一公の将棋雑記

将棋に関する雑記です。

「世界の将棋まつり2019」での出来事(前編)

2019-03-21 01:34:30 | 将棋イベント
「けやきカップ」の観戦を止めにしたので、「世界の将棋まつり2019」にお邪魔することにした。新宿で山手線に乗り換え、日暮里駅前のイベント広場に着いたのは午前11時43分だった。
このイベントは文字通り、世界のボードゲームが楽しめるものである。今年で3回目で、そろそろ認知度も上がってきただろう。前日にはテレビ東京「出没!アド街ック天国」で日暮里が取り上げられたこともあり、今日は多数の集客が期待できた。
だが広場の中は、思ったほどヒトがいない。その周りでは「にっぽりマルシェ」として、地元の名産品や食べ物が売られていたが、こちらも閑散としている。
広場奥には所司和晴七段の姿があり、その近くでは石田直裕五段が、ひとりの客と指導対局を行っていた。所司七段が中国象棋(シャンチー)の日本の第一人者である。
とりあえず受付に行くと、「大人500円、子供100円」という不穏な文字が掲げられていた。
私の主目的は指導対局で、今年の講師は石田五段のほか、渡辺弥生女流初段である。石田五段には昨年、この場で角落ちで教えていただいたが、私が中盤、▲6二成桂の好手を見落とし、いい将棋を負けた。そしてその1ヶ月後の「シモキタ名人戦」では、運よく再戦の機会に恵まれ、この時は緩めていただいた。
渡辺女流初段には、9年前の「女流棋士スーパーサロン」、5年前の将棋ペンクラブ交流会で教えていただいた。渡辺女流初段は東大に2回受かっている才女で、学歴にひれ伏す私としては、彼女こそ理想の女流棋士なのである。
なお昨年、一昨年と石井健太郎五段が登板していたが、今年はいないようだ。昨年は順位戦C級2組で頭ハネを喰らった直後で、私も慰めようがなかった記憶があるが、今年はくさらず勝ち星を集め、見事C級1組に昇級した。。今年こそお祝いを述べたかったのだが、いないものはしょうがない。
受付の数字を無視して次の指導対局を聞くと、2時からとのことである。
隅のブースに藤田麻衣子さんの姿を見つけたので、挨拶に行った。
「あらあー、大沢さんを毎年見てる気がするけど」
その通り、私は毎年来ている。
「また指導対局を受けようと思いまして」
「午前中にあったけど、ほとんど人がいなくて」
それは淋しいことだが、午後になれば増えるだろう。
私は挨拶を済ませたら、もうやることがなくなってしまった。
広場では中国象棋、どうぶつしょうぎ、チェス、チャンギ、オセロなどが行われているが、観客の伸びはいまひとつ。チェスクロックらしきものを使っているところもあって、いま一勝負終わったところだ。「ぐあー、4勝3敗か!」などと言っている。あのチェスクロックが最近ネットで見た最新式で、ずいぶん高さが低い。しかし対局者に聞くと、押しづらくはない、とのことだった。
すると場内放送があった。
「大人500円、子供100円、スタンプラリーでスタンプを4つ集めると……藤田麻衣子さんが来ています。藤田さんはどうぶつしょうぎの原作者で……」
とか言っている。藤田麻衣子さんが何かをしゃべっていたが、私はとりあえず広場を離れ、西日暮里駅前にある叔父の墓へ行った。松戸の祖父母の墓参りには行かなくとも、そちらには行くのだ。
日暮里駅前に戻ってきたが、まだ時間がある。隣接する高層ビルの2階に松屋があるので、牛丼を食べた。松屋の牛丼には、焼肉のタレを掛けると美味くなる、という話を聞いたので実行したが、タレが甘めで、美味くなっているとは思えなかった。
広場に戻る。受付であの値段のことを聞くと、やはりスタンプラリー形式で、4つゲームを楽しめば、何かの抽選を受けられるらしかった。
これは強制なのかと聞くと、入場料として払っていただきたいという。それなら従うよりないが、500円は痛い。それなりの見返りはあるんだろうね?
なお指導対局には別料金2,000円がかかり、その受付は午後1時からとのことだった。
広場の一隅では、ちびっこどうぶつしょうぎの決勝戦が行われていた。駒がクッションになっていて、小さい女の子が跳ねながらクッションを動かしている。形勢は3歳くらいの赤の女の子がよく、厚みで押している。どうぶつしょうぎで「厚み」も変だが、この程度のスペースでも生じるのだと知った。
局面は、■C2ゾウ、まで赤の女の子の勝ち。ところが相手の子が詰みが分からず、□C1ひよこ、と打った。赤の女の子は、■B1ゾウ、とライオンを取り、終了(正式な詰め上がり図は、■A3ひよこ・B2ゾウ・C2ゾウ・C3ライオン、□A1キリン・B1ライオン・持駒・キリン、ひよこ)。
勝利者インタビューである。
「わたしはまえからどうぶつしょうぎをやっていたので、わたしがかつとおもいました」
に、周りの大人は苦笑。何だか加藤一二三九段のような回答であった。
もう1時を過ぎているが、指導対局の申込みはもっと後でもいい。
私はスタッフにお願いして、どうぶつしょうぎを一局やる。とにかくスタンプを4つ集めなければならない。
じゃんけんで勝って私の先手。どうぶつしょうぎは後手有利と聞いたことがあるが、どうなのだろう。
序盤、相手の□B2ひよこに私が■C4ゾウ、と引いたら、相手が考え込んでしまった。これが自分でも気づかなかった妙手で、後手は動きがつかない。ひよこを進めるしかないのだが、それは■同ゾウで先手優勢。
以下私優勢のまま終盤に進んだが、■A2ライオン、□B1キリンの局面で、私が■A3ライオン、と引いたのが疑問手。ここは■A1キリンと打てば、□同キリンは■同ライオンで先手勝ちだった。トライルールがあるのを失念していた。
もっとも最後は私がにわとりを作り、相手ライオンを詰まして勝ち。
カードにハンコを捺してもらったが、よく見たら、相手の名前、競業名、勝敗を書く欄がある。あと氏名も書かねばならない。それで、人のいないテーブルで競技名を書く。すると、
「ほらぁそこ邪魔邪魔、どいて!!」
と、どこからか怒鳴られ、私は困惑した。
(つづく)
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