一公の将棋雑記

将棋に関する雑記です。

女流棋士スーパーサロン金曜日・上田初美女流二段①

2009-05-24 02:34:40 | 女流棋士スーパーサロン
この表題は書き間違いではない。2009年5月22日(金)、ついに私は、日本将棋連盟・女流棋士会主催の「女流棋士スーパーサロン」を訪れた。15日の午前に連盟に電話をかけ、スーパーサロンへ行きたい旨を伝えたときは、定員一杯で断られた。しかし話の流れで、この日の予約を入れておいたのだ。
一昨年、日本女子プロ将棋協会(LPSA)が誕生したとき、「将棋ファンのパイを取り合う恐れがある」と危惧した棋士もいたと思う。しかしこれは取り越し苦労である。LPSAのお陰で、私はほぼ10年振りに指し将棋に復帰し、金曜サロンに通う傍ら、こうしてスーパーサロンにもお邪魔したのだから。
さてスーパーサロンは、東京・将棋会館の2階にある将棋道場の一隅で開かれる。
予約制で、1部は午前10時00分~11時30分。2部は10時30分~12時00分。それぞれ定員は4名。
これは6月からの新タイムテーブルで、5月まではそれぞれ10時~11時、11時~12時だった。しかしこれだと、各自の「持ち時間」が1時間とやや短く、せわしない。
今回はそれを改良したわけだが、私が予約したときは、すでに新タイムテーブルが適用されていた。料金は一般2,000円だが、対局が終わっても、引き続き道場にて、お客同士で対局ができる。また午後4時30分からのトーナメント戦の参加も可能で、かなりお得な料金設定になっている。
ちなみに各曜日の担当者を記すと、月曜日:熊倉紫野女流初段 火曜日:安食総子女流初段 水曜日:中村桃子女流1級 木曜日:井道千尋女流初段 金曜日:上田初美女流二段・藤田綾女流初段 である。私は金曜日がやむなく休日になっているので、上田二段か藤田初段の担当となる。先日の電話予約時では「藤田先生になります」と告げられていた。名字がちょっとアレだが、こちらの藤田先生は優しそうだ。
欲をいえば山口恵梨子女流1級にも担当してほしいところだが、高校生では仕方ない。山口女流1級はこの日対局だったが、同じ建物の中から、私は彼女の勝利を祈っていた。
9時55分に将棋会館2階に上がったが、まだ開席はしていない。しかし10時からの対局予定者は、何人か来ていた。常連らしいお客さんが、「今日の予定は藤田さんだけど、時々交代することがあるからなあ」とか話している。
と、10時きっかりに、ハツラツとした感じで、階段を上ってくる女性がいた。彼女は私を見て、「あ、どーも!」と微笑む。
上田初美女流二段だった。
先ほどのお客さんが言ったとおり、早速担当の変更があったのだ。藤田女流初段と指せないのは残念だが、もちろん上田女流二段も大歓迎である。以前も書いたが、上田女流二段は女流棋士会で5指に入る美貌である。
入口で手合い係嬢にサロン対局の旨を告げる。藤田女流初段に似た美人もいる。LPSA金曜サロンの、ややくたびれた手合い係氏とはエライ違いである。
指導対局スペースのレイアウトはコの字型で、隣りの対局者との間隔がやや狭い。しかし女流棋士も小回りが利き、キャスターのついた椅子でスムーズに動ける仕掛けになっている。
早速駒を並べる。それにしても上田女流二段は、名前のとおり初々しく、美しい。瞳が輝いている。毎日が充実している証であろう。私はこのブログでは女流棋士の容姿には触れないようにしているが、とか言って結構触れているが、数年前の「アラレちゃん」が、彼女と同一人物とは到底思えない。とにかく女流棋士会には、このレベルの美女がゴロゴロいる。層の厚さを実感する。
対局は、図々しく平手を所望した。戦型は、上田女流二段の△四間飛車に、私の▲左4六銀早仕掛けとなった。
このあたりの定跡は私もうろ覚えで自信がないが、上田女流二段はスキのない手順で応戦する。LPSAにも振り飛車党はたくさんいるが、この定跡を知識として叩き込んでいる棋士が何人いるか。この数手だけを見ても、女流棋士会の棋士はよく研究している、と感心した。
この将棋は、「持ち時間1時間」と勘違いしていたので、私の指し手も早く、40分足らずで終わってしまった。
局後の感想戦は、多くの時間は割けないものの、急所の局面をテキパキと検討してくれた。また私が急戦の作戦を採ったので、その参考になる定跡書も紹介してくれた。
この対局結果は、自慢になってしまうので自分の口からは言えないが、80余局にのぼる女流棋士との指導対局の中では、3指に入る名局だったと自負している。
指導対局が終わったあとも、駒込の金曜サロンが開くまで時間があるので、しばらく道場で指し続けることにする。サロンの余得で、無料である。
何局か指し、昼ごろ他の将棋を見物していたら、カッ、カッ、カッ、カッ…と、聞き憶えのある靴音がしたので、開けっ放しのドアのほうを見ると、階段を下りてゆく女性の後ろ姿が、ほんの一瞬だけ目に入った。
彼女は…。私は窓際に移動すると、玄関を出る彼女を再び確認した。彼女は本日対局だった。きっとお昼を摂るのだろう。以前はこの将棋会館がホームグラウンドだったのに、いまはアウェーになり、孤独な戦いを強いられているのだ。その後ろ姿はさびしそうで、心なしか足取りも重そうだった。
彼女は会館を出ると、左に向きを変え、坂道を下っていった。顔は確認できなかったけれど、やはり彼女に間違いない。私は心の中でつぶやいた。
「中倉宏美先生、女流王位戦リーグ、頑張ってください」
コメント (6)
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