一公の将棋雑記

将棋に関する雑記です。

9月17日の5時から男(前編)

2017-10-06 00:04:30 | 新・大野教室
9月17日(日)、北区滝野川で白瀧あゆみ杯の準決勝を堪能した私は、上中里駅へ向かった。ホームに入線した電車の行先によって、家に帰るか大野教室に行くか決めようというわけである。
電車が入線していたので慌てて階段を下りると、ドアは閉まり、上野方面に行ってしまった。
1分後、川口方面行きの電車が滑りこみ、これにて大野教室行きが決定した。

10分で川口に着き、教室に入ったのは5時少し前だった。今日は「5時から男」である。
台風18号が接近しているが、客はいるほうであろう。いつもの女性の姿も見える。E氏が手空きだったので、久しぶりに対局することにした。手合いは飛車落ち。
E氏は人格、将棋とも真面目で好感が持て、私の好きなキャラクターのひとりだ。
本局は序盤に△3五歩を早めに突き、▲3六歩~▲3七桂を防いだ。E氏は定跡をよく勉強しているので、力戦に持ち込む狙いである。
果たしてそれが図にあたり、第1図はまずまず。

第1図以下の指し手。▲3六歩△同歩▲3五歩△同銀▲4五歩△同歩▲同銀△同桂▲2二角成△同金▲4五飛△2三角(第2図)

第1図からすぐに▲4五歩は突けないので、E氏は▲3六歩~▲3五歩△同銀とこじ開けてから▲4五歩としたが、駒損の攻めはいかにも強引で、▲4五飛の飛び出しに△2三角を食らってはE氏、失敗した。

第2図以下の指し手。▲6七角△6六歩▲3五飛△6七歩成▲同金右△6六歩▲3四銀△6七歩成▲同金△6六歩▲2三銀成△6七歩成▲同玉△6六歩▲5八玉△4六銀▲3一飛成(第3図)

▲6七角に△6六歩。▲3五飛には△6七歩成から再度の△6六歩。これが利いては負けられないと思った。
ただ▲2三銀成に対しての△6七歩成は緩みで、△6九銀▲同玉△6七歩成だった。
▲3一飛成に、下手玉には詰みがある。

第3図以下の指し手。△4七角▲6八玉△6七金▲7九玉△6九角成▲8八玉△8七馬▲同玉△7八銀▲9七玉△8七金(投了図)
まで、一公の勝ち。

△4七角からは簡単な詰みである。たまたま傍で見ていた大野八一雄七段が、「この前もこうやって詰ませばよかったのに」と言った。

大野七段に検討をお願いすると、E氏が序盤に▲6六歩と突いたのが玉のコビンを開けた疑問の構想だったという。こうするなら第1図で▲6五歩が絶対で、この応手が上手はむずかしいから、下手は優位に進められたという。
E氏は残念な一局だった。

今日は時間がないから、どんどん対局を進める。
2局目はU君と戦う。今日もU君は何かの大会に出て、好成績を収めたらしい。私も彼には連敗続きでまったく勝てる要素はないが、ベストを尽くすつもりだ。
私の先手番で、先手中飛車に組む。U君相手には攻める振り飛車からガンガン行くのがいいと思った。
▲5四歩。まずは1歩を持って…と気軽に突いたら、△4三金と上がられてアテが外れた。
▲5三歩成△同銀で後手陣が盛り上がり、先手失敗である。
それでも気を取り直して指したら、ヨリが戻った気がした。U君の△7四歩が、コビンを開けて危険だったかもしれない。

第1図で私は▲7四銀と出たが、ヘンだった。数手後▲8五銀と引いたが、さらに数手後△8二飛と回られ、▲8六歩でも△8四歩で銀が助からない。
私は▲9四銀と出て銀香交換としたが、大事な攻めの銀と相手の右香との交換は、先手大損である。
バカバカしくなって、数手後に投了。「あっ!!」とU君は驚いたが、先手は100%勝てない。

ここでも大野七段が検討に加わってくれた。まず、序盤▲5四歩はこの場合疑問で、先手は5筋には触らず、ほかの手を指すところだったらしい。
「だって先手は5筋に手を掛けたのにそれが無駄になって、後手だけ盛り上がってるじゃない」
たしかに私が居飛車側を持って、5五の位が大きく感じられたことがあった。そのアタマがあれば、▲5四歩は突かなかったはずだ。
さらに第1図では、今度は▲5四歩があった。
これを△同銀は▲6四角△7三歩▲5四銀△同金▲同飛で先手大優勢。ほかにこれといった変化もなく、「これはダメですね」とU君が吐き捨てた。
第1図、むろん私も▲5四歩を考えたが、△同銀▲同銀△同金でダメ、と読んだのだから話にならない。△5四同銀に▲6四角が見えないとは、どうかしている。3手の読みすらできないで、私はアマ有段者といえるのだろうか。弱すぎる。

3局目はOg氏に教えていただく。Og氏は元奨励会員なので半分指導対局だが、「Ogさんが秒読みに弱そうだから対局時計を使いましょう」と申し出たら、気分を害されたようだった。
Og氏は三間飛車。私はいつもの急戦も考えたが、気分を変えて持久戦にした。
▲9六歩にOg氏が受けなかったので、私は▲9五歩。私も端歩は1回受けないことが多いのだが、受けられないと突き越したくなるものだ。
そこから私は天守閣美濃に組み、Og氏は銀冠を構築する。私はどこから攻めてやろうと考えていたら、Og氏の次の手に面食らった。

(つづく)
コメント (2)
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