3月24日は大野金曜教室に行った。まず川口駅の改札を抜ける前に、手前にあるそば屋でかけそばを食す。いわゆる「新・一公定跡」である。
教室に入ると見慣れぬ青年がいた。M奨励会初段だそうで、大野八一雄七段門下・関西所属の俊英である。
実は初対面で、お互いそんなそぶりを見せたら、W氏が意外そうな顔をした。「ウソでしょ!?」というわけだ。
M君は関西在住だし、私も大野教室のレギュラーではないので、こんな椿事になったのだ。
「はじめまして」
と私たちは改めて挨拶した。
まず大野七段に教えていただく。手合いは角落ちである。
将棋は矢倉模様に進んだ。左にはKur君が入った。大野七段には平手戦を所望したが、「(自分は飛車を振るので)居飛車穴熊にしてください」と要望したのが珍しかった。
私は△6五歩▲同歩△同金を待って▲6八飛と迎撃せんとした。そのために私は▲5八金を保留していたのだが、大野七段はなかなか△6五歩とこない。
それでも強引に▲6八飛としたが、▲7九に角はいてフン詰まるし、金の動きは左金が▲7八金~▲6七金、右金が▲5九金~▲6九金~▲7八金とヒドイ手損だしで、指していてイヤになった。
その後大野七段の猛攻を受けるも何とか耐えて、第1図ではまずまずと考えていたのだが…。
第1図以下の指し手。△4八金▲6七飛△4七金▲同飛△6九金▲5八金△7九金▲同玉△3八角(投了図)
まで、大野七段の勝ち。
まさかここには打たないだろうと思った△4八金を、大野七段は打ってきた。
▲4七同飛の局面で、大野七段は、「あれ? どうやるんだったっけ。金と銀を打ち間違えないようにしないと」とつぶやいて△6九金。▲5七角は△5八銀▲4八飛△6七銀成でダメとみて私は▲5八金と補強したが、大野七段に△7九金から△3八角に戦意喪失、そのまま投了した。
感想戦で私は、△4八金に▲5八銀打を示した。以下△5九金打▲6八飛で相変わらず冴えないが、まだ決着まで時間がかかったようである。
2局目はM奨励会初段に教えていただく。といってもM奨励会初段はU君と平手戦の対局中。私が入るとお邪魔虫になってしまうがそこはそれ、臨機応変に二面指しになった。
第1図までの指し手。△8四歩▲7六歩△8五歩▲7七角△6二銀▲2六歩△4二玉▲2五歩△3二玉▲2四歩△同歩▲同飛△2三歩▲2五飛(第1図)
M奨励会初段は坊主頭に黒縁のメガネ、それにマスク姿でかなり怪しい。将棋を指していなければ敬遠しているところだ。
手合いは角落ちで、対局開始。M奨励会初段はいきなり飛車先の歩を決めてきたが、これは珍しい。そして着手後、チェスクロックのボタンを押そうとした。これは指導対局だから時計は使っていないが、隣のU戦は使っていたのだ。そのぶん私にアドバンテージがあることになるが、そこは大目に見てもらおう。
私は例によって▲2五飛戦法。20日の将棋がちょっと不甲斐なかったので、もう一度試してみた。
第1図以下の指し手。△7四歩▲7八金△7三銀▲3六歩△6四銀▲6八角△5二金右▲8八銀△7五歩▲同歩△7二飛▲6九玉△2二銀(第2図)
U戦は相矢倉の激戦になっていた。多面指しになった以上、ここでのU君の頑張りが、こちらの将棋に好影響をもたらす。
M奨励会初段も▲7五歩を拒否する△7四歩。私は▲6八角から▲8八銀と、大人しい駒組みだ。
△2二銀に、次の手が好手だったと思う。
第2図以下の指し手。▲7四歩△8二飛▲3七桂△8四飛▲9五角△8三飛▲5九金△3四歩▲4八銀△4四歩▲4八角△4三金(途中図)
▲7七桂△4二金上▲8五飛△同飛▲同桂△2九飛▲8三飛△1九飛成(第3図)
右のU戦は終わり、M奨励会初段の勝ち。やはり平手ではU君の分が悪いが、U君は奨励会有段者に平手で勝ったこともある実力者である。
私は▲7四歩と突きだした。△同飛なら▲8五飛があり、これに飛車成を防ぐ△8四歩は指せまい。
よってM奨励会初段は△8二飛と我慢したが、これは私が一本取った形である。
△8四飛にも▲9五角。ここでも△7四飛は▲8五飛がある。今度△8四歩は▲同角と取って下手有利。M奨励会初段はまたも△8三飛の我慢である。
以下駒組みが続き、M奨励会初段は△4三金。実はこの瞬間を待っていた。
私は▲7七桂と跳んで、次の▲8五飛が受からない。そして飛車を持てば▲8二飛が王手の先手になる仕組みだ。
よってM奨励会初段は△4二金上の一手が必要となり、私は飛車交換に成功した。△2九飛と先に下ろされたものの、私は▲3七桂と跳んでいるので、こちらの方が敵駒を多く取れそうだ。
第3図では▲8一飛成としてよさそうだが…。
(つづく)
教室に入ると見慣れぬ青年がいた。M奨励会初段だそうで、大野八一雄七段門下・関西所属の俊英である。
実は初対面で、お互いそんなそぶりを見せたら、W氏が意外そうな顔をした。「ウソでしょ!?」というわけだ。
M君は関西在住だし、私も大野教室のレギュラーではないので、こんな椿事になったのだ。
「はじめまして」
と私たちは改めて挨拶した。
まず大野七段に教えていただく。手合いは角落ちである。
将棋は矢倉模様に進んだ。左にはKur君が入った。大野七段には平手戦を所望したが、「(自分は飛車を振るので)居飛車穴熊にしてください」と要望したのが珍しかった。
私は△6五歩▲同歩△同金を待って▲6八飛と迎撃せんとした。そのために私は▲5八金を保留していたのだが、大野七段はなかなか△6五歩とこない。
それでも強引に▲6八飛としたが、▲7九に角はいてフン詰まるし、金の動きは左金が▲7八金~▲6七金、右金が▲5九金~▲6九金~▲7八金とヒドイ手損だしで、指していてイヤになった。
その後大野七段の猛攻を受けるも何とか耐えて、第1図ではまずまずと考えていたのだが…。
第1図以下の指し手。△4八金▲6七飛△4七金▲同飛△6九金▲5八金△7九金▲同玉△3八角(投了図)
まで、大野七段の勝ち。
まさかここには打たないだろうと思った△4八金を、大野七段は打ってきた。
▲4七同飛の局面で、大野七段は、「あれ? どうやるんだったっけ。金と銀を打ち間違えないようにしないと」とつぶやいて△6九金。▲5七角は△5八銀▲4八飛△6七銀成でダメとみて私は▲5八金と補強したが、大野七段に△7九金から△3八角に戦意喪失、そのまま投了した。
感想戦で私は、△4八金に▲5八銀打を示した。以下△5九金打▲6八飛で相変わらず冴えないが、まだ決着まで時間がかかったようである。
2局目はM奨励会初段に教えていただく。といってもM奨励会初段はU君と平手戦の対局中。私が入るとお邪魔虫になってしまうがそこはそれ、臨機応変に二面指しになった。
第1図までの指し手。△8四歩▲7六歩△8五歩▲7七角△6二銀▲2六歩△4二玉▲2五歩△3二玉▲2四歩△同歩▲同飛△2三歩▲2五飛(第1図)
M奨励会初段は坊主頭に黒縁のメガネ、それにマスク姿でかなり怪しい。将棋を指していなければ敬遠しているところだ。
手合いは角落ちで、対局開始。M奨励会初段はいきなり飛車先の歩を決めてきたが、これは珍しい。そして着手後、チェスクロックのボタンを押そうとした。これは指導対局だから時計は使っていないが、隣のU戦は使っていたのだ。そのぶん私にアドバンテージがあることになるが、そこは大目に見てもらおう。
私は例によって▲2五飛戦法。20日の将棋がちょっと不甲斐なかったので、もう一度試してみた。
第1図以下の指し手。△7四歩▲7八金△7三銀▲3六歩△6四銀▲6八角△5二金右▲8八銀△7五歩▲同歩△7二飛▲6九玉△2二銀(第2図)
U戦は相矢倉の激戦になっていた。多面指しになった以上、ここでのU君の頑張りが、こちらの将棋に好影響をもたらす。
M奨励会初段も▲7五歩を拒否する△7四歩。私は▲6八角から▲8八銀と、大人しい駒組みだ。
△2二銀に、次の手が好手だったと思う。
第2図以下の指し手。▲7四歩△8二飛▲3七桂△8四飛▲9五角△8三飛▲5九金△3四歩▲4八銀△4四歩▲4八角△4三金(途中図)
▲7七桂△4二金上▲8五飛△同飛▲同桂△2九飛▲8三飛△1九飛成(第3図)
右のU戦は終わり、M奨励会初段の勝ち。やはり平手ではU君の分が悪いが、U君は奨励会有段者に平手で勝ったこともある実力者である。
私は▲7四歩と突きだした。△同飛なら▲8五飛があり、これに飛車成を防ぐ△8四歩は指せまい。
よってM奨励会初段は△8二飛と我慢したが、これは私が一本取った形である。
△8四飛にも▲9五角。ここでも△7四飛は▲8五飛がある。今度△8四歩は▲同角と取って下手有利。M奨励会初段はまたも△8三飛の我慢である。
以下駒組みが続き、M奨励会初段は△4三金。実はこの瞬間を待っていた。
私は▲7七桂と跳んで、次の▲8五飛が受からない。そして飛車を持てば▲8二飛が王手の先手になる仕組みだ。
よってM奨励会初段は△4二金上の一手が必要となり、私は飛車交換に成功した。△2九飛と先に下ろされたものの、私は▲3七桂と跳んでいるので、こちらの方が敵駒を多く取れそうだ。
第3図では▲8一飛成としてよさそうだが…。
(つづく)