一公の将棋雑記

将棋に関する雑記です。

第31期倉敷藤花戦第1局

2023-11-08 00:32:28 | 女流棋戦
第31期倉敷藤花戦三番勝負が始まった。倉敷藤花保持者は8期連続の里見香奈女流四冠、挑戦者は前期に続き、西山朋佳女流四冠である。
男性棋戦はこの1年、藤井聡太竜王・名人が出ずっぱり。相手はもちろんさまざまだが、6名の棋士が相対した。対して女流棋戦は年中「里見ー西山戦」と思いきや、このカードはこの1年で、3回目である。
ふたりの対戦成績は里見倉敷藤花32勝、西山女流四冠29勝。タイトル戦での対決は里見6期、西山7期と、これも拮抗している。女性版羽生善治VS渡辺明という感じだ。
第1局は恒例の倉敷対決。倉敷といえば、美観地区、アイビースクエア、大原美術館、倉敷川などが有名だが、鉄道マニアからすると、伯備線、吉備線、井原鉄道、水島臨海鉄道と、ローカル鉄道巡りをしたいところだ。
第1局は西山女流四冠の先手。もちろん▲7八飛で対局開始となった。里見倉敷藤花は△5四歩~△5三銀と、これもおなじみの応手。
以下序盤の終わりまで進むと、里見倉敷藤花の△5三銀左急戦、西山女流四冠の高美濃と、オールドファンには懐かしい戦型となった。
令和の男性棋戦はどこを見ても角換わりか相掛かりだが、最近は豊島将之九段や佐藤天彦九段などトップ棋士が、気分転換に飛車を振っている。もう、相居飛車の研究も飽きただろう。これからは振り飛車の将棋が増える気がする。
閑話休題。西山女流四冠は玉頭銀を志向したが、里見倉敷藤花は二枚銀の形から、△6五歩~△7五歩。これが古典的な攻め筋ながら厄介で、私も棋有相手にたびたび惨敗を喫している。しかも本局の西山陣は攻めの銀が出張し、守りが手薄だ。これは里見倉敷藤花が指しやすくなった。
西山女流四冠も反撃したいが、これといった案がない。西山女流四冠は▲7五同歩と取ったが、ここは▲6五歩とし、角交換を甘受する手はなかったか。しかし玉頭銀が角を狙う手だから、それを盤上から消すことは、作戦失敗を意味する。指し切れなかったのだろう。
結局西山女流四冠は角を残し飛車交換になったが、里見倉敷藤花が飛車を先着し、優勢。これは里見倉敷藤花、負けられないと思ったことだろう。
以下は双方の差がどんどん開くばかり。収束も里見倉敷藤花が鮮やかに決め、完勝となった。
西山女流四冠は、先月28日に白玲を奪取して一息ついたのか、本局は精彩を欠いた。もっとぐちゃぐちゃした終盤戦を見たかっただけに残念である。西山女流四冠は里見倉敷藤花相手にたびたび拙局を指すことがあるが、その辺のコンディション管理が課題であろう。第2局は18日。
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