一公の将棋雑記

将棋に関する雑記です。

藤井八冠と対戦するには・2023年版

2023-11-24 00:53:27 | 将棋雑記
きのうの記事と関連するが、藤井聡太竜王・名人と対戦するには相当な苦労を有することになってしまった。
すなわち、タイトル戦は8棋戦すべて、タイトルに挑戦しなければならない。
たとえば竜王戦は、ランキング戦を勝ち抜き、決勝トーナメントで優勝しなければならない。前期挑戦者の伊藤匠七段は、合計12勝を要した。藤井竜王・名人と対局するには、そのくらいの爆発的勝利が必要なのだ。
名人戦も、若手棋士が藤井名人に挑戦するには、何年もかけてA級に昇級し、そこで優勝しなければならない。
棋戦別の記述は省くが、王将戦は、予選を通過しても、挑戦者決定リーグが難関だ。今期などは、羽生善治九段、豊島将之九段、永瀬拓矢九段、渡辺明九段らが名を連ねた。
藤井旋風ですっかり影に隠れてしまったが、渡辺九段、豊島九段、永瀬九段は、本来タイトルを持っていてもおかしくない格なのだ。その強豪に勝たないと、挑戦者になれない。
大山康晴十五世名人がタイトルを総ナメにしていたとき、大山名人の前に升田九段を倒さねばならないから大変、という言葉が聞かれた。現代は升田九段格が何人もいて、当時よりはるかに厳しくなっている。
もはやふつうの棋士では、タイトル戦でまみえるのは難しい。そこで、一般棋戦に目を転じてみる。各棋戦において、藤井竜王・名人と対局できる最大人数と局数を掲げてみよう。

・竜王戦 1名・2日制4局~7局
・名人戦 1名・2日制4局~7局
・王位戦 1名・2日制4局~7局
・叡王戦 1名・3局~5局
・王座戦 1名・3局~5局
・棋王戦 1名・3局~5局
・王将戦 1名・2日制4局~7局
・棋聖戦 1名・3局~5局
・朝日杯将棋オープン戦 最大4名
・NHK杯 最大5名
・将棋日本シリーズ 最大3名
・銀河戦 最大5名

藤井竜王・名人と対戦できるのは、最大25名。
一般棋戦もけっこう大変である。朝日杯は一次予選、二次予選を駆け抜けて、やっと藤井竜王・名人のいる本戦トーナメントに参加できる。
NHK杯も、予選で2~3勝、本戦で最低でも1勝が必要だ。
日本シリーズは賞金、対局料がトップ12に入ることが必要で、出場できる棋士が限られる。
銀河戦は、本戦トーナメントで藤井竜王・名人と同じ枠に入ったとしても、最上位で待つ藤井竜王・名人のところまで駆け上がることが絶対だ。途中、最多連勝をして本戦抜けを確定しても、藤井竜王・名人と当たる前に負けては意味がない。
決勝トーナメントには行けるが、別の山に配されてしまうから、また3連勝が必要になってしまう。
しかもこれら一般棋戦は、藤井竜王・名人が勝ち進んでいることを前提としている。仮に藤井竜王・名人が初戦で負けたら、別の山で勝ち進んだ棋士がスカになるのだ。

藤井竜王・名人と対局するということは、どういうことか。むかしは、大山名人や中原誠名人に勝つことが、棋士として最高の誉れだった。現在では、藤井竜王・名人に勝利することはおろか、対局することが、末代までの自慢話になるのではなかろうか。
藤井竜王・名人と対局するということは、私だったら、20代・独身で一重瞼だったころの室谷由紀ちゃんとデートすることのときめきに似ていると思う。まあ渡部愛ちゃんでもいいのだが、同業の棋士としては、そのくらいの遠い存在なのではあるまいか。
そのご褒美として、タイトル戦出場を決めれば、七番勝負なら最低でも4局、五番勝負なら3局が保証されるわけだ。しかも、同じ宿でのお泊まりのおまけ付きである。
その意味で、一般棋戦は少々味気ない。すべてが早指し棋戦で、最長でも朝日杯の持ち時間40分だからだ。これではせっかくのデートも、ちょっと長めのランチを摂って終わりである。
現在、藤井竜王・名人とのデートを確定しているのは、王将戦の菅井竜也八段、NHK杯の久保利明九段、銀河戦の斎藤明日斗五段(0勝2敗)。思いっきり楽しんでもらいたい。
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