かねやんの亜細亜探訪

さすらうサラリーマンが、亜細亜のこと、ロックのこと、その他いろいろ書いてみたいと思ってますが、どうなることやら。

ボブ・ディラン自伝

2014年05月09日 | Music



本書のことは、湯浅さんのディランの新書で知った。
第1刷は、2005年に出た本だが、ディラン来日に合わせてか、ちょうど第13刷が本屋に並んでいたので、ゲット。
ディラン研究の第一人者である菅野ヘッケルさんの末セが、それは難儀だっただろう。
文章が、細かい癖にふわふわしている。

自伝とは名ばかりで、思いつくまま、気の向くままに、書きたいことを書いている感じ。
デビュー前の話から、急に、1980年代後半の話に飛んだりする。
全米で、50万部売れたというが、読者は、みな翻弄されたに違いない。

出版社と自伝を3部書く契約をしているそうだが、2部以降は、いつになるやらという状況で、そんな中、小さいホールで、コンサートをバンバンやっているのだから、たぶん、完結は無理だろう。

で、つまんなかったかというと、面白い。このディランの頭の中の構造が、ちょっとわかったような気がする。好きな文学、好きな音楽、好きな絵など、興味の広さと、深さに圧倒される。
アルバムを作っている時の葛藤なども、生々しく告白される。

ビートルズのことは、二箇所で出てくるが、曲は、褒めているが、影響を受けたとはしていない。彼が、影響を受けたのは、78回転のレコードの時代の人々の、心の叫びだ。

ディランという、奇妙な巨人の中に、ちょっとでも入り込みたい人は、まずは読むべし。
でも一般的な自伝と思って読むと、びっくりするだろう。

コメント
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