付け焼き刃の覚え書き

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「屍天使学院は水没せり~浪漫探偵・朱月宵三郎」 新城カズマ 

2008-05-11 | 本屋・図書館・愛書家
「探偵にとっての関心事は、論理的かどうかであって、現実的かどうかではないのだよ」
 世界を一変させた浪漫探偵・朱月宵三郎の言葉。この言葉に象徴されるように、あくまで本格ミステリでありながら、一般の常識に囚われていてはこの謎の真相に近づくことなどできはしないのです……。

 聖クラリッサ学院に転入してきた少女・深草真夜の周囲に起きる恐ろしい事件の数々。その彼女を守るために現れた浪漫探偵・朱月宵三郎は、これこそ怪人<夕闇男爵>の仕業であると告げた。機巧騎士ブラン・マクハイン、リヨンの悪魔書記官ギゾー・ド・ラ・ルース、原始少女ジュジュ、屋根の上のシモン、魔術師<黒手袋>、ルミエール親方……かつて真夜の祖父が書物の世界に封印した怪人たちが、この21世紀の世に復活したというのだ。
 
 現代社会に蘇ったレトロな怪人たちに狙われる少女を護る、レトロな探偵の冒険譚。全編レトロ調な中、主人公の少女とその友人はしっかり現代っ子。このあたりの雰囲気やギャップの描写が中途半端だと物語全体が空回りしちゃうんだけれど、そのあたりしっかり描かれているので楽しんで読めます。
 個人的には次々と登場する怪人の名前を読み上げていくだけで燃えちゃうんですけどね。

【屍天使学院は水没せり】【浪漫探偵・朱月宵三郎】【新城カズマ】【読者への挑戦】【著作権法】【無限図書館】
コメント
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