一公の将棋雑記

将棋に関する雑記です。

帰京後

2011-02-20 14:00:35 | 旅行記・北海道編
千歳の某ビジネスホテルはこれといった特色はないが、強いて挙げればビデオオンデマンド130番組(ビデオ)が無料で見放題、というのがウリであった。
ビジネスホテルではまず備え付けられているビデオだが、その大半は有料である。有料ならば観る気はしないが、無料ならばもちろん観る。
室内に入って、早速ビデオをいじってみる。と、画面に「映画」「アニメ/TVドラマ」「バラエティ/癒し」「NHK」「ミュージック」「アダルト」「無料作品」と各ジャンルが表示された。どうやらこれは、昨年1月、愛知県のビジネスホテルにあったビデオのシステムと同じようだ(2010年1月11日のエントリ「最近の有料ビデオ事情」参照)。
試しに「アダルト」に表示されてあるリモコンの数字ボタンを押してみると、「フェチ/ハードコア」「女優/アイドル」「素人/女子校生」「人妻・熟女/働くお姉さん」「ナンパ/ギャル」「Rシネマ」「アダルトアニメ/How To」と分かれ、それぞれに13、3、10、10、4、9、3本の番組が配信されていた。ほかのジャンルも確認したが、本数は「アダルト」が圧倒的に多かった。
「映画」では、役所広司や竹中直人が主演を務めたR-15指定のビデオがあり、「バラエティ/癒し」では、外国人の金髪女性がレオタード姿で体操をするというビデオもあった。
いずれのジャンルも宿泊客を元気にさせる配慮がなされており、企業努力が窺えた。これは大いに評価していいと思う。
なお「無料作品」とは、3月配信の予告編だった。「無料作品」のみ無料で、ほかのジャンルは有料でした、などと言われても困るから、ここは確認しておくに越したことはない。
実際にいくつかの番組を観たが、リモコンの操作は簡便だった。ただし早送りはもっと早くできなかったのだろうか。ボタンを2回押せばもっと早くできたのだろうか。分からない。また一時停止時は、右上に「停止」の文字が大きく踊り、若干目ざわりだった。
とはいえ見応えのある番組を揃えていたと思う。背後のダブルベッドがちょっと虚しかったが、おかげで北海道最後の夜は、たいそう充実したものとなった。

翌14日(月)。濃密な北海道の三連休も終わり、ついに帰京である。沖縄県の八重山諸島から帰るときは後ろ髪を引かれる思いがあるが、冬の北海道からの帰りはそうでもない。ユースホステルなどで旅人との交流がないこと、北海道の寒さから逃れられるという思いがあるからだろう。
午前6時30分発の送迎バスで新千歳空港に入る。AIR DO 012便は08時00分出発だから、お土産を買う時間を考慮しても、余裕である。と、チェックイン時に、カウンター嬢から
「012便は満席が予想されるのですが、その際は1時間遅い便に振り替えていただくことは可能でしょうか」
と聞かれる。答えはもちろん「イエス」である。もし振り替えとなったら、協力金として1万円が出ると聞き、私は012便が満席になることを祈った。
搭乗口へは出発の10分前、すなわち7時50分に行けばいいが、かような事情で、7時30分には搭乗口にいるよう告げられた。
これはちょっと忙しくなった。ショッピングプラザで目的のお土産を買い、7時30分の5分前に、搭乗口へ着く。しかし012便は満席までいかなかったようで、何のアナウンスもないまま、搭乗が始まった。残念。楽して1万円のキャッシュバックなどと考えたのが、やはり甘かったのだ。
東京・羽田空港へは11分遅れの9時46分に到着した。そのままモノレールに乗る。ANAやAIR DOは始発の空港第2ビル駅からから乗れるから、座れる確率が高く、嬉しい。と、次の空港第1ビル駅から、修学旅行生と思しき高校生が大挙乗ってきた。関西弁で話しているから、関西から来たのだろう。
女子が
「原宿までは660円だよ」
とか話している。
ところで彼女らの制服は、上はセーラー服の襟のようになっているのに、下のほうはブレザーになっている、ちょっと凝ったツクリだった。
10時25分、浜松町下車。そのままSuicaでJRの改札を抜けたいが、Suicaの入ったパス入れは、旅行バッグの底に沈んでいた。仕方なく、自動券売機で切符を買う。
と、先ほどの高校の男子が数人、自動券売機のところでまごまごしていた。どうも、買うべき切符が見つからないらしい。男子は傍らにいたおっさんに助けを求めるが、おっさんは
「みどりの窓口で買いなさい」
と冷たくあしらう。
チッ、何言ってんのだ…と、私がしゃしゃり出た。
見ると、タッチパネルに
「都区内パス 730円」「鎌倉・江ノ島フリーきっぷ 1,970円」
と映しだされている。なぜこの2つが掲示されているのか分からぬが、鎌倉・江ノ島フリーきっぷはともかく、都区内パスは東京23区内のJR普通列車が1日乗り放題で730円と、お得である。
「これは東京23区内のJRが乗り放題だから、便利だよ」
しかし高校生は別のトクトクきっぷを買いたいらしい。ひとりの男子が東京のガイドブックを見せる。そこには
「東京フリーきっぷ 1,580円」
とあり、丸で囲まれていた。
「ああこれは、東京都区内のJRや地下鉄とかに乗り放題だよ」
しかし鉄道めぐりでもしない限り1,580円の元を取るのは難しく、私は勧められない。高校生も
「こっち(都区内パス)のほうでもいいかな」
という。しかし彼らは「東京フリーきっぷ」を買うのが目的のようである。
「じゃあこれはこうやって…」
と私は別の券売機をタッチしたが、やはり「東京フリーきっぷ」はパネルに出てこない。おかしい…とゴチャゴチャやっていると、先ほどのおっさんが戻ってきて、
「みどりの窓口で買えたよ」
と言うと、私に、すみません、と冷静な口調で言った。
なんと…あのおっさんは、この高校の教師だったのだ。どうも私のやったことは、まったくのムダ骨だったらしい。
自分は親切のつもりでやったのに、相手には迷惑、ということがある。旅の最後は、ちょっと苦い味だった。
コメント (3)
  • X
  • Facebookでシェアする
  • はてなブックマークに追加する
  • LINEでシェアする