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十二支と十干を組み合わせた暦の読み方では「庚子」の年とされ、“変化の年”と言われることもあるようです。
近江八幡市にある「賀茂神社」のある場所は、天智天皇が大陸の影響を受け、この地に国営牧場を築き、馬の調教と繁殖に力を注いだ地だとされます。
奈良時代の717年、元正天皇の勅命によりこの地を神社の地と定められ、736年には聖武天皇によって神社は創建されたと伝わります。
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聖武天皇は、天変地異が起こり、危機的な状況にあった国の安寧を願い、陰陽道の祖ともされる吉備眞備に命じて、「気」の集まる当地に賀茂大神を祀ったといいます。
吉備眞備は奈良時代の学者で右大臣にまで上り詰めた方ですから陰陽師とは言い切れませんが、賀茂神社の本殿が表鬼門に建てられ、本殿が裏鬼門に向いているのは陰陽道の影響だとされます。
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「連理の眞榊(産霊社)」は2本の榊が1本に結ばれていることから、縁結び・子授け・安産等に霊験があるといい、鳥居を抜けたすぐ先にあります。
鳥居の正面には「拝殿」が建てられ、その前には御神木「明神杉」があったはずだが...。
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「明神杉」は樹齢800~1000年といわれる大木で、御神木には白蛇がすみ、白蛇を見ると一生幸せになるとの白蛇伝説があります。
過去に参拝した時も明神の杉を見上げて、見えるはずもない白蛇を探した記憶があるが、見るのも辛いほど無残な姿に変わってしまっている。
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明神の杉は平成30年(2018年)9月4日、台風21号によって倒木したといいます。
2018年の台風は各地に大きな傷跡を残しましたが、この御神木が倒木したのは知らず、現地で見た時は声もあげられないほどのショックを受けました。
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しかも神社創建の縁起から「馬の聖地」と呼ばれ、境内にあった大きな神馬像も木の下敷きになってしまっています。
賀茂神社には「足伏走馬」という平安時代から1千年以上行われている古式の競馬神事があり、そのシンボル的な存在だったはずが...。自然の驚異は怖ろしい。
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賀茂神社にはかつて1寺2坊の「圓珠寺」という寺院があったといい、現在は「不動堂(護摩堂)」と「庚申堂」が残されています。
不動堂は護摩祈祷が行われていたとされる御堂ですが、普段は開いていないはずが、正月ということもあって内部拝観が出来るようになっていました。
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ところで、圓珠寺は密教系(天台宗)の寺院だったとされており、堂内には「大日如来坐像」を中心に、五大尊(不動明王、降三世明王、軍茶利明王、大威徳明王、金剛夜叉明王)が安置されていました。
向かって左端に安置された仏像が何の仏かは不明ですが、神社の本殿と並ぶかのように仏教の御堂があるのは珍しい配置です。
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また、拝殿の横には「庚申堂」があり、青面金剛尊が祀られています。
庚申信仰は中国の道教の「三尸蟲」によるもので、庚申の日に眠ると体内にいる三尸の虫が抜け出て天帝に罪過を告げ、早死にさせるという説によるものだといいます。
庚申の夜に行われる「庚申待」は平安時代に陰陽師によって広がったとされ、「庚申堂」の屋根には庚申(かえのさる)と“三尸”にちなんでか三猿の姿があります。
これは“身を慎んで悪いことは見ざる・言わざる・聞かざるという様に過ごせば幸せに過ごせます”との戒めのしるしだといいます。
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見ざる
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言わざる
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聞かざる
本殿には四柱大神様が祀られ、四柱として賀茂氏の氏神である「賀茂建角身命」「賀茂玉依比賣命」「賀茂別雷命」「火雷命」が祀られる。
参拝者は元旦にしては多くもなく少なくもなくといったところだが、祈祷控室には何組かが待機されていました。
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本堂や不動堂の後方には森が拡がっており、祭祀跡だとされる「祈りの斎庭」という小さな山がある。
この場所は天より光の柱が降り注ぐ地といい、大地のエネルギーが集まる所、日本の「気」が集まる場だとされています。
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賀茂神社では「足伏走馬」が行われる400mの馬場が駐車場となっており、馬場に沿って森の横を通る帰り道、「御旅所(御生所)」がありました。
賀茂神社で大祭「賀茂祭」が行われる時に、大神がこの御旅所に渡御される御休息の地であるといい、奥にある4本の榊の木には賀茂大神の荒魂が宿っているとされます。
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明神の杉の今の姿には参拝された方も大きなショックを受けたかと思いますが、変化のスタートの年として再生されていくことを祈念しています。
また、おみくじで大吉など引いたことのない当方には珍しく“大吉”を引きましたので、気分を一新して新たなスタートの年としたいと思います。
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