付け焼き刃の覚え書き

 本や映画についての感想とかゲームの覚え書きとかあれこれ。(無記名コメントはご遠慮ください)

「ハヤテのごとく! 春休みの白皇学院に、幻の三千院ナギを見た byハヤテ」 築地俊彦・畑健二郎

2007-12-19 | 学園小説(不思議や超科学なし)
 確かに畑健二郎の「ハヤテのごとく!」ですね。その築地俊彦による小説版。オリジナルのコミック版が好きな人ならOK。連載の方を読んでいないと時系列とかネタでちょっとわからないとことかあるかも。でも、まあ話として面白いから細かいことは気にしない。
 ただ、書いている人の趣向と知識が違うんで、ネタの走る方向が違うところが気になる人は気になるかな。それを「違う!」と思うか、「それもまたよし」とするかで人間の度量が計れます。アニメになって絵柄が違うと怒ったり、声が自分の脳内声優と違うと不満をたれる人もいますからね。
 具体的には、エヴァ・ネタとかギャルゲー・ネタが減って、ガンダムとミリタリー系ネタが目立っているというあたり。いろんなネタを拾って傾向分析するも面白そう。

【ガンダム】
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「邪神迷宮~魔界都市ガイド鬼録」 菊地秀行 

2007-12-19 | ホラー・伝奇・妖怪小説
 魔界都市の新作でクトゥルフもの。そして主人公は魔界都市のどこでも連れて行くというナンバーワン・ガイドの外道棒八、そして彼の息子だと言い張る謎の少年、護衛に付く美人警官3人組。しかしながら、当然のように『妖神グルメ』の後日譚でもありますので、ときには外道の敵、またあるときは味方として常に姿を現すのがイカモノ料理の天才・内原富手夫。腐りかけの野菜くずや飛んでいる蠅などを使って究極の美味を作り出す男。
 この外道と内原、さらにさまざまな勢力が入り乱れて争奪を繰り広げるのが邪神復活の鍵、無名祭祀書……って、1冊に盛り込みすぎでピントがボケてしまった感もあり(登場キャラに大物が多すぎ!)、なんというかダーレスみたい。まあ『妖神グルメ2』と思えば良いか。魔界都市の新作というより『妖神グルメ』の続編を書くのに、舞台がそこしかなかったという感じです。
 個人的には、飲み屋でインスマス顔を撃ち倒した警官とか、地下迷宮の番人とか、そういう人物に焦点を当てた連作短編集の方がしっくり来たかな。

【邪神迷宮】【魔界都市ガイド鬼録】【菊地秀行】【魔界都市】【クトゥルフ】【グルメ】【地下遺跡】
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「ハルカ 天空の邪馬台国」 桝田省治

2007-12-18 | 日常の不思議・エブリデイ・マジック
 懐かしの和風RPGのヒット作「天外魔境」続編のコンセプトを活かし、新たに再構築されたのが『ハルカ 天空の邪馬台国』。

 どこにでもいそうな高校生・張政が停学中に潜り込んだ蔵でみつけた銅鏡からの呼びかけに応えたばかりに、時空を飛び越え遙か太古の日本へと飛ばされる。
 彼を呼び出したのは邪馬台国の巫女ハルカ。そして女王卑弥呼。邪馬台国はおりしも存亡の危機を向かえており、張政は救国の英雄として呼び出されたというのだ。敵は「一大率」。本来は邪馬台国の民を管理監督する役目の組織であったはずが、いつしか殺戮によって邪馬台国を支配せんとするようになっていたのだ。
 とはいうものの、ハルカも卑弥呼も張政が本当の救世主だなどとは信じていなかった。ただ劣勢にあえぐ味方の士気を高めるためのカリスマを演じられる人間であれば良かったのだ。
 けれども張政は抜いてしまった。天の逆鉾を。勇者のみが使うことができるという伝説の矛を抜いてしまったのだ!
 とはいえ、やはり張政は訓練も受けていない凡人。戦力として期待されないまま戦端が開かれるのだが……。

 勇者の自覚もなく、周囲から期待もされていない張政が、やむにやまれぬまま(主にハルカを護るために)戦い続けていくうちに次第に戦士として目覚めていくのだが、彼の周囲に見え隠れする行方不明の祖父の影。そしてまだ戦いに決着がつかないうちに、張政は現代へと引き戻されてしまう。
 過去と現代を行き来するうちに明らかになっていく祖父の正体、そして敵の正体とは?
 正統派の、少女に出逢って少年は目覚めるというタイプのお話。いろいろな魅力的なキャラが登場するが、ほとんどワンポイントで舞台から退場していくのが残念。奴国の王女花連はまだしっかり出番があった方だけれど、辰実と辰穂の姉妹はちょっと読者的に暴れたりない、見せ場が欲しい。続編で活躍してくれることを期待してます。

【ハルカ】【天空の邪馬台国】【桝田省治】【佐嶋真実】【ボーイ・ミーツ・ガール】【時空転移】【徐福】【逆矛】【卑弥呼】
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「黒の碑」 ロバート・E・ ハワード

2007-12-18 | ホラー・伝奇・妖怪小説
 ヒロイック・ファンタジーの代名詞『コナン・ザ・バーバリアン』で知られるハワードの作風は、荒々しい中にも暗く隠微な影を覗かせていること。妖しい美女、怪しい怪物。それは彼と親交が深く、ハワードが時として師とも仰いだ怪奇小説家ハワード・P・ラブクラフトの影響なのかも知れません。
 『黒の碑』は、そんなハワードの作品の中から、ラブクラフトのクトゥルフ神話色が強い短編を集めたもの。クトゥルー神話譚ということになっていますが、まあ、そこまで神話にしちゃうかい?というものも入ってますが面白い作品集ではあります。
 しかし、なんといっても「キンメリアのコナン」のハワードですから、登場する異形のモノたちの多くは恐ろしくはあるものの、銃と剣で倒すことができる相手です。なんか「鉛玉で退治しちゃっていいんかい!?」と思うくらい。ときに恐ろしく、ときに妖しいけれど、装備を整えた剛胆な冒険者ならなんとかしちゃうという、どちらかといえばTRPGのシナリオに向いていそうな話でした。

 すべて投げっぱなしで「来るなら来い!」の『黒の碑』とか、地の底の邪神その他をまとめて相手にする『妖蛆の谷』、クトゥルフっぽい展開ながら最後はやっぱり銃で決着が付く『鳩は地獄から来る』あたりが好みかな。他もなかなか面白い作品ばかり。似たようなモチーフの作品が収録されているのは仕方のないことで、むしろその料理法の違いを楽しみたいですね。

【黒の碑】【ロバート・E・ ハワード】【不死】【ゾンビ】【転生】【クトゥルー】【コナン】【保安官】
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「父の仕事を継ぐ 自分の味をつくる」 陳建一

2007-12-18 | 伝記・ノンフィクション
 料理の鉄人、中華料理の陳建一自らが語る半生記。
 『父の仕事を継ぐ 自分の味をつくる』は、岩波ジュニア新書だけあって、同じ職業に就いた親と子の関係にポイントを置いてあります。今は小学校でも「お父さんたちに仕事の話を聞く」なんて授業もあるのですが、そんな感じで生い立ちから料理の道に進んだ経緯、職場での親子関係の困惑から抜け出そうと努力したこと、『料理の鉄人』に出たことで1つ吹っ切れたものがあることなど、厳しいけれど、常に明るく楽しく前向きで頑張ろうという著者の姿勢が見えて読んでいて楽しいし元気になります。
 もともと伝記とか自伝とか回想録とか好きなんですけども、これも子供に読ませたい1冊です。

【父の仕事を継ぐ 自分の味をつくる】【陳建一】【料理の鉄人】【家業】【陳建民】
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「寿司屋のかみさんと総理大臣 内緒の話」 佐川芳枝

2007-12-17 | 食・料理
 寿司屋にとってはあたりまえの盛り合わせ方や値段の付け方の謎について、夫には「そんなこと面白くもない」と言われつつ、本を書いてみたら思いのほか売れてしまった女将さん。その彼女の元に届いた読書カードに、ちょっと気になる1枚があった。緊張感を強いられる激務の間の気分転換に読んだらしい。

 『職業・内閣総理大臣』

 それが町の小さな寿司屋・名登利寿司と内閣総理大臣・橋本龍太郎とのおつきあいの始まりだった……。

 橋本元総理の読者カードが届いた日から亡くなったその後のことまでを、「橋本さん」を中心とした常連客たちとのエピソードを中心に書きつづった1冊。単なる交友録とか有名人との自慢話などではなく、楽しげな日々を四季折々の寿司ネタの紹介と共に描き出している、読んでいて思わず寿司を食べに行きたくなる本です。確かに、こんな女将さんのメールをアフリカで受け取った日にゃ、寿司を食べたくて悶絶もするでしょうよ。
 しかし、タイトルが『寿司屋のかみさんと総理大臣 内緒の話』というように、お客さんとの内緒の話を活字にしちゃっていいの!?と思わないでもありませんが、自分のことを話題にされるのが好きな人だったらしいから問題ないんでしょうね。
 しかし現役総理時代に来店したときのSPの念入りさだけでも一読の価値有りかな。

【寿司屋のかみさんと総理大臣 内緒の話】【佐川芳枝】【寿司】【内閣総理大臣】【SP】
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「幻翼の栄光」 内田弘樹

2007-12-17 | 架空戦記・仮想戦史
 架空戦記『幻翼の栄光』を読了。面白かった。

 ぼくはメカマニアではなく、史実考証家でもない。好きなメカといえば鬼面戦車とハウルの動く城と言いかねない人間だ。なので、実際登場する機体の数々が書かれているような活躍ができるのかとか、それを登場させたいという思い入れとかはあまり分からない。
 でも面白く読めた。
 前田少佐の存在も最大のIFとして素直に受け入れた。普通だったらあり得ないかもしれないが、「普通」しかダメなら架空戦記なんか読めない。この程度、戦艦大和のタイムスリップとか、長嶋巨人軍が関ヶ原に戦車で乗り付けたり、孔明の霊が降りてきたりすることに比べれば、「そういうケースももしかしたらあり得たかもしれない」という範疇。比較の例が悪すぎるかもしれないけど、極端な例を出したということでご勘弁を。別に「皇帝ニコライ二世の息子アレクセイが血友病でなかったら」と同じ程度の話です。世の中、第三者の目からは信じがたい人事の例は幾らでもあります。
 ただ問題は、その主人公に読者が思い入れしにくいということ。冷徹非情なキャラが「中心部」にいるのはいいけれど、「中心点」だとちょっと辛い。
 やはり主人公は読者がついていきたくなるキャラであって欲しいです。

【夜戦ジェット戦闘機】【東京大空襲】【烈風】【秋水】【震電】【橘花】
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「エリアル 01」 笹本祐一

2007-12-16 | 巨大ロボット
 うーん、買わざるなるまい!? ……そんな感じで新装版、『ARIEL』の1巻2巻の新書合本を購入。
 まあ、ソノラマが潰れ、救われた何作品かは朝日新聞社から新書で復刊されているわけですが、この『ARIEL』に至っては、約80ページの新作短編『はじめて歩いた日』が掲載されているからマスト買えだし、イラストは全部差し替えなもんで旧文庫も手放せないよー。イラストも、新書は少なめの上にオルクスの巨体とかないし。

 はじめて買ったのは高校生の頃だったかな。
 行きつけの本屋の店頭で、全領域要撃/支援……なんて名前のついた戦闘兵器にエリアルなんて可愛い名前がついて、その上に身長40mの美少女型ロボットという設定に受けまくったのは、もう懐かしい思い出。
 天才科学者が建造し、その孫娘たちが操縦する巨大ロボットが、宇宙からの侵略者に立ち向かう……という、きわめてありきたりなロボットアニメのシチュエーションを、コミカルなタッチで描きながらも設定はリアル。で、侵略に右往左往する世界の大国とか、政略とか予算とかミリタリー部分をしっかり描くことでますますコメディ部分が引き立つんだよね。もちろん、恒星間を渡って侵略してくる異星人のテクノロジーには技術的に(主役メカも含めて)地球人にはとうてい太刀打ちできない……という大前提が斬新にして秀逸。
 いかに竹槍でBー29を撃墜するかという話かも。

【エリアル】【笹本祐一】【美少女】【美形】【マッドサイエンティスト】
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「ボクのセカイをまもるヒト」 谷川流

2007-12-16 | 学園小説(不思議や超科学あり)
「だいたい教育って言葉もどうかと思うのよね。育てるのを教えるってどういうことなのかと思うわ。植物をごらんなさい。勝手に成長するじゃないの。人間が草花に負けるってどういうことよ。だから、わたしはね、あんたたちに水と肥料をあげるだけなの。育ち方なんて自分で勝手にやりなさい。好きなように育てばいいわ。綺麗な花になれば摘み取られる。醜ければ放っておかれる。それだけのことよ」
 高校1年の世界史で、サラミス海戦からカンネーの戦いまで戦史ばかり教える社会科教師、朝凪津波の言葉。

 「ツンデレ」から「妹」まで、もう型にはめたような萌えキャラが登場する作品。ここまでパターンだといっそすがすがしい。文章や話の運びも上手いしね。

【ボクのセカイをまもるヒト】【谷川流】
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「クジラのソラ04」 瀬尾つかさ

2007-12-15 | VRMMO・ゲーム世界
 ワールドグランプリの本戦に臨む日本チーム。けれども、そこには誰も予期しなかった敵が待ちかまえていた。
 宇宙へ行ったチャンピオンは二度と地球へは戻れない。なら、この敵は誰!?
 そして虚空から襲い来る真なる驚異。圧倒的な恐怖を前に、冬湖は第2段階へと覚醒していく……。

「結果オーライなら、何をやっても許されるのよ」
 傲慢で自分勝手で殴ることしか考えない女、ゲームプレイヤー棧敷原雫。

「人が一生で本当に大切にするべき人間は、たった一人で充分だ。それ以上は手に余るよ」
 自分の妹のためだけに地球の存在そのものを掛け金にしてしまった究極のシスコン、アーサー・ヴァレンタイン。

「圧倒的な力でもって一方的に蹂躙するのは、それはゲームとはいわない。ゲームってのは、お互いに勝つ可能性があるから楽しいんだ」
 艦船設計の天才、殴られっぱなしの弱虫小僧、門倉聖一。

 『クジラのソラ』も4巻にて完結。よくぞ、この巻数で収めた!(編集者を誉めるべきなのかしら)
 なんかそのものズバリではないのだけれど、さまざまな過去のSF作品が読んだり見たりしたくなる読後感。たとえば『エンダーのゲーム』であり、『中継ステーション』であり、『ソラリスの陽のもとに』だったり、はたまた『機動武闘伝Gガンダム』とか『スター・ファイター』だったり『トップをねらえ2!』とか。そんなフレーバーをふりかけた上で萌が暴走してるというと語弊があるな……。

 他の人に、どんな話と説明すれば良いかとずうっと考え続けていての結論。「キャラクターが全部、島本和彦のキャラに差し変わったエンダーのゲーム」。 あ、そう思ったら脳内イラストがどんどん置換されていく……。
 つまり敵は圧倒的な超存在であったり、人類より先の段階に覚醒していたりするというのに、主人公の雫はゲームの達人ではあっても天才ではない。天才でも超存在でもない雫が、努力と気合いだけでどうやって対戦者を打ち破っていくのか……という物語。
 字数的にはハヤカワSFの厚めのヤツ2冊分くらいかな。実際、情景とか登場人物の心理描写とかさまざまな超科学の説明で幾らでも膨らむはずなんだけれど、そのあたりはスパッと切って、メインキャラの人間関係に絞って走りきった感じ。だからテンポがいいよね。
 でもって、言葉も良い。
 さっと流し読みしただけで、良いセリフが幾つも出てくる。こういう話は面白い本です。キャラクターが意志を持って生きていて、ストーリーに流されっぱなしで無い証拠です。

【クジラのソラ】【瀬尾つかさ】【コンピュータ・ボーイズ&ガールズ】【ソラリス】【エンダーのゲーム】
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「レンズマン」 E・E.・スミス

2007-12-14 | 宇宙・スペースオペラ
 長男がまだ小学5年生くらいだった頃、彼のマイブームはレンズマンだった。スペースオペラの金字塔、ドク・スミスのレンズマン。

 布団にくるまって「思考波スクリーン!」。ごろごろと転がって「もーらーっ!!」。もちろんこっちも反撃して「すーぱーもーらーっ!」と押しつぶす。布団から手が出て「Q砲!」……って、いまどき、レンズマンごっこしている親子なんてねーよ。

 なんにせよ速いテンポでガンガンガガンっとインフレを起こしていくスケールの大きな戦いをきっちり描ききるんですから、つまらないはずがありません。宇宙創生から続く善と悪との戦いが、今、この太陽系を中心に結束した知的生命体から選抜されたパトロール隊によって収束する!って燃えるよね?
 まあ、さすがに中学生になってまでそんな遊びはしないけれど、とりあえず創元のレンズマン(デイヴィッド・カイル版まで)は読破し、古橋版までは読んだので親としては一安心。

【レンズマン】【E・E.・スミス】
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「ロンドンの小さな博物館」 清水晶子

2007-12-14 | エッセー・人文・科学
 旅先で読む本が無くなったときには、ついこういう新書に手を出してしまう。軽くて薄いし、その割に読み応えはあるし、適当につまみ読みしても支障がないから(ちなみに「シショウ」と入力すると真っ先に「私娼」と変換される辞書はおかしいと思う)。
 大英博物館の陰に隠れがちだけれど、ロンドンにはまだまだ面白い博物館が幾つもあり、そうしたミニ博物館の中から16選んで紹介するというもの。シャーロック・ホームズ・ミュージアムは定番としても、グリニッジ王立天文台とかトワイニング紅茶博物館を巡る歴史の裏話はわくわくするし、マーティンウェア陶器室の悪趣味さには苦笑いするするしかない。
 一度はロンドンに行きたくなるよねえ……。

【博物館】【ホームズ】【陶器】
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「丘の家のミッキー」 久美沙織

2007-12-13 | 学園小説(不思議や超科学なし)
 生まれながらのお嬢さまだけが通うような華雅学園に通っていたミシェールこと浅葉未来。生粋の華雅エンヌしか入れない社交クラブ「ソロリティー」のメンバーにもなり前途洋々にしてバラ色の学園生活!……と思っていたところに青天の霹靂。
 ノスタルジーに浸る父親のせいで引越・転校するはめに!
 かくして海の見える丘の家から森戸南女学館へ通うことになるのだが……。

 老若男女を問わず読んで面白いと思える作品と、そのとき、その瞬間に読んでこそ面白いという作品があります。ぼくにとって、小山田いく『すくらっぷぶっく』とか久美沙織の『丘の家のミッキー』は、昔大好きで読んでいたけれど、今はもう読んでられない!という作品。作品が悪いわけではなく、自分の立ち位置が変わったら受け付けられなくなるタイプの作品だったってことです。素直に自分が成長したことを喜んでおきましょう。
 つまり『マリア様がみてる』あたりだと「冷静な第三者視点によるツッコミ」が入るのだけれど、こういう作品だと読者自身がツッコミをいれない限り、誰もツッコミいれてくれないんですね。思春期の青少年ならではの悩みとか思いこみを、生で受け取るとツライ年頃になりました。はい。10代のうちに読んでおきましょう。

 ただこの作品、普通の少女小説のつもりで読んでいると、ときどきとんでもないジョークネタが仕込んであるので要注意。たとえば香道の一種として「ひうらこう」とか出てくるけれど、そりゃあ違うだろ!?

【丘の家のミッキー】【久美沙織】【めるへんめーかー】【女子校】【少女の自立】【文化ギャップ】
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「豪快な宮内×」 宮内タカユキ・不気味社

2007-12-11 | その他フィクション
 豪快な男性コーラスで童謡から魔女っ子ソングまで歌いまくった不気味社も、最近はあれこれ手を広げ、交響曲をアカペラで奏じたり、ピンクレディを歌ったりとやっていますが、今回は『超電子バイオマン』とか『仮面ライダーBLACK RX』など特撮やアニメの主題歌等でお馴染みの宮内タカユキが歌うクリスマスソング集。
 曲目は「赤鼻のトナカイ」や「もろびとこぞりて」とかオーソドックスなラインナップですが、豪快な不気味社ですから編曲がアレンジを超えてぶっ飛んでます。秘密戦隊か宇宙刑事かはたまた国際的な警察機構か救助隊かという豪快でカッコイイ旋律に載せて熱唱。なんというか、神は神でもオリンポスの神への祈りに満ちあふれてます。

 発売されたのは2000年くらいだけれど、購入したのはワールドコンNippon2007にて。久々に買ってしまったなあ。家族にも大ウケ。しかもカーナビ付属のプレイヤーに挿入したら、ちゃんと曲目までダウンロードして登録したよ。同じ日に購入したコロンビアのCDはデータが出てこなかったのに。
 侮りがたし。

【豪快な歌声】【クリスマスソング】【ちゅどどーん】【パパッー】
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「漱石の孫」 夏目房之介

2007-12-10 | エッセー・人文・科学
 教科書に載るような文豪を祖父に持った著者が、夏目漱石の足跡を追うというTVの取材の過程で突然、ストンッと「夏目漱石」を受け入れられる気持ちになったことから始まる、祖父母から父母、そして自分や子供たちへの思いを反芻しながら再構築していったもの。
 文豪を語り、祖父を語り、文学論を語りマンガ論を語り、あっちこっちに寄り道しつつ、「漱石の孫」について語っていくところが面白い。それはまだ入り口にすぎないようだけれど。

【夏目漱石】【ロンドン】【マンガ】
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