一公の将棋雑記

将棋に関する雑記です。

ミスDJ・千倉真理さんの講演を聴きに行く

2017-10-03 01:01:20 | プライベート
9月29日(金)は午後7時から、日比谷図書文化館でミスDJ・千倉真理さんの講演会があり、参加することにした。
これ、もし再就職を決めていたら行けなかったところで、無職という肩書には何のメリットもないが、わずかながら恩恵もあるのだ。
現地へは新橋駅から歩いていくことにする。この時間帯の新橋といえば、大内延介九段の名人戦解説会を思い出すが、大内九段は今年他界され、私も失職してしまった。
駅前では、古本市をやっていた。それならもっと早くに家を出るべきだったが、まあ結果論であろう。
近くに小諸そばがあったので手早く二枚もりを手繰り、現地に向かう。
現地会場には6時34分に着いた。開場は30分だが早くも入場者が列を作っていて、面食らう。
入場者の内訳はどういうことになっているのだろう。1980年代当時のリスナーが多いのだろうが、見たところ、重役の雰囲気プンプンの紳士も多い。彼らもリスナーだったのだろうか。
事前申し込み制なので、入場はスムーズである。入場料は1,000円だが、受付でフランスの絵本をもらった。さすがに真理さん、一方的におカネをもらうことはしないのである。
席は自由で、私は最後列に座った。だがここは照明が当たらず、かなり暗い。私はメモを取ることを考えていたので誤算だが、私は一度決めた席は変えないのである。
今回の定員は200人だが、七分の入りか。これは入ったほうだと思う。
定刻に真理さんが登場した。秋らしいワンピースである。私がミスDJのパーソナリティをナマで拝見するのは、番組拝聴36年目にして初めて。実に感激で、室谷由紀女流二段を拝見した時でさえ、こんな高揚した気持ちにはならなかった。
さて今回のテーマは「本の力、ラジオの力、音楽の力」で、真理さんの半生が語られると思われた。
果たしてそうで、講演では真理さんがミスDJを行うことになった経緯、番組卒業後の生活、本との関わりなどが、弁舌滑らかに語られた。それはまるでDJを聴いているようで、講演会というより、トークショーの趣である。
真理さんは童顔だからか、遠目には30代のOLに見える。私はふわふわした気持ち、夢心地で聴いていた。
現在真理さんは、フランスの絵本の翻訳とプロデュースに力を入れているが、そこに至るまで、さまざまな運命の選択があった。それがなかなかに劇的なのだが、うちひとつを紹介すれば、女優・岸惠子さんへの翻訳依頼が叶った。それまで岸惠子さんは、同様の依頼を断っていたらしいから、これは奇跡的なことである。むろん、真理さんの熱意が通じたからに違いなかった。
そして講演では岸惠子さんが翻訳した動画が、本人のナレーター入りで紹介された。
中で深く心に刻まれたフレーズは、「人生にとっていちばん難しいこと、それは何もしないこと」だった。「難しいこと」は「辛いこと」に置き換えてもよい。現在の私がまさにその状況で、毎日を無為に過ごすことがいかに虚しいことか、実感している。
ほかのエピソードも紹介するとキリがないから割愛するが、要は真理さんが他者との交わりを積極的に行ったことで、今の成功があることが分かった。
私などは、なるべくヒトとの関わりを避けているから、これは耳の痛いところだった。

動画では、ミスDJの放送風景も紹介された。収録日は9月24日で、この日は川島なお美さんの三回忌法要があった。真理さんは会に列席した後、そのまま喪服姿でのDJだった。これも人前に姿を現す必要のない、ラジオならではの特性といえよう。
話している真理さんの両側で、スタッフがメモを渡したり指示を出したりと、慌ただしくやっている。こうした裏方の協力があって、真理さんのDJが輝きを増すのだ。
そして真理さんの最新情報は「旧約聖書」の絵本のプロデュースで、これもすべての作業を終え、現在は印刷に回されているという。
今回は束見本(中身が白紙の見本)を披露してくれたが、かなり分厚い。私はキリスト教徒ではないので購入はむずかしいがそこはそれ、何かの拍子に買うかもしれない。
以上、1時間の講演が終わり、次は質疑応答である。こうした場ではなかなか手が挙がらないものだが、もし停滞するようなら、私が質問することも考えていた。
最初の数秒はみな縮こまっていて、しんとしている。私が手を挙げなければならないのか…と左腕をピクリとした瞬間、若い女性が手を挙げた。
最初の一人が現れれば、あとは楽だ。真理さんも真摯に答えたものだから、その後も挙手する人が続出して、質疑応答は和気あいあいと進行した。
講演終了後は、閉場時間まで、真理さんへの挨拶タイムが設けられた。ミスDJのリスナーがいたら声を掛けてください、というわけである。
私は番組に毎週メールを送っているし、コメントを読まれたことも12~3回あるから、ラジオネームも憶えられているだろうが、面と向かって挨拶するのも気恥ずかしいものがある。
あまり人が少ないようなら挨拶をするつもりだったが、しばらくしたら長蛇の列になっていて、並ぶ気が失せた。
どうも真理さんとのつながりは、ラジオの中だけということらしい。無職は去るのみ。ここで失礼させていただいた。
コメント (2)
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