付け焼き刃の覚え書き

 本や映画についての感想とかゲームの覚え書きとかあれこれ。(無記名コメントはご遠慮ください)

「エンブレム・オブ・ガンダム」 ニンテンドーDS用

2008-05-04 | 巨大ロボット
「ジオンもまたいで通る」

 DS用のガンダムゲームの新作。
 ガンダム世界の歴史を通史で体験したいけれど、「ギレンの野望」は大作で複雑すぎるし、シューティングは反射神経が付いていかないという人にお勧め……はい、私は大いに愉しんでます……。
 ただし、これはガンダム世界の歴史を検証するゲームなので、大きな歴史改変はありません。まあ、ポイント貯めて、序盤からセイラさんに頑張ってもらうとか、バニング大尉に陸戦ジムを率いてホワイトベース隊の援護に回ってもらうくらいはできます。そして、途中の選択肢の分岐で、誰を中心にしたエピソードを体験するかが代わっていくというもの。

 ただ、セリフはほとんど原作ままなんだけれど、それ以外の語りの文が歴史小説風。
 といいつつ、制作スタッフである芝村組のテイストがふんだんにかかっているので、司馬遼太郎が秋山兄弟や坂本龍馬を語るのとも、塩野七生がカエサルやチェーザレ・ボルジアを語るのとも、田中芳樹がラインハルトやヤン・ウェンリーを語るのとも違い、芝村裕吏が『リターン・トゥ・ガンパレード』で芝村舞や速水厚志を語るような口調で、アムロ・レイやブライト・ノアに言及していたりします。
 「アムロ」ではなく「白のアッちゃん」と呼びたくなるし、第08小隊編を読んでいて、モビルスーツって人型戦車なんだねえとか。わかる人にはこれでわかる。嫁さんに言わせると、「アムロは頑張って努力して龍になったトカゲなんだねえ」とのこと。同感。

 あの『リターン・トゥ・ガンパレード』あたりの言い回しが大好きな人には福音。でも、あの文章嫌いとか、純粋なゲームだけを求めている人は警戒した方がいいね。とにかく、今までとは別の視点でアムロやシャアやジャブローや宇宙植民について語られるのを読みたい人向け。

 ゲーム攻略的には、最初に1ターンを消費しても良いから、全部隊を再編し、すべてキャラ付きにすること。ACEのいないアイドレス部隊がオーマに蹂躙されるようなはめになるから、ハヤトでもいいからキャラをつける(ただしハヤトは戦闘したら必ず逃げ帰るのが属性だから、使えるようになるまでが鬱陶しい)。
 敵にランバ・ラルやシャアが出てきた日には、キャラ無し部隊は何十個あっても足りません。いや、1部隊1機でザコ部隊をうじゃと使って敵の燃料をムダに消費させ、補給切れで戦闘力50%を狙うのも手だけれど、序盤はそこまでユニットに余裕ないし……。
 そして、間違ってもキャラを裸単騎にしないこと。なんでもいいから、複数ユニットで編成すること。まあ、ガルマ戦あたりからブライトとミライを組ませて防御に徹すれば、クリティカルを食らわない限り、ホワイトベース1艦で戦線は支えられるようになります。あとは余裕が出てきたら、ホワイトベースにフライマンタあたりをスタックさせれば盤石。

【DS】【リタガン】
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「虹竜娘子~月亮の天使」 松下寿治

2008-05-04 | ヒロイックファンタジー・ハイファンタジー
 突如として天界に起こった叛乱は瞬く間に拡大し、鎮圧に派遣された天軍はことごとく返り討ちに遭い、反乱軍の勢いはとどまることを知らず。
 この未曾有の事態に崑崙の西王母は九天玄女率いる女仙の軍を派遣した。彼女らに与えられた使命は、天廷軍が敵を足止めしている間に反乱軍の首魁である炎帝を討てというものだったのだが、留守番を言いつけられていた半熟仙女の緑雨が功を焦って戦地に飛び込んでしまう……。

 ライトノベル的な軽さにあつらえてあるけれど、中身は正統派の神仙伝奇小説。『水滸伝』の人肉饅頭ではないけれど脳漿が飛び散るようなグロさ、ダメよダメよといいつつみんな色欲から転落人生とか、そういうエログロが適当に振りかけられた剣や術の応酬ってのが醍醐味なんだけれども、そういう要素をうまく取り入れて構成してますね。羿(げい)とか嫦娥(じょうが)とか、『ブラッドオペラ』を遊んでいた者には懐かしい名前もちらほら。
 あえて、欲をいうなら、主役の緑雨娘娘にもうちょっと魅力が欲しかったかな。まだ「ただの無理無茶無謀な半熟仙女」の型を飛び出してない気がします。まあ、序章ともいうべき巻なので、ここから面白くなるのでしょうが、2003年以来続刊がないのが残念。

【虹竜娘子~月亮の天使】【松下寿治】【騎崎サブゼロ】【富士見ファンタジア文庫】【新感覚中華風ファンタジー】【陰陽路】【崑崙】【聖女】
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