一公の将棋雑記

将棋に関する雑記です。

金曜サロン・藤田麻衣子女流1級②

2009-05-16 15:13:15 | LPSA金曜サロン
ついにこの日がやってきた。5月15日、この日の金曜サロンは昼が藤田麻衣子女流1級、夕方が松尾香織女流初段だった。
現在私が指導対局を受けたい棋士は、船戸陽子女流二段でも中倉宏美女流二段でもなく、山口恵梨子女流1級でもない。藤田麻衣子女流1級である。
私が金曜サロンで、平手・香落ちで4局以上指導を受けた棋士8名の中で、唯一負け越しているのが、藤田女流1級なのである。その対戦成績、0勝4敗。王将戦7番勝負なら、4番手直りで本局は駒を落とされているところである。
平手勝負とはいえ、指導対局で5連敗はするわけにはいかぬ。
この日は日本将棋連盟の女流棋士スーパーサロンへ行ってみようと連盟へ電話をしたが、定員に達したということで見送り。
いったん自宅に戻って、昼食後、サロンまでぶらぶら歩いていく。ポカポカ陽気のなか散歩するのは悪くはないが、平日のそれは派遣切りに遭った求職中の男のようで、すこし侘びしい。
2時半ごろサロンに入ったが、この日は会員が少なく、私で5人目だった。
藤田女流1級はこのブログの存在を早くから知り、読んでくれている。恐縮至極である。
そんな藤田女流1級とのサインを賭けた扇子勝負、結果から書くと、また負けた。その内容がまた、いつものパターンの逆転負けだったので、今回は藤田女流1級の承諾を得ることなく、半ば呆れつつ全譜を掲載する。

先手(下手):一公 後手(上手):藤田麻衣子女流1級 手合割:平手
▲7六歩△8四歩▲6八飛△3四歩▲6六歩△6二銀▲3八銀△5四歩▲7八銀△4二王▲4八玉△3二王▲3九玉△5二金右▲1六歩△1四歩▲6七銀△8五歩▲7七角△4二銀
▲2八玉△7四歩▲5八金左△5三銀左▲9八香△4二金上▲4六歩△6四銀▲7八銀△7五歩▲6五歩△7七角成▲同銀△7六歩▲6四歩△7七歩成▲同桂△2二角▲6三歩成△同銀
▲6四歩△7二銀▲6五桂△7七角成▲7三歩△6八馬▲同金△7三桂▲同桂成△同銀▲2六桂△2五銀▲6三銀△6四銀▲7一角△8一飛▲5二銀成△同金▲6一角△4二金
▲7二角成△7一飛▲同馬△7九飛▲6一飛△4八銀▲6九金打△4九銀成▲同銀△7六飛成▲3一銀△4六竜▲4二銀成△同王▲2一飛成△3一金▲5二金△同王▲3一竜△4九竜
▲3二竜△4二桂▲3九金△2六銀▲同馬△3八金▲同金△同竜▲同玉△4六桂▲4八玉△4七銀▲同玉△3八角▲4六玉△5五銀
まで、96手で藤田女流1級の勝ち。

手順中、45手目の▲7三歩が悪手。貴重な1歩を使って、相手の死に桂と自分の桂を交換する手はなかった。ここでは▲5三銀が正着。以下△同金右▲同桂成△同金▲7一角に△8三飛と浮かれて攻めが切れていそうだが、ここで▲7四金と強引に飛車を取りにいって下手優勢。これは検討に加わってくださった植山悦行七段の指摘である。
ロコツな▲5三銀は真っ先に浮かんだが、攻めが単調だと見送ったのがまずかった。
以下はこちらが明らかな無理攻めをして、徐々に形勢が傾く。私が敗勢のなか、藤田1級が80手目△2六銀と下手の桂を食いちぎったところが、下手最後のチャンスだった。
上手の読みは、ここで下手が▲4九金と竜を取れば、△2七銀成▲同玉△3五桂以下詰み、だったと思われる。
しかしこれは7一の馬が利いているので▲3五同馬で詰まず、反対に上手玉は、下手に飛車銀を渡してしまったので一手一手になってしまう。
だから読み筋どおり竜を取ればよかったのだが、より万全を期そうと、私は▲2六同馬と取った。だが藤田女流1級との将棋は、いつも自分が指したあとに、それが大悪手と気付くケースが多い。
今回も、▲2六馬に上手が竜を逃げるだろうと読んだのだが、読み直してみると、逃げるどころか△3九竜と切って、下手玉には詰みがあるではないか!
藤田1級は別の指導対局に意識を向けている。指し手を戻しちゃおうか――。との邪心が頭をもたげたが、男が待ったをするわけにはいかない。
またもや私は、自分の負けを知りつつ、静かに藤田女流1級の指し手を待つことになった。
戻ってきた藤田女流1級は、やはり馬の利きに気付いておらず、仰天していた。しかしそこは冷静に読み直し、△3八金。▲1七玉なら詰まないが、自王も詰めろではないので、△3九竜で上手勝ち。そこで▲3八同金と取ったが、△同竜以下綺麗に詰まされてしまった。前局の例もあるから最後まで指したが、こういうときはやっぱり詰むのだ。
ついに藤田女流1級に5連敗。感想戦もそこそこに、私は別の盤で検討をし、「勝ち将棋をまた負けた」とのたまうと、「ええー? でも終盤は私の勝ちだったでしょ?」と、珍しく藤田女流1級が口を挟む。藤田女流1級も、別の会員に必勝の将棋を落とし、カリカリきていたのだ。
ああー、しかし私は、どうしても藤田女流1級に勝てないのか。次回の藤田女流1級の指導対局は6月19日の予定である。その日は旅に出ているかもしれない。
コメント (7)
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