5日は久々に大野教室に行こうと思ったのだが、いろいろあって、出損ねた。
それで4時からの割引料金に行こうと思ったのだが、録りだめしたビデオを見始めたら、行く気が失せてしまった。ま、私の将棋熱は、そのくらいのものである。
仕事でも休みでも、自宅を出るには、エネルギーが要るのだ。
◇
手順が大きく前後したが、10月28日に里見香奈白玲と西山朋佳女流三冠の間で行われた、第3期白玲戦第7局を振り返ってみよう。
フルセットになった本シリーズは、同じ女流棋士による2期連続。いかに双方の実力が拮抗しているかが分かる。当ブログでは以前、「同一棋士による2期連続フルセット」を載せたことがあると思うのだが、とりあえず男性棋戦の直近のフルセットとなると、2021年9月に決着した、第6期叡王戦五番勝負・豊島将之叡王VS藤井聡太王位・棋聖戦となる。この将棋に藤井二冠が勝ち、19歳1ヶ月での最年少三冠となった。
これが七番勝負になると、2020年3月に決着を見た、第69期王将戦・渡辺明王将VS広瀬章人竜王まで遡ってしまう。かくもフルセットにはなりにくいのだ。
いずれにしても本局、優勝賞金1,500万円が懸かった大勝負。双方悔いのない将棋を指してくれよと思った。
将棋は西山女流三冠の先手で▲7八飛。もはや「西山初手」だ。
対して里見白玲も飛車を振り、相振り飛車。やっぱり里見白玲には振り飛車がよく似合う。
そして注目されるのが双方の囲いだ。里見白玲は定跡通り二枚金にしている。問題は西山女流三冠で、例によって▲2八銀・▲3八金形。ここで▲4八玉と上がったまま戦いになり、惨敗したことがよくあったと思うのだが、本局ではどう修正していくのか。
その答えは桂を跳ね、その位置に玉を持っていく構想だった。いわゆる矢内矢倉の逆形だが、これなら強い戦いができる。
そこから里見白玲は桂交換に出たが、西山女流三冠はその桂を7五に打つ。里見白玲は桂を7一に受ける。しかし里見白玲はこんなところに桂を打つ構想ではなかったはずで、これは西山女流三冠が面白くなった。
さらに西山女流三冠は8、9筋を巧妙に攻める。こうなると里見白玲の二枚金はそれほど働かず、本来は好形の△5四銀も、十字飛車で狙われる存在になってしまっている。
そして西山女流三冠の▲2六歩が実質的な決め手で、ここで飛車を入手し、二枚飛車の攻めが強烈だった。
私だったらどこかで▲5四飛と銀をタダ取りしニンマリしているところだが、西山女流三冠はそんな緩い手は指さない。厳しく最短距離で詰め寄り、最後は鮮やかな桂捨てでフィニッシュ。うれしい白玲奪還となった。西山先生、おめでとうございます。
2020年3月、西山奨励会三段が14勝4敗の成績を挙げても四段に昇段できなかったのは、本人にとっても将棋連盟にとっても、大きな損失だったと思う。
ただ、西山白玲が棋士四段になっていたら、白玲2期(優勝賞金の合計は3,000万円)を獲れたかどうか。ま、私は過去にこだわってグジュグジュしているが、西山新白玲はそんなことは忘れて、もうしっかり前を向いているのだろう。
さて、これで女流棋界のタイトル戦分布は、西山女流四冠が白玲、女王、女流名人、女流王将。里見女流四冠が清麗、女流王座、女流王位、倉敷藤花となった。女流棋戦は序列を明確にしていないが、将棋連盟のサイトを見ると、2人が綺麗に、交互に記されている。まさにガップリ四つである。
ただ、男性棋界の藤井聡太八冠のタイトル独占もどうかと思うが、女流棋界もこのふたりに独走させてはいけない。加藤桃子女流四段や伊藤沙恵女流四段のように、誰かが風穴を開けてほしい。
それで4時からの割引料金に行こうと思ったのだが、録りだめしたビデオを見始めたら、行く気が失せてしまった。ま、私の将棋熱は、そのくらいのものである。
仕事でも休みでも、自宅を出るには、エネルギーが要るのだ。
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手順が大きく前後したが、10月28日に里見香奈白玲と西山朋佳女流三冠の間で行われた、第3期白玲戦第7局を振り返ってみよう。
フルセットになった本シリーズは、同じ女流棋士による2期連続。いかに双方の実力が拮抗しているかが分かる。当ブログでは以前、「同一棋士による2期連続フルセット」を載せたことがあると思うのだが、とりあえず男性棋戦の直近のフルセットとなると、2021年9月に決着した、第6期叡王戦五番勝負・豊島将之叡王VS藤井聡太王位・棋聖戦となる。この将棋に藤井二冠が勝ち、19歳1ヶ月での最年少三冠となった。
これが七番勝負になると、2020年3月に決着を見た、第69期王将戦・渡辺明王将VS広瀬章人竜王まで遡ってしまう。かくもフルセットにはなりにくいのだ。
いずれにしても本局、優勝賞金1,500万円が懸かった大勝負。双方悔いのない将棋を指してくれよと思った。
将棋は西山女流三冠の先手で▲7八飛。もはや「西山初手」だ。
対して里見白玲も飛車を振り、相振り飛車。やっぱり里見白玲には振り飛車がよく似合う。
そして注目されるのが双方の囲いだ。里見白玲は定跡通り二枚金にしている。問題は西山女流三冠で、例によって▲2八銀・▲3八金形。ここで▲4八玉と上がったまま戦いになり、惨敗したことがよくあったと思うのだが、本局ではどう修正していくのか。
その答えは桂を跳ね、その位置に玉を持っていく構想だった。いわゆる矢内矢倉の逆形だが、これなら強い戦いができる。
そこから里見白玲は桂交換に出たが、西山女流三冠はその桂を7五に打つ。里見白玲は桂を7一に受ける。しかし里見白玲はこんなところに桂を打つ構想ではなかったはずで、これは西山女流三冠が面白くなった。
さらに西山女流三冠は8、9筋を巧妙に攻める。こうなると里見白玲の二枚金はそれほど働かず、本来は好形の△5四銀も、十字飛車で狙われる存在になってしまっている。
そして西山女流三冠の▲2六歩が実質的な決め手で、ここで飛車を入手し、二枚飛車の攻めが強烈だった。
私だったらどこかで▲5四飛と銀をタダ取りしニンマリしているところだが、西山女流三冠はそんな緩い手は指さない。厳しく最短距離で詰め寄り、最後は鮮やかな桂捨てでフィニッシュ。うれしい白玲奪還となった。西山先生、おめでとうございます。
2020年3月、西山奨励会三段が14勝4敗の成績を挙げても四段に昇段できなかったのは、本人にとっても将棋連盟にとっても、大きな損失だったと思う。
ただ、西山白玲が棋士四段になっていたら、白玲2期(優勝賞金の合計は3,000万円)を獲れたかどうか。ま、私は過去にこだわってグジュグジュしているが、西山新白玲はそんなことは忘れて、もうしっかり前を向いているのだろう。
さて、これで女流棋界のタイトル戦分布は、西山女流四冠が白玲、女王、女流名人、女流王将。里見女流四冠が清麗、女流王座、女流王位、倉敷藤花となった。女流棋戦は序列を明確にしていないが、将棋連盟のサイトを見ると、2人が綺麗に、交互に記されている。まさにガップリ四つである。
ただ、男性棋界の藤井聡太八冠のタイトル独占もどうかと思うが、女流棋界もこのふたりに独走させてはいけない。加藤桃子女流四段や伊藤沙恵女流四段のように、誰かが風穴を開けてほしい。