このブログの16日の閲覧数と訪問者数を見たら、前日の約10倍の数字になっていて、唖然とした。あまりの「高騰」に、集計システムか何かがぶっ壊れたのかと思った。
「勝手に将棋アンテナ」にこのブログ名が掲載されたらしいが、そんなに影響が出るものだろうか。この数字は一時的なものだろうが、これからはちょっと人の目を意識してしまう。まあ、マイペースで書いていきます。
15日、自宅から日本女子プロ将棋協会(LPSA)・金曜サロンがある駒込へ徒歩で向かう途中、道を間違えて上中里のほうへ行ってしまった。駒込方面へ軌道修正すると、ある女子高校の前に出た。ここは私が高校生だった27年前、将棋部がある関係で、文化祭にお邪魔したことがある。
このときはプロ棋士や奨励会員が指導に見えていて、私も1局ずつ教わった。その後は当然ながらこの女子高に訪れることもなく、27年ぶりの思わぬ「再会」に、私は懐かしさが込みあげ、ちょっと感傷的な気持ちになった。
そのまま歩いて聖学院近くに出る。ここからサロンへは近いが、私は駒込駅近くまで行き、某銀行のATMでとりあえず1万円を入金し、サロンへ戻る。
ビル前では手合い係の植山悦行七段がのんびり佇んでおり、ふたりで入室した。
この日はサロン会員のレギュラーメンバーふたりとセミレギュラーメンバーが軒並み休みで、閑散としていた。
私が藤田麻衣子女流1級との指導対局で苦杯を喫すると、もう対局者がいない。それを見かねてか、植山七段が、「じゃあ1局指しましょうか」と申し出てくれる。
アマチュアが男性棋士に将棋を教えていただくのは、女流棋士のそれとは一味違って、畏れ多さが先に立つ。私はこの金曜サロンが、女流棋士2名に将棋を教えていただけて、棋友とリーグ戦も指せて、植山七段のアドバイスもついてこの席料、いうのは、かなりお得だと思っている。
だからそれに加えて男性棋士に教えていただけるのは、たいへんな余得である。しかも今回は1対1の対局だ。緊張しつつ駒を並べ終えるが、植山七段が大駒を引く気配がないので、当然駒落ちを所望すると、
「(ボクは)駒落ちは嫌いだから平手でいきましょう」
と言う。
植山七段は、角を落とそうが飛車を落とそうが構わないのだ。しかし相手も駒を落とされるより平手で指したいだろう、と見越しての、思いやりのある一言であった。
ありがたいことである。もしこれが正式な場で、おカネを払っての指導対局だったらどうか。角落ちと平手では指導料も大幅に違うし、たいへんな出費となるだろう。
私は植山七段の配慮に大いに感謝し、対局を始めた。
その将棋は植山ワールドが全開となった。私の▲2六歩に「その出だしが困るんだよねえ」と言いつつ△3四歩。以下▲7六歩に△3三角!ときた。
アマチュア相手に「4手目△3三角」の最新戦法である。私は角交換をして▲6八玉。
ここで四間に飛車を振るかと思いきや、植山七段は△3二金。以下「植山好み」のまったりした戦いになり、私はすっかりペースが狂ってしまった。
私は飛車を8八に振る構想を見せたが、その前の▲8九玉があまりにもミエミエの意志表示で、ここは先に▲7六銀と上がるべきだった。
以下は当然ながらプロの指し回しに翻弄された。と金で左右挟撃されて、文字どおりの完敗となった。しかし同じ負けるにしても、もう少し植山王に迫れなかったものか。これではせっかく平手にした植山七段も、張り合いがないというものだろう。私は植山七段に申し訳なく、自分の未熟な棋力が情けなかった。
とはいえ植山七段との「初対局」から27年目、ついに平手で教えていただけたことは、やはり感慨深いものがあった。そう、先に書いた女子高での文化祭で、将棋を教えていただいたプロ棋士とは、若き日の植山悦行四段だったのである。
「勝手に将棋アンテナ」にこのブログ名が掲載されたらしいが、そんなに影響が出るものだろうか。この数字は一時的なものだろうが、これからはちょっと人の目を意識してしまう。まあ、マイペースで書いていきます。
15日、自宅から日本女子プロ将棋協会(LPSA)・金曜サロンがある駒込へ徒歩で向かう途中、道を間違えて上中里のほうへ行ってしまった。駒込方面へ軌道修正すると、ある女子高校の前に出た。ここは私が高校生だった27年前、将棋部がある関係で、文化祭にお邪魔したことがある。
このときはプロ棋士や奨励会員が指導に見えていて、私も1局ずつ教わった。その後は当然ながらこの女子高に訪れることもなく、27年ぶりの思わぬ「再会」に、私は懐かしさが込みあげ、ちょっと感傷的な気持ちになった。
そのまま歩いて聖学院近くに出る。ここからサロンへは近いが、私は駒込駅近くまで行き、某銀行のATMでとりあえず1万円を入金し、サロンへ戻る。
ビル前では手合い係の植山悦行七段がのんびり佇んでおり、ふたりで入室した。
この日はサロン会員のレギュラーメンバーふたりとセミレギュラーメンバーが軒並み休みで、閑散としていた。
私が藤田麻衣子女流1級との指導対局で苦杯を喫すると、もう対局者がいない。それを見かねてか、植山七段が、「じゃあ1局指しましょうか」と申し出てくれる。
アマチュアが男性棋士に将棋を教えていただくのは、女流棋士のそれとは一味違って、畏れ多さが先に立つ。私はこの金曜サロンが、女流棋士2名に将棋を教えていただけて、棋友とリーグ戦も指せて、植山七段のアドバイスもついてこの席料、いうのは、かなりお得だと思っている。
だからそれに加えて男性棋士に教えていただけるのは、たいへんな余得である。しかも今回は1対1の対局だ。緊張しつつ駒を並べ終えるが、植山七段が大駒を引く気配がないので、当然駒落ちを所望すると、
「(ボクは)駒落ちは嫌いだから平手でいきましょう」
と言う。
植山七段は、角を落とそうが飛車を落とそうが構わないのだ。しかし相手も駒を落とされるより平手で指したいだろう、と見越しての、思いやりのある一言であった。
ありがたいことである。もしこれが正式な場で、おカネを払っての指導対局だったらどうか。角落ちと平手では指導料も大幅に違うし、たいへんな出費となるだろう。
私は植山七段の配慮に大いに感謝し、対局を始めた。
その将棋は植山ワールドが全開となった。私の▲2六歩に「その出だしが困るんだよねえ」と言いつつ△3四歩。以下▲7六歩に△3三角!ときた。
アマチュア相手に「4手目△3三角」の最新戦法である。私は角交換をして▲6八玉。
ここで四間に飛車を振るかと思いきや、植山七段は△3二金。以下「植山好み」のまったりした戦いになり、私はすっかりペースが狂ってしまった。
私は飛車を8八に振る構想を見せたが、その前の▲8九玉があまりにもミエミエの意志表示で、ここは先に▲7六銀と上がるべきだった。
以下は当然ながらプロの指し回しに翻弄された。と金で左右挟撃されて、文字どおりの完敗となった。しかし同じ負けるにしても、もう少し植山王に迫れなかったものか。これではせっかく平手にした植山七段も、張り合いがないというものだろう。私は植山七段に申し訳なく、自分の未熟な棋力が情けなかった。
とはいえ植山七段との「初対局」から27年目、ついに平手で教えていただけたことは、やはり感慨深いものがあった。そう、先に書いた女子高での文化祭で、将棋を教えていただいたプロ棋士とは、若き日の植山悦行四段だったのである。