今日は、展覧会のダブルヘッダー。
まずは、最初に行った「天上の舞 飛天の美」展のご紹介。
六本木のミッドタウンにあるサントリー美術館で、来年1月半ばまで開催されている。
現在、宇治の平等院が、平成の大修理中で、たぶんクローズになっているのか、常設展示になっている阿弥陀如来の光背の飛天と、その周りを飛び回る?雲中供養菩薩像がメイン。
ガンダーラから、中国・韓国を経て、飛天が日本に伝わるまでの変遷を、展示してくれていて、その完成形が、浄土思想の浄土におわす飛天たちというストーリー。
インド、シルクロード、奈良、京都と見てきたものが多く、大きな驚きはなかったが、こう並べて見せていただくと、新たな発見も見えてくる。
例えば、キンナラと、迦陵頻迦と、飛天の関係、飛天が自ら飛ぶ姿から、雲に乗って来迎する姿に変わったのは、果たして、変化なのか、別物なのか。
特に後者については、飛天の展開と表現してしまうと、ちょっと飛躍のような感じもするのだが。
個人的には、敦煌の飛天の図を、模写でもいいから、もう少し展示して欲しかった気がする。
一点、展示があったが、有翼の飛天で、図録にも、迦陵頻迦の可能性ありとの指摘があった。
敦煌の飛天は、まさに大きな石窟を上に下に、左に右に、自由に飛び回っているイメージで、日本の、法隆寺金堂などに見られる飛天のオリジナルそのものだったという印象があったから。
だから、来迎図にある菩薩たちは、空は飛ぶけど、阿弥陀如来に従う菩薩たちということで、自由に飛び回る飛天たちとは、一線を画すのではないかと感じる。
空を飛ぶ仏たちという括りで、考えればいいんだけど。
平等院に行ったことのない人にはお勧めだが、行ったことのある人には(私も、3回ぐらい行ったかな)、楽しめはするが、新たな発見は少ないかもしれない。
見終わった後は、ミッドタウンをちらっと。センスのいい店が並んでいる。クリスマスのデコレーションも、けばけばしさがなくてよい。
平田牧場さんで、久しぶりにトンカツをいただいたが、流石、いつもおいしく感じる。
ちょっと気になっていた福光屋さんのショップにも寄ってみた。福光屋さんのオリジナルのお酒、化粧品などの他に、金沢名産のお菓子、おつまみ類、工芸なども取り扱ってくれていて、うれしかった。