Fuj氏はHas氏に大苦戦したそうで、ちょっと休憩したいらしい。それで私は、Hon氏と指すことにした。これもリーグ戦である。
W氏が「(ふたりはいつも指してるから、勝敗を)ジャンケンで決めれば」と茶化すが、その通りだと思う。
しかし一応対局することにした。Hon氏の後手四間飛車に、私は急戦。振り飛車の攻めをガッチリ押さえたと思ったのだが、Hon氏に飛車を切る攻めが出た。
「うおあっ、切りますか!」
私が絶叫すると、植山悦行七段が「(受ける将棋になって)大沢さんの望む展開でしょう」と笑う。
いやいや、Hon氏の攻めもなかなか厳しいのだが…。終盤、△3五角がアタリになっている局面で、Hon氏が△6八と▲8八玉△7九銀▲9七玉△5三角と、角を逃げながら王手したが、これが逸機。同じ角を逃げるなら、△6八角成とすべきだった。
本譜は私が辛くも受け切り、制勝した。
きょうはリーグ戦で2勝上乗せしたが、優勝戦線には絡んでいない。今回はS君とU君の勝者が優勝するようだった。
さて、本日8局目(!)は、ついにFuj氏と対局である。Fuj氏との対戦成績は私の14勝16敗だが、どうもFuj氏と指すと逆転負けが多く、感覚的には私の20勝10敗ぐらいである。
もっともFuj氏だって同じ言い分だろうから、結局は現在の勝敗数がすべて、ということになる。
ところでFuj氏は教室のスタッフ業に専念するため、今回のリーグ戦が最後の参戦という噂もあった。いわば、リーグ戦を指さないフリークラスである。
これがFuj氏との最後の対局になると思えば、一層気合も入る。厳粛な雰囲気の中、Fuj氏が振って、私の先手で対局開始となった。
▲7六歩△3四歩▲2六歩△8五歩で、角換わりの将棋に進む。…と、大野八一雄七段がプッと吹き出した。
「もう7時なのに、このピリピリした雰囲気はなんだろね」
左ではOg氏がM君と30秒将棋を始めている。その後方では、Shin氏も神妙な面持ちで対局中。
何てみんな将棋バカなんだと、私も苦笑せざるを得ない。
私は▲5六銀と腰掛けるが、Fuj氏は腰掛けない。▲6八玉にも、Fuj氏は玉を移動せず。これで、Fuj氏の右玉が決まった。もっとも、だからといってすぐに攻略できるというわけではない。
中盤の入口で、Fuj氏が△5五歩と突いた。
以下の指し手。▲4五銀△同銀▲同桂△4二銀▲2四歩△同歩▲同飛△2三歩▲3四飛△3三桂(途中図)
▲6五歩△同桂▲6六銀△4四歩(第2図)
▲6七銀と引けば穏やかだが、それでは消極的だと思った。気合よく▲4五銀と出る。
△同銀▲同桂に△4四歩なら、▲5三銀△4五歩▲6二銀成△同玉▲4四角で先手自信あり。Fuj氏はどう指すのだろうと見ていると、△4二銀と据えたのでびっくりした。
この辛抱がFuj流か。しかし手をこまぬいて△4四歩から桂を取り切られると、先手が悪い。私は▲2四歩から動いたが、数手後△4四歩と突かれてみると、急攻は難しそうに思った。
以下の指し手。▲3三桂成△同銀▲3五飛△2六角▲5八金△3五角▲同歩△2九飛▲6九歩△4九飛成▲3六角△4五歩▲6八金右△1九竜▲6七桂△8四桂▲6五銀△同歩▲5五桂△7六桂
▲6三桂成△同金▲4五角△5四香▲5五桂△8六歩▲6三桂成△同玉▲5四角△同玉▲4五角△4三玉▲4四香△同玉▲8一角成△8八銀▲同金△同桂成▲同玉△8七歩成
▲同玉△8六歩▲同玉△7五金
まで、Fuj氏の勝ち。
隣では秒読みのピッ、ピッ、ピッ、という音が頻繁に鳴り、それが辺りの緊張感に拍車を掛けている。
私はとりあえず桂交換をし、▲3五飛と引いたが、Fuj氏にすかさず△2六角と打たれ、飛び上がった。
この将棋で飛車を取られるときつい。ちょっと早いが、ここで負けを覚悟した。
Fuj氏の△4九飛成は一手パスのようにも思えるが、私の▲3六角がつまらない手で、これでハッキリ、ダメにした。
以下は形を作って投了した。感想戦では、こちらが主張するところは何もない。
「▲6五歩が無理気味だったのでは…。私なら▲5八金と寄ります」
とFuj氏。なるほど…と相槌を打っていたら、30秒将棋を終えたM君や大野七段が加わり、▲6五歩前後の局面を改めて検討することになった。
私が▲3四飛と横歩を取ったところは、先手に何かあるはず、とM君は言う。それで、△3三桂(途中図)のところで▲7五歩が候補に挙がったが、パッとしなかった。
さらにM君がひねり出したのが▲1七角で、これは奨励会員らしい、ハッとさせる手だった。
しかしこれもうまくいかず、代わりに出たのが△4四歩の局面(第2図)での、▲6五銀である。調べてみると、△6五同歩▲6四歩△5四銀(△同銀は▲5四角の王手金取り)▲4四飛△4三銀上▲6三銀△同銀▲同歩成△同金▲6四歩△4四銀▲6三歩成△同玉▲6四歩△同玉▲7二角…にて、先手が指せる変化もあった。
△4四歩に▲6五銀は見えなかったが、よく考えたら、△4四歩と突かれる前は、▲6五銀△同歩▲6四歩を狙っていたのだから、この順を活かすべきだったのだ。
まあ、▲6五歩が悪い手ではなくてよかった。
感想戦もたけなわだが、そこでW氏が「メシ食いに行くから」と言った。
食いに行こう、ではなく、行く、である。あんたたちいつまでも将棋やってるから、オレは先に行くよ、とほのめかしたのだ。
…ということで、これで今回のリーグ戦は終わり。Fuj氏は勝って3位を確定したが、私はパッとしない成績だった。
感想戦を終えて立ち上がると、
「やっぱり…大沢さんがいると雰囲気が変わるなあ」
とM君が言う。「大沢さんが主役になっちゃうんだよなあ」
これは…私は、ホメられていると見ていいのだろうか。しかし私に言わせれば、この教室の主役は、M君だと思う。
食事は、駅ビルにあるカレー専門店に行く。参加者は大野七段、Og氏、M君、W氏、Hon氏、Fuj氏、Shin氏、Watanabe氏、私の9人。
カレーを待っている間、M君と女子高生の制服の話になった。
熱く語っていると、大野七段が「30も歳が離れてるのに、共通の話題なのがすごいね」と苦笑いする。
そうかもしれないが、制服好きに年齢は関係ないと思う。そうだ今度M君に、夏服と冬服のどちらが好きか、訊いてみよう。
W氏が「(ふたりはいつも指してるから、勝敗を)ジャンケンで決めれば」と茶化すが、その通りだと思う。
しかし一応対局することにした。Hon氏の後手四間飛車に、私は急戦。振り飛車の攻めをガッチリ押さえたと思ったのだが、Hon氏に飛車を切る攻めが出た。
「うおあっ、切りますか!」
私が絶叫すると、植山悦行七段が「(受ける将棋になって)大沢さんの望む展開でしょう」と笑う。
いやいや、Hon氏の攻めもなかなか厳しいのだが…。終盤、△3五角がアタリになっている局面で、Hon氏が△6八と▲8八玉△7九銀▲9七玉△5三角と、角を逃げながら王手したが、これが逸機。同じ角を逃げるなら、△6八角成とすべきだった。
本譜は私が辛くも受け切り、制勝した。
きょうはリーグ戦で2勝上乗せしたが、優勝戦線には絡んでいない。今回はS君とU君の勝者が優勝するようだった。
さて、本日8局目(!)は、ついにFuj氏と対局である。Fuj氏との対戦成績は私の14勝16敗だが、どうもFuj氏と指すと逆転負けが多く、感覚的には私の20勝10敗ぐらいである。
もっともFuj氏だって同じ言い分だろうから、結局は現在の勝敗数がすべて、ということになる。
ところでFuj氏は教室のスタッフ業に専念するため、今回のリーグ戦が最後の参戦という噂もあった。いわば、リーグ戦を指さないフリークラスである。
これがFuj氏との最後の対局になると思えば、一層気合も入る。厳粛な雰囲気の中、Fuj氏が振って、私の先手で対局開始となった。
▲7六歩△3四歩▲2六歩△8五歩で、角換わりの将棋に進む。…と、大野八一雄七段がプッと吹き出した。
「もう7時なのに、このピリピリした雰囲気はなんだろね」
左ではOg氏がM君と30秒将棋を始めている。その後方では、Shin氏も神妙な面持ちで対局中。
何てみんな将棋バカなんだと、私も苦笑せざるを得ない。
私は▲5六銀と腰掛けるが、Fuj氏は腰掛けない。▲6八玉にも、Fuj氏は玉を移動せず。これで、Fuj氏の右玉が決まった。もっとも、だからといってすぐに攻略できるというわけではない。
中盤の入口で、Fuj氏が△5五歩と突いた。
以下の指し手。▲4五銀△同銀▲同桂△4二銀▲2四歩△同歩▲同飛△2三歩▲3四飛△3三桂(途中図)
▲6五歩△同桂▲6六銀△4四歩(第2図)
▲6七銀と引けば穏やかだが、それでは消極的だと思った。気合よく▲4五銀と出る。
△同銀▲同桂に△4四歩なら、▲5三銀△4五歩▲6二銀成△同玉▲4四角で先手自信あり。Fuj氏はどう指すのだろうと見ていると、△4二銀と据えたのでびっくりした。
この辛抱がFuj流か。しかし手をこまぬいて△4四歩から桂を取り切られると、先手が悪い。私は▲2四歩から動いたが、数手後△4四歩と突かれてみると、急攻は難しそうに思った。
以下の指し手。▲3三桂成△同銀▲3五飛△2六角▲5八金△3五角▲同歩△2九飛▲6九歩△4九飛成▲3六角△4五歩▲6八金右△1九竜▲6七桂△8四桂▲6五銀△同歩▲5五桂△7六桂
▲6三桂成△同金▲4五角△5四香▲5五桂△8六歩▲6三桂成△同玉▲5四角△同玉▲4五角△4三玉▲4四香△同玉▲8一角成△8八銀▲同金△同桂成▲同玉△8七歩成
▲同玉△8六歩▲同玉△7五金
まで、Fuj氏の勝ち。
隣では秒読みのピッ、ピッ、ピッ、という音が頻繁に鳴り、それが辺りの緊張感に拍車を掛けている。
私はとりあえず桂交換をし、▲3五飛と引いたが、Fuj氏にすかさず△2六角と打たれ、飛び上がった。
この将棋で飛車を取られるときつい。ちょっと早いが、ここで負けを覚悟した。
Fuj氏の△4九飛成は一手パスのようにも思えるが、私の▲3六角がつまらない手で、これでハッキリ、ダメにした。
以下は形を作って投了した。感想戦では、こちらが主張するところは何もない。
「▲6五歩が無理気味だったのでは…。私なら▲5八金と寄ります」
とFuj氏。なるほど…と相槌を打っていたら、30秒将棋を終えたM君や大野七段が加わり、▲6五歩前後の局面を改めて検討することになった。
私が▲3四飛と横歩を取ったところは、先手に何かあるはず、とM君は言う。それで、△3三桂(途中図)のところで▲7五歩が候補に挙がったが、パッとしなかった。
さらにM君がひねり出したのが▲1七角で、これは奨励会員らしい、ハッとさせる手だった。
しかしこれもうまくいかず、代わりに出たのが△4四歩の局面(第2図)での、▲6五銀である。調べてみると、△6五同歩▲6四歩△5四銀(△同銀は▲5四角の王手金取り)▲4四飛△4三銀上▲6三銀△同銀▲同歩成△同金▲6四歩△4四銀▲6三歩成△同玉▲6四歩△同玉▲7二角…にて、先手が指せる変化もあった。
△4四歩に▲6五銀は見えなかったが、よく考えたら、△4四歩と突かれる前は、▲6五銀△同歩▲6四歩を狙っていたのだから、この順を活かすべきだったのだ。
まあ、▲6五歩が悪い手ではなくてよかった。
感想戦もたけなわだが、そこでW氏が「メシ食いに行くから」と言った。
食いに行こう、ではなく、行く、である。あんたたちいつまでも将棋やってるから、オレは先に行くよ、とほのめかしたのだ。
…ということで、これで今回のリーグ戦は終わり。Fuj氏は勝って3位を確定したが、私はパッとしない成績だった。
感想戦を終えて立ち上がると、
「やっぱり…大沢さんがいると雰囲気が変わるなあ」
とM君が言う。「大沢さんが主役になっちゃうんだよなあ」
これは…私は、ホメられていると見ていいのだろうか。しかし私に言わせれば、この教室の主役は、M君だと思う。
食事は、駅ビルにあるカレー専門店に行く。参加者は大野七段、Og氏、M君、W氏、Hon氏、Fuj氏、Shin氏、Watanabe氏、私の9人。
カレーを待っている間、M君と女子高生の制服の話になった。
熱く語っていると、大野七段が「30も歳が離れてるのに、共通の話題なのがすごいね」と苦笑いする。
そうかもしれないが、制服好きに年齢は関係ないと思う。そうだ今度M君に、夏服と冬服のどちらが好きか、訊いてみよう。