梅原さんと五木さんの対談が出た。
”仏の発見”。
確かに内容は、仏教に関わるものではあるが、相当広範囲にスイングする。
よく人生の大先輩が、これだけ、いろんな話が出来るものだと感心してしまう。
まず、神と仏は、違うのか?
梅原さん曰く。
”仏教は、キリスト教と違って、仏になることをめざす宗教と思いました。キリスト教で、神になろうとか、キリストになろうといったら狂人扱いです。”
お二人は、幼いころ今では考えられないような苦労をしていらっしゃる。特に、五木さんは、朝鮮から帰国する時、人々を犠牲にしないと帰れないという非情な現実を目の当たりにした。この許されざる人間であるという思いをずっと引きずっておられたという。
文学者の話も沢山出て来る。ノーベル賞をとられた川端さんの変人振り。三島さんは、豊饒の海について、仏教思想と読めるかと梅原さんに聞いたという。梅原さんは否定したという。それで、仏教に入れなかった三島さんは、国家神道の信者にはなったのではないかと、梅原さんは、後悔しておられる。
ビートルズも出て来る。ビートルズで、歌詞を繰り返すことがあるが、これは、初期の仏典で、言葉を繰り返すのと同じという。初期の仏典は、歌だったのだという。
とにかくお二人には、やりたいことが山ほどあるらしい。五木さんは、75歳過ぎたら落ちつくような話をしていなかったっけ?
ちょっと仏教の専門用語も出て来るが、大半の部分は読みやすい、知識欲と、元気が出る本。