僕はびわ湖のカイツブリ

滋賀県の風景・野鳥・蝶・花などの自然をメインに何でもありです。
“男のためのガーデニング”改め

今月の読書!~「55歳からのハローライフ」..etc.~

2014-07-29 06:55:55 | アート・ライブ・読書
 NHKの土曜ドラマで“55歳からのハローライフ”が5話連続で放送されていましたが、放映に気がついたのは第4話からのことです。
NHKのHPをみてもまだ再放送の予定が出ていないのが残念ですが、見逃した1~3話をぜひ見てみたい。

このドラマは原作が村上龍の小説ということもあり、随分と久しぶりになる村上龍の本を買って読んでみた。
当方が55歳を迎えるまでにまだ時間はあるんだけど、この小説に登場する人物たちの求めるハローライフのあり方と出会いと迷いに、グッときたり、しんみりしたり、身につまされたりする。

5つの話に登場する人物の設定は“富裕・中間・貧困”と様々な立場の中高年の人々で、それぞれの人生の再出発をしようとする話になっている。
この連作のキーは“飲み物”になっていて「アールグレイ・おいしい水・コーヒー・プーアル茶・パラダイストロピカルアイスティ・番茶・(シャンパン・赤ワイン・ビール)」とこれが絶妙な味わいとなっています。



次は沢木耕太郎の「イルカと墜落」
アマゾンの奥地に住む「イゾラバ」という文明と接触していないインディオを探しに行く途中、飛行機が墜落して九死に一生を得た話を交えたノンフィション。

沢木耕太郎といえばある世代の方には「一瞬の夏」(←これを読んでからボクシング・ファンになった)、「破れざる者たち」「テロルの決算」などの名ノンフィクションや「深夜特急」でアジアからシルクロードの旅を放浪した話が馴染み深いかと思います。
この「イルカと墜落」は「イルカ記」と「墜落記」の2つの話から成っていて、「イルカ記」ではアマゾン河に棲むピンクのイルカの話など書かれており、後半の「墜落記」ではいやな予感がしつつも飛行機に乗ったら墜落して瀕死の重傷をおってしまう話など。
“なんてこった。冗談じゃなく、本当に墜落しちまいやがった。”って笑えない話ですね。



さて「イルカと墜落」の中には飛行機事故で亡くなられた向田邦子(享年51歳)についての記載があって、それは「向田邦子を偲ぶ会」に参加したあと、飛行機の旅に出ることにためらいがあったという話。
せっかくなので今月文庫で出た向田邦子の「霊長類ヒト科動物図鑑」というエッセイ集を買った。まだ読んでないけど「ヒコーキ」ってエッセイには自身の飛行機事故の予感めいた話が書いてあるそうです。



最後はコンゴの奥地に棲息すると言われる「モケーレ・ムベンベ」という謎の怪獣を探してサバイバルする話で「幻獣ムベンベを追え」
昔TVでやっていた水曜スペシャル「川口探検隊」みたいだけど、早稲田の探検隊が大真面目にサバイバルしている。
途中から食糧危機になって死にそうになったりするんだけど、文体が軽妙でエンターテイメントのようなノンフィクション。



55歳になった時、自分が“何をやりたがっているか”“どうしているか”なんて分かりませんが、自分の“55歳からのハローライフ”について考えておきたいところです。
“まっ!何とかなるさ”と楽観しているとは思うけど、“55歳からのハローワーク”になっちゃったりしてたら、たまらないな!


コメント
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