第2図以下の指し手。△2五同歩▲同桂△5五歩▲5四歩△同金▲4三銀△4四金▲3二銀成△2三飛▲3三成銀△同桂▲5三角△5四金(途中図)
▲2六角成△2五桂▲同馬(第3図)
第2図の▲2五歩では▲2三歩もあるが、△5二飛でスカになると思った。
Og氏△2五同歩に私は▲同桂。「飛車で取らなかったのか」と大野八一雄七段がつぶやく。▲2五同飛は△2四歩▲2八飛で何をやっているか分からなかったからだが、大野七段の次の言葉を聞いて唸った。「△2四歩に▲○○○」。……この手が成立していたのか? 本譜は△5五歩と角道を止められてはおもしろくなかった。
私は攻めねばならないが、▲5四歩をひねり出す。以下▲3二銀成までと進み、△同飛▲3三桂成△同桂▲2一飛成は、二枚換えでも竜を作って下手が指せるだろう。「おもしろい攻め方だねえ」と大野八一雄七段が感心した。
しかしOg氏は平然と△2三飛。対三間飛車急戦定跡でもこの手が出てくるが、さすがに指しなれている感じだ。
△5四金(途中図)に▲4二角成は△2五飛があり、指し切れなかった。
第3図以下の指し手。△6五銀▲2六馬△3五歩▲同歩△7六銀▲2五歩△7五桂▲7九桂△8七桂成▲同桂△8六銀▲7九桂△8七銀右成▲同桂△8六桂▲6八玉△8七銀不成(第4図)
以下、Og氏の勝ち。
△6五銀がOg氏の反撃。そういえば以前もこの手から手を作られたことがある。私は▲2六馬で飛車の素抜きを狙うが、△3五歩と突かれ不発だ。
以下は上手からの玉頭攻めが厳しく、私も粘ったものの、じわじわと寄せの網を絞られ、たまらず投げた。
感想戦。Homma戦は終わっていたので、「定跡の勉強をしましょう」と大野七段がHomma君を誘った。
まず第2図の▲2五歩で▲2三歩△5二飛には、▲2二銀があり下手有利。よって△2三同飛▲3二銀となる。以下△2二飛▲2一銀成。これを△同飛は▲4五桂がピッタリなので、△2三飛に▲1五桂と打たせて△2一飛。そこで▲4五桂(参考1図)△5一角▲4四角△4一飛が進行の一例、とのことだった。
▲2一銀成△2三飛▲1五桂あたりの変化は「所司本」で読んだことがあるが、まさか実戦で使えるとは思わなかった。これだから定跡はしっかり憶えておかねばならないのだ。
本譜に戻って▲2五同歩では▲2五同飛があった。以下△2四歩に▲4五桂(参考2図)がピッタリ。これは先の変化の姉妹編だ。以下△4五同金▲同飛は下手十分である。
となれば当然の△2四同歩が疑問手で、△5五歩▲2四歩△同角と進めるべきだった、とOg氏。
数手後の▲5三角△5四金に私は▲2六角成としたが、「▲4二角成でしょう」と大野七段。
△2五飛は▲同飛△同桂▲4三馬(参考3図)。以下△6三銀打には▲2一飛△7一金▲2五飛成で、次に▲7五桂を見てどうか。
私は▲4二角成に△2五飛と桂を取られてダメ、とそこで読みを打ち切っていた。大野七段はその先を読む。ここがプロとアマの違いと痛感した。
U君は、この仕掛けは玉が薄くて指さないらしい。ただ、居飛車党である以上、横歩取りのような将棋は指すことになる。その時、玉が薄いからと避けることはできない。
大野七段はむかしの将棋を楽しんだ感じ。私も、これぞ将棋、を指した気分だった。
(つづく)