勝者はつるの・かりんペアとなり、予想正解者には「つるの剛士イラスト入りクリアファイル」が渡された。私は外したが、第1局でもらったからいい。
続いて、5人によるミニトークショーとなった。舞台向かって右から戸辺誠七段、竹俣紅女流初段、ザブングル・加藤歩氏、乃木坂46・伊藤かりんさん、つるの氏、MCの女性が着座する。風は相変わらず強く、竹俣女流初段の髪は激しく乱れ、頬に絡みついている。また私たちには、西日がかなりキツい。出演者の顔も陰になってしまっている。
まずMCの女性が、つるの氏らにこのイベントを始めた理由を聞く。
「江の島の頂上で将棋をやるって、いい感じじゃないですか。皆さんに将棋の楽しさを知ってもらおうと思って!」
戸辺七段「天童などでは人間将棋があるんですが、それを江の島でやろうよ、と」
MCの女性「このイベントでは将棋のイメージが定着してきましたネ」
かりんさん「江の島将棋は朝が早いので、私はドスッピンなんですよ。だから前列の人との対面が恥ずかしい!」
いや、「かりん党」にはそれが堪らないのである。
MCが竹俣女流初段に、将棋を始めたキッカケを聞く。
竹俣女流初段「私は6歳のころ、近所の本屋で将棋の本を見て、駒に漢字が書いてあるのが面白いと思い、始めました」
つるの氏は、「ボクが初めて紅ちゃんを見た時は、こんな小さな小学生だったのに……」と感慨深げだ。
竹俣女流初段「今日は風が強かったけど、青空が綺麗で素晴らしかった」
つるの氏「加藤君とはテレビの企画で指してたんで、指しやすかった。でも今日はボクが負けちゃったからね。ホントに来年も来てよー、忙しいと思うけどさ」
加藤氏「ボクらにとっては、『目指せつるのさん』なんですよ」
つるの氏「いやいや、もう、控室で戸辺先生にいろいろ指摘されてさあ」
戸辺七段「そうですね、つるのさんもいい手が多かったけど、今日は、ちょっと……という手もあったかな」
つるの氏はうなだれるばかりである。
かりんさん「今回は、同じ振り飛車党でよかったなと思いました。戸辺門下なので、(ペアの)攻めが一貫していました。これが木村一基九段門下だったら受けばかりになっていました」
かりんさん、マニアックなコメントで笑わせる。
加藤氏「でもかりんちゃん、本当に強くなりましたよ。5年前からは見違えるような強さです」
かりんさん「お陰さまで、将棋フォーカスで4年間習ってきましたから」
加藤氏「いやホント、かりんちゃんが女流棋士に見えましたよ」
将棋フォーカスのMCは4月から、同じ乃木坂46の向井葉月さんになるという。
かりんさん「向井がMCになったから、将棋を指せる人が増えてうれしいです。来年は2人でここに来られたらと思います」
戸辺七段「私たち棋士は将棋を見てもらうのが仕事ですけど、最近は『観る将』や『将棋めし』という言葉があるように、指し将棋以外の部分も楽しんでもらうことが大切だと思います」
現在は棋士間で「詰将棋カラオケ」なるものも流行っているという。カラオケを歌っている間に詰将棋が出題され、歌い手は同時にそれも解かなければならない。歌と詰将棋、2つの採点が楽しめるらしい。
「みろく庵がなくなっちゃうんでしょう」
とつるの氏が話題を変える。「みろく庵」は千駄ヶ谷駅前にある和食処で、関東の棋士御用達だ。私も将棋ペンクラブの打ち上げでお邪魔したことがあるが、蕎麦が香り高く美味かった。今月いっぱいでの閉店が確定しており、棋士のショックは大きいのだ。
また話が変わり、竹俣女流初段は対局の前に、願掛けの意味で肉を食べるらしい。
今は将棋を指す女性が増えましたね、とMCが水を向ける。
竹俣女流初段「昔は大会で100人出場すると、女子は1~2人でした」
今は女子がかなりの割合を占めているのだろう。
しかし竹俣女流初段も今月で棋士を引退・退会する。以前も少し書いたが、竹俣女流初段のこの決断が、凡人にはさっぱり分からぬ。だがここでその話題はタブーなのだろう。
つるの氏、加藤氏は子供さんに将棋を教えるのか? という話になる。
加藤氏の子供は「見込みがない」とかで、もう教えてないらしい。つるの家も似たようなものだが、どうも娘さんはいくらか脈があるようなことを語っていた。いずれにしても、チョンガーの私には、別世界での話である。
以上、トークショーが終わった。が、まだお楽しみはあって、ここからじゃんけん大会があるらしい。賞品はつるの氏以下主演者5名のサイン入り色紙……など、5人に当たるようだ。
竹俣女流初段以下、順番に戦う。私は1回戦は勝ったが、2回戦で負けて、終わり。3回戦終了時で早くも10人前後になり、激戦が繰り広げられた。
最後は2人のうちのどちらかが賞品ゲットとなったが、成人男性が棄権して、中学生がゲットした。私だったら死に物狂いで獲りにいったはずで、成人男性の配慮には敬意を表した。
これにて全行程は終了。つるの氏と加藤氏はさすがに芸能人で、お客を喜ばす術をよく心得ていると感じた。どの世界でも専門家は一味違うのだ。
戸辺七段の解説は軽快で、場を盛り上げた。疑問手の類には極力触れず、好手を褒める姿勢にも好感が持てた。
竹俣女流初段、かりんさんはひたすら綺麗だった。
このイベントは来年も開催されるようなので、またお邪魔できればうれしい。ただ、1年後の自分を想像すると恐ろしく、狂いだしそうではある。
(おわり)
続いて、5人によるミニトークショーとなった。舞台向かって右から戸辺誠七段、竹俣紅女流初段、ザブングル・加藤歩氏、乃木坂46・伊藤かりんさん、つるの氏、MCの女性が着座する。風は相変わらず強く、竹俣女流初段の髪は激しく乱れ、頬に絡みついている。また私たちには、西日がかなりキツい。出演者の顔も陰になってしまっている。
まずMCの女性が、つるの氏らにこのイベントを始めた理由を聞く。
「江の島の頂上で将棋をやるって、いい感じじゃないですか。皆さんに将棋の楽しさを知ってもらおうと思って!」
戸辺七段「天童などでは人間将棋があるんですが、それを江の島でやろうよ、と」
MCの女性「このイベントでは将棋のイメージが定着してきましたネ」
かりんさん「江の島将棋は朝が早いので、私はドスッピンなんですよ。だから前列の人との対面が恥ずかしい!」
いや、「かりん党」にはそれが堪らないのである。
MCが竹俣女流初段に、将棋を始めたキッカケを聞く。
竹俣女流初段「私は6歳のころ、近所の本屋で将棋の本を見て、駒に漢字が書いてあるのが面白いと思い、始めました」
つるの氏は、「ボクが初めて紅ちゃんを見た時は、こんな小さな小学生だったのに……」と感慨深げだ。
竹俣女流初段「今日は風が強かったけど、青空が綺麗で素晴らしかった」
つるの氏「加藤君とはテレビの企画で指してたんで、指しやすかった。でも今日はボクが負けちゃったからね。ホントに来年も来てよー、忙しいと思うけどさ」
加藤氏「ボクらにとっては、『目指せつるのさん』なんですよ」
つるの氏「いやいや、もう、控室で戸辺先生にいろいろ指摘されてさあ」
戸辺七段「そうですね、つるのさんもいい手が多かったけど、今日は、ちょっと……という手もあったかな」
つるの氏はうなだれるばかりである。
かりんさん「今回は、同じ振り飛車党でよかったなと思いました。戸辺門下なので、(ペアの)攻めが一貫していました。これが木村一基九段門下だったら受けばかりになっていました」
かりんさん、マニアックなコメントで笑わせる。
加藤氏「でもかりんちゃん、本当に強くなりましたよ。5年前からは見違えるような強さです」
かりんさん「お陰さまで、将棋フォーカスで4年間習ってきましたから」
加藤氏「いやホント、かりんちゃんが女流棋士に見えましたよ」
将棋フォーカスのMCは4月から、同じ乃木坂46の向井葉月さんになるという。
かりんさん「向井がMCになったから、将棋を指せる人が増えてうれしいです。来年は2人でここに来られたらと思います」
戸辺七段「私たち棋士は将棋を見てもらうのが仕事ですけど、最近は『観る将』や『将棋めし』という言葉があるように、指し将棋以外の部分も楽しんでもらうことが大切だと思います」
現在は棋士間で「詰将棋カラオケ」なるものも流行っているという。カラオケを歌っている間に詰将棋が出題され、歌い手は同時にそれも解かなければならない。歌と詰将棋、2つの採点が楽しめるらしい。
「みろく庵がなくなっちゃうんでしょう」
とつるの氏が話題を変える。「みろく庵」は千駄ヶ谷駅前にある和食処で、関東の棋士御用達だ。私も将棋ペンクラブの打ち上げでお邪魔したことがあるが、蕎麦が香り高く美味かった。今月いっぱいでの閉店が確定しており、棋士のショックは大きいのだ。
また話が変わり、竹俣女流初段は対局の前に、願掛けの意味で肉を食べるらしい。
今は将棋を指す女性が増えましたね、とMCが水を向ける。
竹俣女流初段「昔は大会で100人出場すると、女子は1~2人でした」
今は女子がかなりの割合を占めているのだろう。
しかし竹俣女流初段も今月で棋士を引退・退会する。以前も少し書いたが、竹俣女流初段のこの決断が、凡人にはさっぱり分からぬ。だがここでその話題はタブーなのだろう。
つるの氏、加藤氏は子供さんに将棋を教えるのか? という話になる。
加藤氏の子供は「見込みがない」とかで、もう教えてないらしい。つるの家も似たようなものだが、どうも娘さんはいくらか脈があるようなことを語っていた。いずれにしても、チョンガーの私には、別世界での話である。
以上、トークショーが終わった。が、まだお楽しみはあって、ここからじゃんけん大会があるらしい。賞品はつるの氏以下主演者5名のサイン入り色紙……など、5人に当たるようだ。
竹俣女流初段以下、順番に戦う。私は1回戦は勝ったが、2回戦で負けて、終わり。3回戦終了時で早くも10人前後になり、激戦が繰り広げられた。
最後は2人のうちのどちらかが賞品ゲットとなったが、成人男性が棄権して、中学生がゲットした。私だったら死に物狂いで獲りにいったはずで、成人男性の配慮には敬意を表した。
これにて全行程は終了。つるの氏と加藤氏はさすがに芸能人で、お客を喜ばす術をよく心得ていると感じた。どの世界でも専門家は一味違うのだ。
戸辺七段の解説は軽快で、場を盛り上げた。疑問手の類には極力触れず、好手を褒める姿勢にも好感が持てた。
竹俣女流初段、かりんさんはひたすら綺麗だった。
このイベントは来年も開催されるようなので、またお邪魔できればうれしい。ただ、1年後の自分を想像すると恐ろしく、狂いだしそうではある。
(おわり)