一公の将棋雑記

将棋に関する雑記です。

2月18日のLPSA芝浦サロン・I原氏との将棋

2011-02-23 00:45:32 | LPSA芝浦サロン
18(金)のLPSA芝浦サロンは、石橋幸緒天河の担当だった。手合い係は大庭美樹女流初段。手合い係は、大庭女流初段がメインらしい。
石橋天河は前日の17日、マイナビ女子オープンの挑戦者決定戦で上田初美女流二段に苦杯を喫し、さすがにこの日は元気がなかった。また金曜だというのにサロンの会員も少なく、静かな環境での指導対局となった。
その将棋は、中盤まで私が優位に立っていたが、終盤でひっくり返され、無念の敗戦となった。石橋天河は淡々と指していた感じだったが、最終的に勝ってしまう。ここが女流プロの強さだと思った。
書棚の前で将棋技術書を読んでいると、石橋天河と大庭手合い係が気を利かせて、スタッフのI原氏を連れてきた。I原氏は知る人ぞ知るアマ強豪で、昨年11月に行われた第99回職団戦ではLPSAのメンバーとして出場し、C級で見事に優勝している。そんなI原氏に、1月31日のジャンジャンマンデーで教えを請う機会に恵まれたのだが、そのときはI原氏が巧妙に緩めてくれ、私が快勝したのだった。
この日もI原氏は「よろしくおねがいします」と妙に低姿勢である。しかし静かな迫力があって、そこがコワかった。
柳の下にドジョウは2匹いない。私も今度は負かされると覚悟したが、返り討ちにしてくれるワ、との思いもよぎった。
とりあえずチェスクロックは使うとして、時間設定はどうするか。と、I原氏が
「ジャンジャンマンデーと同じ(持ち時間)10分(秒読み)30秒でお願いします」
と言った。
なんか、いやにこの前のジャンジャンマンデーにこだわっているようである。ま…まさかあの時は、I原氏も本気モードだったのだろうか。
まあいい。振り駒の達人、I原氏にまたも振っていただき、私の先手で対局開始。将棋は私の横歩取りにI原氏も呼応して、相横歩取りとなった。
前局はI原氏の四間飛車穴熊だった。振り飛車穴熊と相横歩取り。いろいろな将棋を見ているI原氏らしく、変幻自在だ。
ちなみにLPSAで、このふたつを指す女流棋士は少ない。ただ、元LPSA会員で、現・日本将棋連盟客員棋士の北尾まどか女流初段とは、相横歩取りの将棋を2局指している。あのころは「どうぶつしょうぎ」も揺籃期で、北尾女流初段も藤田麻衣子さんも、LPSAを発展させようと張り切っていた。ちょうど船戸陽子女流二段もLPSAに入会し、LPSAが最も活気づいていた時期だった。もうあのころの活気が戻ることはないだろう。
局面に戻る。飛車角総交換のあと、私は例によって☗4六角。と、I原氏が☖2七角と打ってきたので驚いた。ここ、定跡では☖8二角と教えている。ほかに☖7三角や☖6四歩もあり、いずれも難解である。
しかし☖2七角は初めて見る手。これもありならどこかで目にしているはずだが、その記憶はない。
ということは、☖2七角は疑問手なのだろう。次の狙いは☖4九角成~☖6九飛か。しかしそれは☗5九飛で受かる。だから黙って☗9一角成でもよかったのだが、どうもこの角が不気味なので、☗3八銀☖5四角成を決めてから、私は☗9一角成と香を取った。
I原氏、予定とばかり☖2八歩。私は☗2四飛。しかし☖2九歩成に☗同飛は誤った。手順に☖3三桂と跳ばれ、打った飛車がバカになってしまった。ここは感想戦でも指摘されたが、と金を払わず☗2一飛成とこちらも桂を取るのだった。
以下虚々実々の攻防が繰り広げられたが、ここで中盤の局面の駒の配置を記す。

先手・一公:1七歩、1九香、2五竜、3七歩、3八銀、4七歩、4八金、5七歩、5八香、5九玉、6七歩、7七銀、7八金、8九桂、9一馬、9七歩、9九香 持駒:歩4
後手・I原氏:1一香、1三歩、3一銀、3二金、4三歩、4四飛、4五桂、5一王、5三歩、6一金、6三歩、6四馬、7二銀、7三桂、7四歩、9三歩 持駒:桂、歩2

☗2五竜に☖4四飛まで。ちょっと長いが、ここから終局までの指し手を書いてしまおう。

☗8三歩☖同銀☗8四歩☖同銀☗8三歩☖8八歩☗同金(左の2手はもっと前に入っていたかもしれない)☖7五銀☗7六歩☖8六銀☗同銀☖同馬☗4九玉☖6五桂☗5五馬☖5七桂右成☗同香☖同桂成☗同金☖5四香☗7三馬☖6二金☗5五歩☖7三金☗5四歩☖4五桂☗5三歩成☖同馬☗6五桂☖5七桂成☗6二銀☖同馬☗5五竜☖5四歩☗5七竜☖7九角☗5九竜☖5七銀☗5三香☖4二王☗5八歩☖8八角成☗5七歩☖7八馬☗2五桂☖6七馬☗3九玉☖2七歩☗同銀☖2六歩☗同銀☖2七金 まで、106手でI原氏の勝ち。

持ち駒が歩だけで私の手番だから、☗8三歩から動いていったが、手順に銀を捌かれ、よくなかった。2度目の☗8三歩がなんでもなく、仮に☗8二歩成が実現したところで、なんら後手王に脅威を感じさせない。
本譜は支離滅裂な指し手が続き、I原氏の包むような寄せに投了を余儀なくされた。
「ちょっとアッサリしてませんでした?」
とI原氏。
「?」
「馬をタダ取らせたところとか…」
「ああ…」
☖5四香☗7三馬☖6二金に本譜は☗5五歩だったが、ここは☗6二同馬☖同金として☗5五歩とすべきだったのでは、というものだ。たしかにそうだったかもしれないが、ここではもう、諦め気分だった。
感想戦では、8筋の歩の連打がやはり指し過ぎ。最初の☗8三歩☖同銀はいいとして、次は☗5六歩と突き、将来的に☗5五歩と伸ばして☗5八香を攻めに使うのがよし、という結論になった。いま局面を見れば、この☗5五歩ではじっと☗2六竜と引き、次に☗4六歩の桂取りを見せるのも有力だったと思う。
いずれにしても、攻め急いで自滅してしまった。I原氏に、今度こそ本気を出された感じだった。
蛇足だが、序盤の☖2七角には、将来の角切りを防ぐ☗4八金が最善と思う。次に☗2六飛があるので☖5四角成だろうが、そこで☗9一角成とすれば、先手が優勢だった。
I原氏は対局中の手つきも力強く、将棋に真摯に向かい合っていて、私も指していて楽しかった。芝浦サロンは女流棋士との指導対局がメインだから、男性社員と将棋を楽しんだらスジが違うのかもしれないが、またI原氏と指せる機会があれば、嬉しく思う。
コメント (2)
  • X
  • Facebookでシェアする
  • はてなブックマークに追加する
  • LINEでシェアする

バレンタインデーのLPSA芝浦サロン・幸せ

2011-02-22 00:29:45 | LPSA芝浦サロン
2月14日(月)・バレンタインデーのLPSA芝浦サロンは、マンデーレッスンSが中倉宏美女流二段、サロンが藤森奈津子女流四段の担当だった。
この日は午前中に札幌・千歳から帰京したが、11日(金・祝)に余市から送った酒類が自宅に届いてないようなら、芝浦に行くのはやめるつもりだった。帰宅後確認すると無事届いていたので、小樽から直接持ち帰ったワイングラスとともに、それらを紙袋に詰めた。
午後2時すぎに、芝浦サロン・藤森女流四段の6時の回に、予約を入れる。前述のように、14日はマンデーレッスンSと芝浦サロンのふたつが開かれている。今回私の目的はしかるべき女流棋士にお土産を渡すだけだから、別にどちらの女流棋士に指導を受けてもよい。しかし藤森女流四段には昨年の10月22日に指導を仰いで以来、ご無沙汰している。よって、藤森女流四段との指導を採ったわけだった。
6時少し前に入室。今回は上記のおふたりのほかに、マンデーレッスンSのアシスタントとして松尾香織女流初段、芝浦サロンの手合い係として、大庭美樹女流初段が担当していた。
マンデーレッスンSの開講時間には間があったので、目当ての女流棋士に北海道土産を渡す。あまり形の残るものは渡したくないのだが、今回は例外である。
松尾女流初段に会う。
「この前はマッカランありがとー」
と、また御礼を言われる。なーに、あれは私がマッカラン勝負に負けたのだから、当然のプレゼントである。それに松尾女流初段が、私相手に真剣に将棋を指してくれた御礼も兼ねているのだ。そこまで感謝されると、かえって恐縮してしまう。
ところが、私が書棚にある将棋の本を立ち読みしていたら、松尾女流初段がけっこう立派な袋に入ったチョコのお菓子をくれようとするので、ビックリした。マッカランのお返しだという。
そんな気を遣ってくれなくてもいいのにー、と思う。と、続けて中倉女流二段も、バレンタイン仕様のお菓子をくれるので、私は重ねてビックリした。
つまり左に松尾香織女流初段、右に中倉宏美女流二段が立ち、ほぼ同時に私にプレゼントを差し出す絵になったのだ。こんな光景、私自身は見たことがなかった。
私にとって2月14日は、女性に六花亭のチョコレートをあげることはあっても、もらうことはない普通の日だった。しかるに今年は、両手に花である。夢じゃないかと思った。ひょっとしたら、自分はモテるんじゃないかと思った。
これが山口恵梨子ちゃんと室谷由紀ちゃんだったら…などと言ってはいけない。どっちも義理チョコじゃねーか…などと言ってはいけない。松尾女流初段と中倉女流二段はファンランキングの6位と4位である。このお二方でも十分、私は嬉しかった。本当に、嬉しかった。ありがとうございました。
藤森女流四段との指導対局に入る。中盤の折衝で藤森女流四段に錯覚があり、私が優位に立った。しかし私も二階から目薬のような手を指して、一遍に紛れてしまった。勝負も負けた。当然ながら、藤森女流四段は強かった。
感想戦は、Is氏も交えてのなごやかなものとなった。藤森女流四段はNHKの将棋番組にも数多く出演し、私から見れば芸能人と同等である。そんなスター棋士と将棋盤を挟んでお話ができることを、ありがたく思う。
サロンもお開きになり、Is氏とサイゼリヤへ食事に行く。サロンのメンバーとふたりで食事に行く機会はあまりない。私は極度の人見知りで、私が避けるからだ。だからIs氏とふたり、は初めてである。
しかし案ずるより産むが易しというか、サイゼリヤでは、何とか無難に会話ができた。この調子でほかの会員とも話ができればいい、と思った次第。
コメント
  • X
  • Facebookでシェアする
  • はてなブックマークに追加する
  • LINEでシェアする

中井広恵女流六段、ついに夢に出る

2011-02-21 00:20:44 | 
20日(日)の朝に見た夢に、ついに中井広恵女流六段が登場した。
場所はどこかの回転寿司。縦長のレーンが回っていて、私は「4時」のあたり、中井女流六段は「9時」のあたりに座っていた。席は全部で24ぐらいあったと思う。
中井女流六段はあちらを向いてニコニコ笑っていて、私には気づいていないようだった。現実の中井女流六段も笑顔は素敵だが、私に笑みを見せるときは「大沢さん、またヘンなブログ書いてたでしょう」とたしなめることが少なくない。
だから夢の中で中井女流六段が私に気づかないのは、幸いだった。
「10時」のあたりに野月浩貴七段がいたようだが、私は確認しなかった。
また「5時」のあたりにW氏がいて、私に何か話しかけてきたが、よく分からなかった。
夢の中の板さんは特殊な能力があって、客がどのネタを食べたいか、客に聞かなくても分かるらしかった。この回転寿司屋はこれがウリのようで、ひとつのショー仕立てになっていた。ゆえに客も勝手に寿司を頼めず、板さんが出した寿司を黙って食べるシステムのようだった。よってレーンは回っているが、皿の上にも寿司は載っていなかった。
「ショー」が始まり、まずは私にサーモン(1貫)が供された。板さんは、私がサーモンを欲していると読んだわけだ。たしかに私はサーモンが好きだが、初っ端から食べたいとは思わなかった。しかし文句がいえる雰囲気ではなかった。それはとにかく、サーモンのにぎりはシャリも多く、美味だった。
…というところで、目覚まし時計で起こされた。残念。
それにしても中井女流六段の降臨は珍しい。今回は出番が少なかったが、これからも夢に出演してくれればと思った。
コメント (4)
  • X
  • Facebookでシェアする
  • はてなブックマークに追加する
  • LINEでシェアする

帰京後

2011-02-20 14:00:35 | 旅行記・北海道編
千歳の某ビジネスホテルはこれといった特色はないが、強いて挙げればビデオオンデマンド130番組(ビデオ)が無料で見放題、というのがウリであった。
ビジネスホテルではまず備え付けられているビデオだが、その大半は有料である。有料ならば観る気はしないが、無料ならばもちろん観る。
室内に入って、早速ビデオをいじってみる。と、画面に「映画」「アニメ/TVドラマ」「バラエティ/癒し」「NHK」「ミュージック」「アダルト」「無料作品」と各ジャンルが表示された。どうやらこれは、昨年1月、愛知県のビジネスホテルにあったビデオのシステムと同じようだ(2010年1月11日のエントリ「最近の有料ビデオ事情」参照)。
試しに「アダルト」に表示されてあるリモコンの数字ボタンを押してみると、「フェチ/ハードコア」「女優/アイドル」「素人/女子校生」「人妻・熟女/働くお姉さん」「ナンパ/ギャル」「Rシネマ」「アダルトアニメ/How To」と分かれ、それぞれに13、3、10、10、4、9、3本の番組が配信されていた。ほかのジャンルも確認したが、本数は「アダルト」が圧倒的に多かった。
「映画」では、役所広司や竹中直人が主演を務めたR-15指定のビデオがあり、「バラエティ/癒し」では、外国人の金髪女性がレオタード姿で体操をするというビデオもあった。
いずれのジャンルも宿泊客を元気にさせる配慮がなされており、企業努力が窺えた。これは大いに評価していいと思う。
なお「無料作品」とは、3月配信の予告編だった。「無料作品」のみ無料で、ほかのジャンルは有料でした、などと言われても困るから、ここは確認しておくに越したことはない。
実際にいくつかの番組を観たが、リモコンの操作は簡便だった。ただし早送りはもっと早くできなかったのだろうか。ボタンを2回押せばもっと早くできたのだろうか。分からない。また一時停止時は、右上に「停止」の文字が大きく踊り、若干目ざわりだった。
とはいえ見応えのある番組を揃えていたと思う。背後のダブルベッドがちょっと虚しかったが、おかげで北海道最後の夜は、たいそう充実したものとなった。

翌14日(月)。濃密な北海道の三連休も終わり、ついに帰京である。沖縄県の八重山諸島から帰るときは後ろ髪を引かれる思いがあるが、冬の北海道からの帰りはそうでもない。ユースホステルなどで旅人との交流がないこと、北海道の寒さから逃れられるという思いがあるからだろう。
午前6時30分発の送迎バスで新千歳空港に入る。AIR DO 012便は08時00分出発だから、お土産を買う時間を考慮しても、余裕である。と、チェックイン時に、カウンター嬢から
「012便は満席が予想されるのですが、その際は1時間遅い便に振り替えていただくことは可能でしょうか」
と聞かれる。答えはもちろん「イエス」である。もし振り替えとなったら、協力金として1万円が出ると聞き、私は012便が満席になることを祈った。
搭乗口へは出発の10分前、すなわち7時50分に行けばいいが、かような事情で、7時30分には搭乗口にいるよう告げられた。
これはちょっと忙しくなった。ショッピングプラザで目的のお土産を買い、7時30分の5分前に、搭乗口へ着く。しかし012便は満席までいかなかったようで、何のアナウンスもないまま、搭乗が始まった。残念。楽して1万円のキャッシュバックなどと考えたのが、やはり甘かったのだ。
東京・羽田空港へは11分遅れの9時46分に到着した。そのままモノレールに乗る。ANAやAIR DOは始発の空港第2ビル駅からから乗れるから、座れる確率が高く、嬉しい。と、次の空港第1ビル駅から、修学旅行生と思しき高校生が大挙乗ってきた。関西弁で話しているから、関西から来たのだろう。
女子が
「原宿までは660円だよ」
とか話している。
ところで彼女らの制服は、上はセーラー服の襟のようになっているのに、下のほうはブレザーになっている、ちょっと凝ったツクリだった。
10時25分、浜松町下車。そのままSuicaでJRの改札を抜けたいが、Suicaの入ったパス入れは、旅行バッグの底に沈んでいた。仕方なく、自動券売機で切符を買う。
と、先ほどの高校の男子が数人、自動券売機のところでまごまごしていた。どうも、買うべき切符が見つからないらしい。男子は傍らにいたおっさんに助けを求めるが、おっさんは
「みどりの窓口で買いなさい」
と冷たくあしらう。
チッ、何言ってんのだ…と、私がしゃしゃり出た。
見ると、タッチパネルに
「都区内パス 730円」「鎌倉・江ノ島フリーきっぷ 1,970円」
と映しだされている。なぜこの2つが掲示されているのか分からぬが、鎌倉・江ノ島フリーきっぷはともかく、都区内パスは東京23区内のJR普通列車が1日乗り放題で730円と、お得である。
「これは東京23区内のJRが乗り放題だから、便利だよ」
しかし高校生は別のトクトクきっぷを買いたいらしい。ひとりの男子が東京のガイドブックを見せる。そこには
「東京フリーきっぷ 1,580円」
とあり、丸で囲まれていた。
「ああこれは、東京都区内のJRや地下鉄とかに乗り放題だよ」
しかし鉄道めぐりでもしない限り1,580円の元を取るのは難しく、私は勧められない。高校生も
「こっち(都区内パス)のほうでもいいかな」
という。しかし彼らは「東京フリーきっぷ」を買うのが目的のようである。
「じゃあこれはこうやって…」
と私は別の券売機をタッチしたが、やはり「東京フリーきっぷ」はパネルに出てこない。おかしい…とゴチャゴチャやっていると、先ほどのおっさんが戻ってきて、
「みどりの窓口で買えたよ」
と言うと、私に、すみません、と冷静な口調で言った。
なんと…あのおっさんは、この高校の教師だったのだ。どうも私のやったことは、まったくのムダ骨だったらしい。
自分は親切のつもりでやったのに、相手には迷惑、ということがある。旅の最後は、ちょっと苦い味だった。
コメント (3)
  • X
  • Facebookでシェアする
  • はてなブックマークに追加する
  • LINEでシェアする

さっぽろ雪まつり

2011-02-19 15:55:33 | 旅行記・北海道編
午後2時。大通5丁目東で、陸上自衛隊第11音楽隊による、「雪まつりコンサート」が始まった。J-POPを中心に、熟練の演奏が繰り広げられる。曲の合間に、司会進行の女性隊員が
「私は関東の出身なんですけど、北海道では『手袋をつける』ということを、『手袋を履く』というんですよね。あと、『ゴミを投げる』とか…」
とプチ方言を教えてくれる。
演奏中にも雪が降っていたが、雲が切れ、空は快晴になった。
と思うと西から雨雲が流れ、再び雪が降る。冬の北海道で寒さは覚悟の上だが、雪だけは困る。傘をさすのはヤボだし、オーバーにフードはついていない。抵抗なく雪をかぶるだけになる。
アンコールでは、アニメの女性ヒロイン特集として、「魔法使いサリー」や「ひみつのアッコちゃん」など4曲がメドレーで演奏された。
今年もコンサートを大いに堪能して、私は13丁目にある北海道資料館へ直行した。雪は雹に変わった。これも初めての経験である。
北海道資料館も毎年お邪魔している。館内には無料の展示室がいくつもあるが、毎年出展している同好会もあり、若干の既視感はある。
今年は2階の大広間でジャズのコンサートがなく、ちょっぴりさびしい。
藤田麻衣子さんに雰囲気が似ている「ゆきみどり」さんが、今年も出展をしている。路傍の草花を写真に撮り、ポストカードにして展示している。彼女に会うのも、雪まつりでの定番だ。
観光客のおばちゃん方がたいそうこれらの作品を気に入って、いろいろ質問をしている。私が話に加わる機会がない。
帰り際、みどりさんとちょびっとだけ話をする。彼女はブログの類をやっておらず、自作の宣伝はあまりしていないそうだ。展示会の出品も不規則とのこと。
「今年もここに来られてよかったです。ここに来られるということは、1年間無事に過ごせたということですから」
私は少し感傷的になって言った。
北海道資料館を出る。雪は相変わらず降っている。6丁目だったか、みそ汁の無料サービスがあった。この類のサービスは観光客が長蛇の列を作るのだが、いまはわりと人が少ない。
(寒さで)死んじゃうよー!! と叫びつつ、カップのみそ汁をいただく。雪で冷えた体に、熱いみそ汁が美味い。試供品のみそもいただいて、先へ進む。
6丁目は食の広場である。数年前に真駒内会場が廃止になってから、そこに出ていた店がこちらへ引っ越した形だ。ちなみに現在では、札幌ドーム周辺の「つどーむ会場」が真駒内会場の代わりを務めている。そちらには、まだ行ったことがない。
チョコバナナ、300円。目が点になる。名寄のフェスティバルでは100円だった。
広場の一隅で、味噌バターコーンラーメン600円を、半額の300円で販売していた。さっぽろ雪まつりは、きょう(13日)が最終日だが、叩き売りの時間が少し早くないか? いずれにしても300円は安い。
ラーメンにバターは入れたくないが、文句は言えない。しかしこのラーメンは半額のせいか、お世辞抜きに美味かった。懸念したバターもスープをマイルドにして、悪くなかった。
しかし雪が降りやまない。交差点で警備している警備員と観光客の会話を聞いたが、きょうの札幌市内は、朝から夜まで雪、の予報だったという。してみると、札沼線から晴れた景色を見られたのは、幸運だったのかもしれない。
ところで大通会場は反時計回りの一方通行だが、ここ数年、その禁を平気で破る観光客が増えてきた。ケータイの普及、食の広場の移転と時を同じくしているが、これらは無関係ではないと思う。
大通会場を出て、すすきの会場に行く。ここは「すすきの氷の祭典」が行われている。黄昏時なので、すでに氷像がライトアップされている。
いずれも力作だが、旭川と雰囲気が違う。旭川の氷像は立体的なので反対側からでも観られるが、すすきののそれはレリーフ状なので奥行きがないのだ。
大通会場へ戻る。5丁目東で、女性歌手のコンサートがあった。見慣れない歌手だが、ソプラノの声が冬の氷のように美しい。彼女の歌は自動車会社CMにも起用されたようで、ステージでもその歌が歌われた。しかし思ったのだが、女性の高音は、冬の北海道で聴くと、寒さが増幅する。やはり寒いときは、フランク永井のように、男性の低音がいいと思う。
午後6時、8丁目で「雪のHTB広場フィナーレ」が始まる。しかし私が目当ての、ミスさっぽろと雪の女王の交代式はないようだ。雪の女王(ミスさっぽろ)は昨年から、3人から2人へと減った。札幌もほかと同じく、不況のあおりを受けているようだ。
ステージでは、これまでHTB会場に登場したアーチストが、再び歌を歌う。いまは若い女性グループがステージを所狭しと駆け回っている。
しかし前列のほうにいる、中年カップルの傘が邪魔だ。上にも書いたが、こうした会場で傘をさすのはヤボである。回りの迷惑だ。しかもこのバカップル、大型の傘である。これでは後ろの観光客にステージが見えない。
6時35分を過ぎた。これはもう、ミスさっぽろは出てこないだろう。雪はまだ降り続いている。「吉野家」を出てから降りっ放しで、これは初めての経験だった。雪が降ると観光の意欲が失せる。いささか消化不良だが、これでステージ観戦は終わりとした。
私はそのまま4丁目に向かう。オフィシャルショップがあったので、500円の雪まつり絵ハガキを買う。200円の缶バッジも買った。これが自分自身へのお土産である。
「ホット青汁」が配られていたので、いただく。大通公園で青汁をいただくのも、私の恒例行事となった。
6丁目の食の広場では、本格的に安売りを始めている。雪まつりはあと2、3時間だ。もう、売り切ってしまわねばならない。函館本線・森駅の「いかめし(2ヶ)」が、500円から300円になっている。いかめし500円は定価だから、それが300円なら文字通りの値引きだ。当然買ったが、アツアツで、美味かった。
これで私のさっぽろ雪まつりは終わった。また来年のお楽しみである。
今夜の宿は千歳のビジネスホテルを予約してある。「三連休おでかけパス」の有効期間はきょうまでなので、できるだけ新千歳空港に近づいておいたほうがいい。
しかしすぐ千歳へ向かうのは、ちょっと味が悪い。だが将棋サロン「みずなら」は1週間前に閉席してしまい、寄り道できない。
私はとりあえず地下街へ下りた。その一角に蕎麦屋がある。店の外から、そば湯が入っている容器が見えたが、それが立派だったので、私は誘われるようにその店へ入る。
果たしてそれはアタリだった。頼んだもりそばは二段重ね。バス深名線・ルオント前待合室にあった貼り紙に、そばを美味しく食べる心得として「ワサビと薬味はそばに直接つけて食べる」とあったので、それを実践してみる。
そばにワサビをつけ、その部分はつゆをつけず、ズルズルッと喰らう。そばは香り高く、コシがある。何よりワサビがピリッと効いて、実に美味い!! 大通公園の地下街に、こんなに美味いそばを食わせる店があるとは思わなかった。「八雲」。覚えておこう。
札幌発20時17分の普通列車に乗り、途中、北広島であとから来た快速に乗り換える。20時54分千歳着、私は下車した。
駅前のコンビニでくちどけチーズケーキと紙パックのコーヒーを買い、私はこの日のビジネスホテルに投宿した。
(つづく)
コメント (5)
  • X
  • Facebookでシェアする
  • はてなブックマークに追加する
  • LINEでシェアする