付け焼き刃の覚え書き

 本や映画についての感想とかゲームの覚え書きとかあれこれ。(無記名コメントはご遠慮ください)

「謎の宝の地図~マーベラス・ツインズ(1)」 古龍 

2008-05-27 | 時代・歴史・武侠小説
 中国小説マニアには「古龍をラノベ扱いするなんて!」と不評だけれど、ぼくは中国小説マニアじゃないから平気。藤田香のイラストは好きだから、それだけでも買いよ。老若男女をきちんと描き分けた“イラスト”を描ける人だから、間口を広げるという意味では適任です。まあ、古龍はハードボイルドな雰囲気で人気を得ている作家なので、なおさら反発が大きいのかな。

 天下に轟く十大悪人のうちの5人が集まる崑崙山の悪人谷。そこで極悪人たちに育てられ、拳法から盗みの技まで叩き込まれた14歳の少年・小魚児が旅に出た。
 その小魚児が旅に出て早々に出会った少年・鉄心男は、小仙女という女に追われているらしい。好奇心を抑えきれずに関わってしまったことから、鉄心男の隠し持つ宝の地図の争奪戦に巻き込まれてしまうのだが……。

「あなたの心は……犬にでも食べられちゃったの?」
「大当たり」

 いきなりピカレスク・ロマン……いや、悪漢小説です。
 良くも悪くも人を引きつける魅力を持つ小魚児は、武術の腕も立つけれど、なにより世界一の天才を自称するだけあって、頭も良いし口も上手い。むしろ度胸と口先三寸で、敵を倒し、物を盗み、逃走し、相手が美少女だろうと何だろうと、容赦なく張り倒し、罠にかけていきます。
 そのせいか、彼の行く手には、さまざまな武術の達人や悪漢たちから、戦馬にまたがって鞭を振るう小仙女、暗器を自由自在に使いこなす一族の末娘・慕容九妹など、悲しみにくれたり逆に彼を殺そうとする美女・美少女まで続々と立ちふさがり、隠された財宝を巡って壮絶な殺しあいを繰り広げていきます。
 このテンポの良さと主人公の卑劣っぷりが好きですね。

【古龍】【マーベラス・ツインズ】【実は女】【実は双子】【十大悪人】【ツンデレ】
コメント
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