22日の金曜サロン、昼の部は大庭美樹女流初段の担当、夕方の部は前週に引き続き松尾香織女流初段の登板となった。松尾女流初段は北尾まどか女流初段のピンチヒッター。こういう突発的な変更はときどきある。
この日はスーパーサロンに2時40分ぐらいまでいたので、金曜サロンへの入りも遅くなった。
さて大庭女流初段の得意戦法は異色で、こちらが居飛車だと右玉、振り飛車だと相振り飛車になる。どちらも定跡が確立されていないので、己の実力が試されるわけで、プロ棋士相手に言うのも失礼だが、その意味では指しにくい先生である。
指導対局では軽口を交えながら指す棋士と、寡黙で指す棋士の2パターンがあり、大庭初段は後者に属する。会員の緊張を和らげるために、多少のおしゃべりは必要、との声もあるかもしれないが、私はどちらでも構わない。
昨年の大庭女流初段との初対局では定跡どおり角を落としていただいた。その将棋は中盤でこちらが圧倒的優勢になったのだが、いや角落ちだから勝勢になったといってもいいのだが、大庭女流初段は顔色ひとつ変えず指し続ける。
これがたとえば藤森奈津子女流三段だと、形勢が悪くなれば「困りました」と漏らしてくれるので、「ああこちらが良いんだ」と安心できるのだが、黙って指されると、「思ったほどこちらが良くないのでは」と疑心暗鬼に陥ってしまう。
だから大庭女流初段が「困りました」と言ったときは、こちらが勝勢になったことを意味する。
本局は大庭女流初段が序盤早々角道を止めたので、ふつうの振り飛車かと思いきや、珍しく3筋の歩を伸ばして飛車を振り、石田流の作戦であった。
桂をポンポン跳ばれて攻めつぶされるかと思ったが、金銀で守っていた自陣は意外に粘りがあり、逆にこちらが駒得となった。
ただここからの粘り強さが大庭女流初段の持ち味である。しかし私も自陣に駒を打ちつけ、大庭女流初段は竜を自陣に引き、長期戦の様相を呈してきた。
時刻は5時半を過ぎた。金曜サロンでのスケジュールでは、ここで大盤解説となる。しかし私の対局が長引いたため、こちらはそのまま指し継ぐことになった。
解説は松尾女流初段がひとりでの進行である。私も拝見したいが、そうもいかない。しかし大盤解説に参加しなきゃ、という思いは大庭女流初段も同じだったようで、局面は急にバタバタと進み、最後は私が▲8八の香で△8六の桂を外した手が、詰めろ逃れの必死となって、私の辛勝となった。
このあと自玉には王手が続くが、それを指さずに投了するあたりに、棋士のたしなみを感じた。
なおこのあとの松尾女流初段との指導対局は、時間の関係でなしとなった。これは私にとって初めてのケースだった。遅い時間にもかかわらず、
「大沢さんは?(私と指導対局は指さなくていいのですか?)」
と心配りを見せてくれた、松尾女流初段に感謝したい。
この日はスーパーサロンに2時40分ぐらいまでいたので、金曜サロンへの入りも遅くなった。
さて大庭女流初段の得意戦法は異色で、こちらが居飛車だと右玉、振り飛車だと相振り飛車になる。どちらも定跡が確立されていないので、己の実力が試されるわけで、プロ棋士相手に言うのも失礼だが、その意味では指しにくい先生である。
指導対局では軽口を交えながら指す棋士と、寡黙で指す棋士の2パターンがあり、大庭初段は後者に属する。会員の緊張を和らげるために、多少のおしゃべりは必要、との声もあるかもしれないが、私はどちらでも構わない。
昨年の大庭女流初段との初対局では定跡どおり角を落としていただいた。その将棋は中盤でこちらが圧倒的優勢になったのだが、いや角落ちだから勝勢になったといってもいいのだが、大庭女流初段は顔色ひとつ変えず指し続ける。
これがたとえば藤森奈津子女流三段だと、形勢が悪くなれば「困りました」と漏らしてくれるので、「ああこちらが良いんだ」と安心できるのだが、黙って指されると、「思ったほどこちらが良くないのでは」と疑心暗鬼に陥ってしまう。
だから大庭女流初段が「困りました」と言ったときは、こちらが勝勢になったことを意味する。
本局は大庭女流初段が序盤早々角道を止めたので、ふつうの振り飛車かと思いきや、珍しく3筋の歩を伸ばして飛車を振り、石田流の作戦であった。
桂をポンポン跳ばれて攻めつぶされるかと思ったが、金銀で守っていた自陣は意外に粘りがあり、逆にこちらが駒得となった。
ただここからの粘り強さが大庭女流初段の持ち味である。しかし私も自陣に駒を打ちつけ、大庭女流初段は竜を自陣に引き、長期戦の様相を呈してきた。
時刻は5時半を過ぎた。金曜サロンでのスケジュールでは、ここで大盤解説となる。しかし私の対局が長引いたため、こちらはそのまま指し継ぐことになった。
解説は松尾女流初段がひとりでの進行である。私も拝見したいが、そうもいかない。しかし大盤解説に参加しなきゃ、という思いは大庭女流初段も同じだったようで、局面は急にバタバタと進み、最後は私が▲8八の香で△8六の桂を外した手が、詰めろ逃れの必死となって、私の辛勝となった。
このあと自玉には王手が続くが、それを指さずに投了するあたりに、棋士のたしなみを感じた。
なおこのあとの松尾女流初段との指導対局は、時間の関係でなしとなった。これは私にとって初めてのケースだった。遅い時間にもかかわらず、
「大沢さんは?(私と指導対局は指さなくていいのですか?)」
と心配りを見せてくれた、松尾女流初段に感謝したい。