かねやんの亜細亜探訪

さすらうサラリーマンが、亜細亜のこと、ロックのこと、その他いろいろ書いてみたいと思ってますが、どうなることやら。

平山郁夫 悠久のシルクロード

2014年05月30日 | Books



本書も、龍谷ミュージーアムで開かれた特別展の図録。
平山郁夫シルクロード美術館所蔵のものが多いが、普段見れないスケッチ、下絵類などでは、作品完成までの、過程を知ることができるし、ガンダーラ関連のものは、普段展示しきれないものを公開してくれている。
見たことのあるものも多いが、改めて、その所蔵品のすばらしさと、層の厚さに驚かされる。国の宝と言えるだろう。

特に第3章のガンダーラの美術と東西文化の融合が興味深い。そこで、世界史上初めて、東西文化が出会い、中国、韓国、日本へ、形を変えつつ伝えられた。
出家決意・出城図は、4~5世紀のものというが、まだまだヘレニズムの影響が強く、一見ではブッダとつながりがあるものとは、わからないほどだ。

最終章は、文化遺産の保護活動だが、アフガニスタンの混乱の中、救い出され預かっている文化財だ。この展示は、かつて、平山郁夫シルクロード美術館で見たものだが、早く、あるべきところに返せる日が来ることを、望むばかりだ。

平山郁夫美術館所蔵品を中心に、東西文化の交流という切り口からの展示で、歴史的にも、芸術的にも、優品が並んでおり、同様の企画を、今後も行って欲しいと感じる次第。

今年も、秋に、シルクロード美術館に行く予定。開館10周年記念の特別展が開催される。

コメント
  • X
  • Facebookでシェアする
  • はてなブックマークに追加する
  • LINEでシェアする