 

確かに、先日労働組案としては最大組織である連合は「来年の春闘では5%以上の賃上げ要求」という趣旨の発表をしている。
日経新聞:連合、賃上げ目標5%以上に 24年春季労使交渉 

その意味では松野長官の「賃上げの流れ止めず」という、言葉の意味はあっている。
しかし現実に目を向けると、一般労働者の賃金は物価高騰により目減りしている、という指摘がある。

詳細解説は: 「残念な統計」の毎月勤労統計 (株式会社第一生命経済研究所)でご確認ください。 

このグラフを見ればわかると思うのだが、多少の賃金が上がっても「焼け石に水」状態というのが、日本の生活者の実態なのだ。
背景には、円安、円安に伴う様々な商品の値上がりによる物価高等が挙げられる。
そのような生活者の日々の暮らしと無関係だと思われる、岸田首相の年間40万円の給与アップというのは、国民感情として受け入れがたいのではないだろうか?
どう考えても、岸田首相夫人が、夕方のスーパーのタイムセールを狙って買い物に行っている、とは思えないからだ。
そのような「生活実感を持たない人」が優先して給与アップを率先するかのような言い方をされるのは、政治家としての感覚を疑われても仕方ないのでは?

それだけの給与アップを簡単に行うのであれば、国立大学をはじめとする独立行政法人化された研究所等で働く、有期雇用の研究者たちを無期雇用へと切り替え、給与を上げた方がはるかに日本の未来に役立つのではないだろうか?


この資料は、文科省が2018年に作成した内容だが、おそらく現状は大きく変わってはいないだろう。
このグラフを見てもわかることだが、大手企業であればそれなりの役職に就くステップ年齢時に、有期雇用として働く研究者が多いのだ。
いうなれば20代~40代まで「アルバイト研究者」として、働いている、ということになる。
そのような経済的不安定さを抱えた状態で、安心して研究に打ち込めるのだろうか?
このような背景があるため、これまで日本が得意分野とされてきた「自然科学や物理学等の分野でのノーベル賞受賞者はいなくなる」、という指摘がされるようになってしまうのだ。

おりしも、2022年度の税金の無駄遣いが580億円と、発表された。
Reuters:税金の無駄580億円、22年度 

これらの無駄が無くなり、必要なところへ使われるようになれば、もう少し日本の経済は良くなるのでは?と、考えるのだ。
その為には、まず岸田首相自らご自身の「国民から見た職務成果と給与」というバランスを考え、同様に居眠りをしたりスマホや雑誌を国会の議場で眺めている国会議員の評価をしたうえでの給与アップを検討すべきだと思うのだ。


「アカデミー・クラウドファンディング」について考える

2023-11-06 20:13:34 | アラカルト

先日、国立科学博物館が収集した標本や資料等の保管・管理の為の費用を捻出するために、クライドファンディングを行った。
当初の予定を大幅に超えるお金が短期間で集まった、というニュースをご存じの方も多いのでは、無いだろうか?
この国立科学博物館に限らず、今は「アカデミー・クラウドファンディング」とも呼べるような、国立の研究所や大学等が積極的にクラウドファンディングにより、運営費を集めるようになっている。
大学でいうなら、東北大学の植物標本の管理の為から金沢大学の大学構内のトイレ改修に至るまで、様々な国立大学が資金不足のクラウドファンディングや寄附金募集を継続的に行っている。
朝日新聞:目標は400万円だったけど…科博に続く、東北大のクラウドファン支援
朝日新聞:「どんだけお金ないの」国立大が批判覚悟で寄附募り改修したいもの 

朝日新聞の2つの記事の他にも、法隆寺のような国の文化財指定をされている仏閣に至るまで、様々な文化施設や国立大学、研究所等が「クラウドファンディング」による、資金調達をするようになっている。
このようなニュースを聞く度に、「日本って、いつのころからか文化や科学等の学術的分野にお金を投資しない国になったのだろう?」と、驚きと情けなさのようなモノを感じていた。
その決定打となったのが、国立博物館が実施したクラウドファンディングだったような気がしている。
Huffpost:国立科学博物館のクラファンに9億超。国の予算の在り方に一石を投じる結果に。館長が会見で述べたこととは? 

拙ブログでは何度も指摘してきているのだが、日本の予算のうち「子どもに対する教育費」等はOECD諸国の中でも低位にある。
言い換えれば、「日本は子どもに教育投資をしない国」ということになる。
その延長線として、今回のような「アカデミー・クラウドファンディング」のような動きが出てきたのでは?という、気がしている。
その結果として既に、日本の大学等での研究論文等の「質の低下」が問題になってきている。
現代ビジネス:「日本の学術研究」が危機的状況に・・・論文は多いのに「質の高い」論文が少なくなっている理由 

おそらく「成果主義」と称して、大学自体も「自助努力をし、積極的に論文本数」を求めた結果なのでは?という、気がしている。
そもそも「アカデミックな場」に「論文の本数を競わせる」ような「成果主義」的発想は、相容れられないモノだったはずだ。
もう一つは、「儲けられる研究(分野)」に投資をするという考え方に凝り固まってしまっている、のでは?という懸念がある。
それは「補助金が得やすい研究分野」ということになるだろう。

しかし残念ながら、この「儲けられる研究分野」というのは、半ば「博打ち」のようなところがある。
何故なら、「未来に役立つ研究」という予測等できないからだ。
私たちの生活を見てみるとわかるのだが、10年前に「生成AIやチャットGPT」なる技術が、想像できただろうか?
しかも、身近な技術となるという予測を、多くの生活者はしていなかったと思う。
それほど、「未来を予測する」ということは、難しい(というよりも不可能に近い)ことなのだ。
そしてそれらの技術は、膨大な時間の基礎研究と失敗から発見された新たな発想によるイノベーションによるところが多い(のではないだろうか?)。
その基礎研究となるモノを手放し、儲かる研究に国が投資する、というのは上述した通り「博打」のようなコトなのだ。

「アカデミー発クラウドファンディング」が増える、ということは「国が学術研究を手放した」ということでもあるのでは?という気がする。


生成AIの凄さを感じさせる「岸田首相偽動画」

2023-11-04 20:36:30 | アラカルト

今朝、話題になっていた?「岸田首相の偽動画」。
讀賣新聞:生成AIで岸田首相の偽動画、SNSで拡散・・・ロゴを悪用された日テレ「到底許すことはできない」 

まずこの見出しで注目すべき点は、「日テレのロゴを悪用された」ことに対しての怒りだ。
ご存じの方も多いと思うのだが、日テレは讀賣新聞系のテレビ局だ。
だからこそ、「日テレのロゴを使った」ということに対して「許すことはできない」と、猛烈に怒っているのだ。
肝心な「生成AIを使って岸田首相らしき人物を作り上げ、SNS上に拡散させたこと」に関しても、触れていないわけではないが、怒りのン熱量のようなモノは、やや低いような印象をうける。

理由を考えると、やはり内閣支持率の低迷だろう。
報道各社が行っている「内閣支持率調査」は、調査するメディアによって違うことは当然だ。
朝日新聞や毎日新聞等は、元々自民党に対して厳しい数字を出している。
それに対して、讀賣新聞や産経新聞はいわゆる「保守層」のメディアと言われるくらい、自民党や自民党による内閣支持は比較的高い。
その讀賣新聞等でも、内閣支持率は下がり続けている、という現状がある。
その為、讀賣新聞としても少し距離を置いたような印象の見出しとなったのでは?と、想像したのだ。

記事の内容よりも驚いたのは、生成AI を使ってつくられた「偽りの岸田首相」のリアリティーさだ。
生成AIそのものは、まだまだ技術が進歩していく分野なので、クローン並みのそっくりさは無いにしても、パッと見「あ~~、岸田さんだ」と認識できてしまうくらいの精度という印象を受けた。
しかもこの「生成AI岸田首相」は1時間ほどで作ることができた、という。
元々この動画をつくった男性は、以前から故安倍元首相なども生成AIで作っていた、ということなので、生成AIに対しての知識も技術もあったのだろう。
だからこそ、1時間程度でつくり上げることができた、ということだと思う。

ただ、数年前なら「生成AIって?」という程度の社会認識だったものが、あっという間に当たり前のように使われるようになってきている、ということを示しているように感じる。
そして、この動画がニコ動からSNSへと拡散されたことで、わずかな間に230万回再生されてしまった。
岸田首相自身は、この動画を見たのかは分からないが、そのSNSによる拡散力の凄さと、生成AIを使う技術が特別なものではない、という現実を示したような気がしている。

もう一つ考えなくてはならないのは、「肖像権や著作権」と「パロディや社会風刺」の関係だろう。
この問題で一石を投じたのは、マッド・アマノ氏による「パロディ・モンタージュ写真事件 (Wikipediaより)」と呼ばれるモノだろう。
過去このような事件があったことを知らなかった、ということは致し方ないにせよ、パロディや風刺は行う人のユーモアのセンスが問われるモノであり、生成AIで下世話な話を喋らせる、というのはどうなのだろう?


1年前、Twitter社がイーロンマスク氏に買収された

2023-11-02 19:17:35 | ビジネス

今朝、FM番組を聞いていたら、1年前の今日、イーロン・マスク氏がTwitter社を買収した、という話題があった。
ツイッターのマークがXへと変わり、青い鳥からXという文字だけになったのが、今年の春だったので、「買収をされたのだな~」と実感したのは今年の春以降というユーザーがほとんどだろう。

その間に、イーロンマスク氏がTwitter社に対して行ったコトは、大胆な人員整理だった。
理由は、「収益改善」というモノではあったが、7500人の従業員を半分以下にする、というモノだった。
その後も、人員整理は継続的に行われ、買収時の従業員数から1/4位にまで減った、という話がある。
BusinessInsider:イーロン・マスク氏、ツイッターの従業員を7500人のうち約75%を削減する計画か 

この記事は、昨年の10月に書かれた内容なので、その計画通りの人員削減を実行した、と言ってもよいと思う。
しかし、ここまで人員を削減すると、様々なところで支障をきたすことは、想像できるだろう。
その第一弾となったのが投稿されるtweetの管理だった。
「tweetの管理」というと、何だろう?と思われると思うのだが、「自由に思いのままつぶやく」ことはできるということは前提ではあるが、社会を扇動するようなツイート等に関しては、適宜削除を行っていた。
事例を挙げるなら、米大統領選でのトランプ氏のtweetの削除だろう。
トランプ氏の不適切なtweetは、Twitter社の管理により不適切であると判断されたtweetに関しては、削除されている。
そのことに対して、トランプ氏は「Twitter社は、公平ではない」と、異議を申し立てていたが認められず、トランプ氏自らがTwitter社に代わるSNSを立ち上げるということになった。
残念ながら、トランプ氏の思いとは別に登録者数が伸びてはいないし、登録者そのものが熱狂的なトランプ支持者ということで、社会に対する発信力に関しては、疑問ということになっている状態だったと記憶している。

大胆な人員整理をしたため、一時期Twitterそのものの運営に支障をきたし、解雇した社員を呼び戻そうとしたこともあったようだが、解雇された従業員が戻ることは無かった、という話もあった。
その後、世間をざわつかせたのは、Xの課金化というニュースだった。
ご存じのように、Twitterの大きな収益は企業広告によるものだ。
一般ユーザーは、登録も利用についても無料になっている。
それがいきなり課金される、というので一般ユーザーがざわめいたのだ。
人員削減のニュースでは、さほど気にしなかった日本のユーザーもこの「課金」の話題については、「課金されるなら、やめる」の声が次々と出てきてしまった。

当然、現在のXに有料で広告を出している企業も「一般ユーザーが減れば、広告効果は激減する」として、広告を引き上げることを検討する企業が続出した。
「Google広告」のCM等を見ればわかると思うのだが、GoogleのようなポータルサイトやSNSのサイトは、登録ユーザーに対する顧客管理がされている為、広告表示そのものを広告主の希望に合わせることができる。
その効率がよく効果的な「広告ツール」として、魅力があったはずなのだ。
登録時のデータはあっても、利用してもらえなくては、広告そのものを打つ意味がない、ということになる。
その為、一般ユーザーよりも先に企業が現在のXから離れる、という状況になっている。

Xの課金の発表があった直後、フェイスブックやインスタグラムを運営しているMeta社が「Twitterに代わるSNS=スレッズ」の立ち上げを発表した。
発表直後の登録数は1億を超えたと言われているが、現在の利用者は余りないだろう。
その間、毎日のようにX社とイーロン・マスク氏の話題が取り上げられたので、一部では「イーロン・マスク氏、してやったり」という評もあった。
その評価も時間が経つにつれ、収まっていったように思う。

今朝のFM番組の話では、1年経過しXに対する企業価値は、買収前に比べ15%程度落ちている、という話だった。
買収時に話した「Xを窓口として、ユーザーの全ての生活にXがかかわる。特に、金融との一体化」という趣旨のビジョンは、「課金化反対」により、ますます厳しくなっているような印象を持っている。
果たして来年の今頃、Xはどのような体制になっているのだろうか?