一公の将棋雑記

将棋に関する雑記です。

石橋幸緒さんは、上村亘四段に似ている

2018-11-25 00:31:23 | 似ている
日付変わって今日11月25日は、元女流棋士・石橋幸緒さんの誕生日。おめでとうございます!!
その石橋幸緒さんは、上村亘四段に似ていると思う。
上村四段は、1986年12月10日、東京都生まれの31歳。1998年に奨励会に入会し、2010年三段。2012年10月1日、25歳で四段昇段した。順位戦1年目は3勝7敗で降級点を取る危なっかしいところもあったが、2017年9月には、当時先手番で勝率10割だった藤井聡太四段(当時)に後手番に初めて勝利し、大きな話題となった。
また第31期竜王戦では6組の昇級者決定戦を勝ち上がり、5組に昇級した。
物真似が得意で、今年4月に開かれた「シモキタ名人戦」の一コーナーでは、加藤一二三九段などの形態模写を面白おかしく演じ、好評を博した。
現在、読売新聞水曜夕刊「なるほど囲碁将棋」の「竜王戦見聞録」の執筆を担当するなど、多方面で活躍中である。
石橋幸緒さんと上村四段は顔のパーツが似ているが、ヒトを笑わせることが好きな、剽軽な部分もよく似ていると思う。

月日が経つのは早いもので、石橋幸緒さんが引退、LPSAを退会して4年半以上が経つ。その間将棋から完全に距離を置いたのかと思いきや、社団戦に選手として出場しているという話も聞いた。それが本当なら、よろこばしいことだと思う。
また、私がヒトのツイッターを読まないのでアレだが、そちらのほうでもいろいろつぶやいているようだ。
石橋幸緒さんにはこれからも、女流棋界を陰から見守ってもらいたい。
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礒谷女流初段の快進撃

2018-11-24 00:14:08 | 女流棋士
20日は第12期マイナビ女子オープン本戦2回戦・岩根忍女流三段と礒谷真帆女流2級の一戦があった。
「磯谷」とは聞き慣れない名だがそれもそのはず、LPSA大庭美夏女流初段のご息女で、この11月1日にLPSA所属で女流棋士になった、キラキラの新人である。
もっとも礒谷女流2級は以前から女流アマ棋界で活躍していて、数々の優勝経験がある。また女流公式戦にも何度か出場していた。本棋戦では本戦1回戦に勝ちベスト8に入ったことにより、女流棋士の資格を得た。その行使によるプロデビューで、このケースは初めてとのことである。
ところで磯谷女流2級には、彼女が小学生だったころ、私が芝浦サロンで対局したことがあるはずだ。当時の彼女は一言で言えば「根性の将棋」で、べつに女流棋士になったから言うわけではないが、彼女は強くなると思っていた。
さて本局、岩根女流三段は私もかつてファンだったが、ここは礒谷女流2級を応援する。岩根女流三段はマイナビで挑戦者になったこともある大豪だが、新人にコロッと負けるもろさもあり、礒谷女流2級にも十分勝機はあると思った。
将棋は先番岩根女流三段の三間飛車に、礒谷女流2級の居飛車銀冠穴熊。振り飛車党が多い女流棋士の中で、居飛車は頼もしい。
礒谷女流2級は以降も堂々と指し、徐々に優位を拡げているようだ。そして終盤戦となった。

第1図以下の指し手。△1五歩▲4三歩成△1六歩▲1八歩(第2図)

第1図は次に▲4三歩成が厳しいから、私なら何はともあれ△4四同歩と取る。しかし礒谷女流2級は△1五歩。対して私ならやはり▲1五同歩だが、岩根女流三段は▲4三歩成。一刻も早く2枚目のと金を作りたい気持ち、これもよく分かる。しかし△1六歩▲1八歩の交換となり、これは後手がポイントを挙げた気がした。

第2図以下の指し手。△5六馬▲同金△4七歩▲同銀△4八金▲3二と△同金▲5八金(第3図)

ここで礒谷女流2級の指し手が難しいと思ったが、△5六馬がすごかった。私は馬を大事にする派なので、この手は思いつかない。▲5六同金にじっと△4七歩。この3手を指せる女流棋士は少ないと思う。
▲4七同銀にベタッと△4八金。しかし岩根女流三段に3二金を取る手が回り、▲5八金と凌ぐ。
ここが分からないところで、普通は玉の腹に▲3八金と打つと思う。それだと何がいけなかったのだろう。だが▲5八金の局面も、冷静に見れば先手の駒得である。私は先手がよくなったのでは、と思った。

第3図以下の指し手。△6八竜▲同馬△2七香(投了図)
まで、礒谷女流2級の勝ち。

第3図で△2七香はわずかに詰まない、と長岡裕也五段の解説があった。
とはいえここでズバッと△6八竜がすごい。私は、礒谷女流2級が敗勢になり、ヤケクソになったと思った。ところが長岡五段の解説によると、▲6八同馬は今度こそ△2七香で詰むらしい。
それなのに岩根女流三段は▲6八同馬! 礒谷女流2級は△2七香と打ち、岩根女流三段が投了してしまった。
ええーーーっ!?
あまりの展開に、私はついていけない。どこかで逆転して岩根女流三段がいいと思っていたのにそれは錯覚で、ずーっと礒谷女流2級がよかったということか!?

投了以下は、▲2七同玉△1五桂▲1六玉△2七桂成▲同玉△1六銀▲2八玉△2七香まで。途中の△2七桂成がミソで、△2七銀と打ってしまうと詰まない。どうも、礒谷女流2級の快勝だったようである。
これで磯谷女流2級は本戦ベスト4により、2段跳びの女流初段に昇格した。実に13人抜きの快挙で、母の現役時代の肩書も抜いたのだった。磯谷女流初段、おめでとう!!

では改めて、礒谷女流初段の快進撃を振り返ってみよう。

●チャレンジマッチ
1回戦 女子アマ
2回戦 女子アマ
準決勝 長沢千和子女流四段
決勝戦 脇田菜々子アマ

●予選
1回戦 山口恵梨子女流二段
2回戦 島井咲緒里女流二段
決勝戦 里見咲紀女流初段

●本戦
1回戦 中村真梨花女流三段
2回戦 岩根忍女流三段

以上、9連勝。まずチャレンジマッチは女流棋士も出場するから、抜けるのは容易ではない。たとえば準決勝では、このたび女流王位リーグに入った長沢女流四段、決勝では現女流棋士の脇田アマと当たった。ここを抜けただけでも殊勲賞なのだ。
さらに一斉予選対局でも、実力者3人を負かしている。2回戦でLPSAの島井女流二段がアシストした形になったのはご愛嬌である。
そして本戦、中村女流三段、岩根女流三段のタイトル戦経験者を破ったのは見事で、女流初段の肩書は当然である。
というわけで、準決勝は里見香奈女流四冠と清水市代女流六段の勝者との対戦になる。どちらが来ても手ごわいが、勉強のつもりで楽しく戦えばよい。
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1年ぶりの魚百・4

2018-11-23 00:09:33 | 将棋ペンクラブ
飲み会は木村晋介会長がフェードアウト。向かいの魚百支店に入るとA氏が見え、また9人になった。
しかしこの支店は店内が狭く、私たちは入口近くのテーブルに、2つに分かれて座ることになった。こういう時、私は少人数のほうに座る。私のテーブルは、向かいにOhh氏。Kan氏が気を遣って、こちらのテーブルに加わった。よってあちらのテーブルは、三上氏、星野氏、A氏、Ohno氏、青年A氏、青年B氏となった。
まずはビールや焼酎で乾杯。私はアルコールは飲まないが、最初の1杯は美味いと思う。私は最近半引きこもりなので、こうした交流会での飲み会が、貴重な交流の場となる。
料理がいろいろ運ばれてきた。刺し身をつまむが、旨い。
Ohh氏はさっきの将棋会でも熱っぽく語っていたが、知る人ぞ知る駒の収集家である。今回の将棋会も、一部の駒はOhh氏の提供である。
そのOhh氏、かつては一流企業に勤め、海外をバンバン渡り歩いていたらしい。人は見かけによらないというが、いまや好々爺としたOhh氏に、そんな過去があるとは知らなかった。
あちらのテーブルでは、三上氏と星野氏が将棋を始めた。ホントはほかの会員も指したいのだろうが、テーブルが小さいので、盤が置けないのだ。ただ青年A氏あたりは戦術のことを熱っぽく語っていて、相当な将棋バカと思われる。
こちらはOhh氏に湯川博士・恵子夫妻との出会いを聞くと、湯川夫妻が昭和50年前後の将棋雑誌に「棋友求ム」のお知らせを出し、そこにOhh氏が連絡したから、というからすごかった。
Ohh氏が和光市の湯川邸に出向くと、そこには小池重明氏をはじめアマ強豪がゴロゴロしており、Ohh氏も何度か小池氏に将棋を教わったという。
まったく衝撃的な話で、これ私だったら「将棋ペン倶楽部」に長期連載しているところだ。だがこればかりは、書き手にその意思がないとどうしようもない。
ところで幹事A氏が教えてくれたのだが、青年B氏は先日も社団戦に出場した藤宮氏だった。ああそういえばそうで、彼は東大卒の俊英である。それはいいが、彼は将棋ペンクラブの会員ではない。私が言うのもナンだが、社団戦に出場し、こうした会にも出席するのなら、会員になるのが筋だと思う。
料理は次から次へと運ばれてくる。こちらではあまり頼んでいないから、あちらでこちらの分も頼んでいるのだろう。
私は料理をじっくり味わいたいのだが、一段落すると、少食のKan氏が、「これはあちらで食べてもらおう」と、持って行ってしまう。それでも、料理は食べきれないほど出てくるのだが。もっとも食べ放題ではないから、後の会計が心配ではある。
ところで「将棋ペン倶楽部」の来春の座談会のゲストは、藤井猛九段だった。愛知県在住の藤井聡太七段が出るわけがないと思ったから、妙に納得である。
Ohh氏に私の現状を聞かれ「無職です」と答えたが、Ohh氏もむかし、1年くらい無職の時期があったらしい。「大丈夫、何とかなる」と励ましてもらったが、意外に元気づけられた。
時刻は8時を過ぎ、ここでお開きである。だが幹事A氏は「もう少し大沢さんと話したい」というので、私もありがたく応じる。だがそれなら近くの喫茶店のほうがいいわけだが、魚百の女性スタッフは二次会組の居残りを所望しており、引き続きここで飲むことになった。
ほかに星野氏、Kan氏、青年A氏も残った。とりあえず飲み物を頼み、乾杯。
将棋ペンクラブ色が濃くなったので、観戦記談議をする。幹事A氏によると、将棋ペンクラブ大賞の最終選考過程でもいろいろ人間模様があるようで、なかなかになかなかなところがあるようだ。
青年A氏は深浦康市九段の著書のコピーを取り出し、「最前線物語3」を出してほしい……とつぶやく。どうも、最強の将棋オタクが来てしまったようだ。
星野氏は目がうつろで、心ここにあらずのふうだ。しばし経って退席となった。
ところで先日も聞いたのだが、大賞贈呈式では、入賞者に交通費を支払っていないそうで、今回も杉本昌隆七段や柚月裕子さんは、それぞれ名古屋と山形から自腹で来たという。とくに柚月裕子さんは東京在住と思い込んでいた。当然だが、作家は全国に点在しているのだ。とにかく将棋ペンクラブは、入賞者には交通費くらい出さねばならない。
だが近年の会員の微減で、交通費が捻出できない、という事情がある。なら会費の値上げをするしかない。この前3,000円から3,500円に値上げしたが、その時4,000円くらいにしなければいけなかった。
「でも値上げするんだったら、会員に何かメリットがないとダメだと思います。ここを良くしたとか」
と青年A氏。「交流会とか年2回にすることはできないんですか」
まあ言いたいことは分かるが、幹事A氏によると、青年A氏は非会員とのこと。
はあーーー!? ひ、非会員は黙れ! とこれは冗談だが、マジで社団戦もこの交流会も、参加者は会員限定にしたほうがいいと思う。
まだ「週刊将棋」が発行されてたらなあ、という話になる。藤井聡太七段の人気に伴う将棋ブームで、もし発行が続いていたら、そこそこ売れたのではないかと言うのだ。
Kan氏と私はその意見だったが、作家でもある幹事A氏は冷静で、宅配の手間があるから難しいと言った。ま、仮の話をしてもしょうがない。
時刻は午後10時を過ぎ、これでお開きである。皆さんは明日から仕事で憂鬱だろうが、仕事がないほうがはるかに憂鬱である。でも今日は一日、楽しかった。
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1年ぶりの魚百・3

2018-11-22 01:08:18 | 将棋ペンクラブ

第6図以下の指し手。▲5三銀△7一玉(投了図)
まで、一公の勝ち。

第6図では、▲7三銀△7一玉▲8二銀成△同玉▲7三銀くらいで、後手玉は詰み。ところが青年は▲5三銀と、こちら側から王手した。しかしこれは△7一玉で詰まない。実戦は青年がここで投了した。

「▲7三銀で詰みでしょう」
私はすぐに口を開く。
「▲5三銀か▲7三銀か分かりませんでした」
試しに▲7三銀で進めてみると、△7一玉▲7二銀打△同飛▲同銀成△同玉▲8四桂△8二玉▲8三飛(参考1図)以下の別解もあった。

彼は勉強熱心なようで、序盤から感想戦となった。もし自分が負けていたらバカらしくてやってられないが、ここはお付き合いするよりない。
しかし感想戦をやると、お互いの読みの相違が分かって面白い。ただハッキリ疑問手の烙印を捺されたのは中盤の▲2三金で、ここは▲2三歩でよかったようだ。
その後は私の△6二玉が悪手で、すぐに△7七銀成▲同桂△6六歩とする手が優ったようだ。ただしこれも、どこかで▲6四桂△同金▲7三銀(参考2図)のような狙いがあり、後手は容易ではない。ならば私はどこでおかしくしたのだろう。

いずれにしても私にとって薄氷の勝利だった。ま、たまにはこんなことがあってもいいだろう。

時刻は午後4時を回った。三上-Ohh戦は、左美濃VS振り飛車穴熊。木村晋介会長-青年B戦は、会長の三間飛車に青年の玉頭位取り。星野-Kan戦は、振り飛車対居飛車だが、星野氏の攻めが切れている。

第1図から、▲5四桂△3一歩▲4二桂成△5六桂▲同銀△4二馬▲2六竜△1五馬(第2図)と進む。Kan氏はどこかで▲5八金とやれば安全勝ちだったが、そう指さない。

本譜は△1五馬までと進んで、これは気分的に後手の逆転模様なのだが、数手後星野氏が△7九金と、遊び金を活用しようとしたのが敗着。▲5八金と攻めの足掛かりを外され、終わった。後手はこの歩が生きているうちに、△5九飛とかしたかった。
木村-青年B戦は、会長の▲5六銀が中央で殺されそうである。そこは何とか凌いだようだったが、青年の△8四角が敵陣によく利いており、そこで△4八歩が美濃崩しの手筋。
▲3九金に△5九飛と下ろし、△3九飛成。「あ、そうかそうか」と木村会長は事の重大さに気付いたが、遅かった。▲3九同玉△4九歩成まで、木村会長の投了となった。
星野-Kan戦は、Kan氏の勝ち。星野氏は終盤追い上げて勝ちになったのに、皮肉にも遊び駒を活用した手が裏目に出た。
私は先ほどの勝利で味がいいので、部屋の隅っこでしばらく休む。戻ると、私と対局した青年A氏は三上氏と戦っていたが、これが角換わりである。どうも青年A氏、この戦法が好きみたいだ。今、金頭に▲7五歩と叩き、三上氏が「イタタタ……」とか言っている。
星野氏は青年B氏と戦っている。またもや駒損の攻めで切れそうだが、何とか攻めを繋いでいる。
なお魚百のスタッフ嬢が来て言うには、今日は向かいの支店に来てください、とのことだった。
星野-青年B戦がおもしろいことになっていた。またも星野氏が切れ模様だったが、例によって細い攻めを繋げていた。

第1図から△5五歩が好手。▲同銀ならむろん△4五角だ。よって青年B氏は▲7七歩と催促したが、そこで△4九角がまた鋭い。青年B氏は▲5九歩(第2図)と受ける。しかしこれは先手玉が寄りそうだ。
ところが……。

第2図以下の指し手。△5八角成▲同歩△6七金打▲6九玉△5六歩▲6八歩

星野氏は△5八角成と切ったが、逸機。△6七金打に▲6九玉と落ちられ、寄りづらくなってしまった。
戻って第2図では△5六歩があった。▲7六歩にはそこで△5八角成で、▲同歩は△6七金▲6九玉△6八銀で詰み。
こりゃダメだと三上-青年A戦に目を転じると、三上氏が勝ったようだった。あの将棋を勝ったのか! ちょっと前に戻してもらうと、▲8九玉に対して、△6九の角で△8七角成とし、▲同金△同飛成▲8八金△7七桂まで、三上氏が勝ったらしい。先手は2八に飛車がいたが、関係なかったようだ。
それにしても三上氏の強さよ。あの年齢で角換わりの激しい将棋を指し、それで攻め勝つとは将棋が若い。
星野-青年B戦に戻る。明らかに青年B氏の勝勢だったが、彼がヒョイと▲9六香を走ったのが大悪手。すかさず星野氏が△9九銀(第3図)と縛り、典型的な必至になってしまった。
ところが……。

第3図以下の指し手。▲9二金△同香▲同香成△同玉▲9六飛△9五歩▲9九飛△6八金▲8八玉(第4図)

青年B氏は投げず、▲9二金。さっぱり狙いが分からなかったが、4手後に▲9六飛と回った。なるほど手はあるものだ。だがこれは△9三香でよい。▲同飛成は△同桂で後手勝ち。また▲9九飛も△同香成で、2度目の必至だ。
然るに星野氏は△9五歩! これは▲9九飛で、勝敗が逆転してしまった。
星野氏、指し手の乱高下が激しすぎて、強いんだか弱いんだか分からない。

将棋は青年A氏の勝ちに終わり、私は△9三香の変化を述べる。
「あ、香があった!?」
と星野氏。直前に香が入ったことをうっかりしていたようだ。
時刻は午後5時をとうに過ぎており、残りの1局も終わったところで、将棋会はお開き。いよいよ飲み会である。
(つづく)
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1年ぶりの魚百・2

2018-11-21 00:50:03 | 将棋ペンクラブ
現在星野氏が空いていたが、私は休みとし、木村会長と指してもらうことにした。みんな将棋を指して、「将棋の日」にふさわしい。
Ohh-Ohno戦は派手な戦いになっている。振り飛車対居飛車の戦いらしかったが、金銀4枚で守るOhh陣は▲4七金-4八歩型なので意外に固くない。△3五桂と△5五桂が急所を衝き、Ohno氏がいいようだ。
そのOhno氏と私は昨年の懇親会で指した。何と私の二枚落ちで、中盤、私が△8七歩と角取りに叩き、▲7九角に△5六歩と桂を取れば勝勢だったのに、実戦は△7七桂とココセのような手を指して敗れた。
しかし今日の将棋を見るにOhno氏は相当な手練れで、とても私が二枚落として指す手合いではない。昨年のアレは何だったのだろう。
Ohh-Ohno戦は、Ohh氏が▲2八の銀を3九に引いたが、△2六歩が痛い。ここでOhh氏が投げた。

三上(氏だったと思う)-Kan戦は図。▲6三香に△8二銀が頑強な受けで、▲6二香成△9一銀▲4一銀に、Kan氏がじっと△3一玉と引き、勝勢となった。
8人目の客が来た。宮田敦史七段に似た、初見の青年である。これで偶数になったので、私が彼と指すことになった。
振駒で彼の先手。▲7六歩△3四歩▲2六歩△8四歩。横歩取りの将棋になったら、今度は△4五角戦法をやろうと思った。
▲7八金にも△3二金。こちらは横歩に誘導である。ここで青年は▲2二角成ときた。先手番での一手損角換わりで、どうにもこの戦型が指したいようだ。私は不慣れだが、もうそれで戦うよりない。
その後、お互いに右金をナナメに上がり、いまや旧型の形になった。先手番になった私は△6五歩と仕掛けたいが成算が持てず、△6三金と上がる。ついに青年が仕掛けた。

第1図以下の指し手。▲4五歩△同歩▲2四歩△同歩▲1五歩△同歩▲3五歩△4四銀▲2四飛△2三歩▲2八飛△1六歩▲3四歩△1七歩成▲4八飛△3六角(第2図)

▲4五歩はこう来るところだろう。続いて2筋と1筋の歩も突き捨てる。この順番が大事らしいが、私にはよく分からない。▲3五歩を△同歩はさすがにまずいのだろう。△4四銀と当たりを躱した。
青年は1歩を取って▲2八飛と引く。ここで△1六歩が私の指してみたかった手で、以前将棋ソフトにこれをやられて困った記憶がある。しかし本局は▲3四歩と取り込まれた上、△1七歩成にもふつうに▲4八飛と逃げられて、あまり効果がなかった。
△3六角は4五の地点に利かしたものだが、ほかに指す手が分からなかった。

第2図以下の指し手。▲3三歩成△同金▲2五角△5八角成▲同飛△3四歩▲3五歩△2四歩▲3四角△同金▲同歩(第3図)

軽く▲3三歩成が好手。対して△同桂は▲3四歩、△同銀は▲4五桂があるので△同金だが、▲2五角と合わされて困った。
対して△同角は▲同桂が金当たりで面白くない。勢い△5八角成と切ったが、直後に△3四歩の後手を引くので、これも面白くなかった。そこで▲4八飛がイヤで、そう指されたら△3五金か△4六金を指すつもりだった。
本譜、青年は▲3五歩と合わせてきたが、これも厳しい。△2四歩は一手の価値がないが、やはり最善手が分からなかった。

第3図以下の指し手。△8六歩▲同銀△4九角▲6八飛△2七角成▲2三金△4一玉▲2二歩△8八歩▲同玉△3七馬▲2一歩成△8四桂▲6七銀(第4図)

私は△8六歩。この辺で先手陣にも綾をつけとかないと、受け一方になってしまう。
▲8六同歩なら△8七歩ともたれておくつもりだったが、青年は▲同銀。そこで△4九角と打った。対して▲4八飛の逆先がイヤだが、△2七角成とし、次の△3七馬を見てどうか。本譜は▲6八飛だったが、それでも△2七角成とした。こちらはもう少し駒が欲しい。
そこで青年の▲2三金が決断の手だった。もちろん次の▲2二角狙いだが、それなら▲2三歩でも間に合ったと思う。
私は玉を早逃げし、お互い桂を取る。しかしこの折衝は、一手早く攻められる私に利があると思った。
△7六桂を防ぐ▲6七銀には、予定の手がある。

第4図以下の指し手。△6五歩▲7七銀△8五桂▲3三歩成△7七桂成▲同金△5九馬▲7八飛△6八銀▲3四角(第5図)

ここらあたりで、第9の客が来た。どこかで見たような青年……仮だがB氏である。彼は木村会長と指すことになった。
私は△6五歩。これは手ごたえがあった。対して▲同歩は△6六歩▲同銀△7六桂が厳しい。よって青年は▲7七銀と我慢したが、私は△8五桂とうれしい跳躍だ。
青年は▲3三歩成ときたが、ここは我慢ついでに▲8六銀と逃げる手もあったと思う。以下△6六歩なら▲8五銀△6七歩成▲同飛で、先手にも楽しみが多い。
数手後私は飛車の腹から銀を打ち、この将棋は負けられないと思った。
だが、▲3四角が意外に厳しかった。

第5図以下の指し手。△5一玉▲4三と△6二玉▲4四と△7七銀成▲同桂△6六歩▲5四と△同歩▲6五桂打△9六桂▲同香△6七歩成(第6図)

いきなり後手陣が狭くなり、このままではカナケを渡しにくい。△5一玉と早逃げしたが、当然▲4三とがきた。
捨て置けば▲5二と△同飛▲同角成△同玉▲2二飛△4二金▲3四桂のような手も見えて、これは見た目ほど後手が有利ではない。そこで△6二玉とまたも早逃げしたのだが、▲4四ととボロッと銀を取られたのは痛かった。
△7七銀成▲同桂のあと、△9六桂▲同香△8九金のような手も考えたが、さすがに不成立。私は目をつぶって△6六歩だが、▲5四とと2枚目の銀も取られて、これは負けにしたと思った。気分は急転直下である。
▲6五桂打。ここ▲6五桂と跳ねてくれれば馬筋が通ってまだしもだが、さすがにそんなココセはやってくれない。
ここで△7二金は戦力が落ちる上、▲8五桂打くらいでも自信がない。私は△9六桂と飛車筋を通し、△6七歩成の形作り。しかしこの将棋を負けるとは……と私は悔やむばかり。
ところが……。

(つづく)
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