今日は、ゴルフ。
薄日が差す天気で、風もそよそよという感じで、すばらしいコンディション。
スコアいまいちながら、楽しめた。
本書は、本屋で平積みになっているのをゲット。
元は、2001年に出たもので、今回は、増補版とのこと。
2001年と言えば、小泉首相の元、皇位継承についての議論がされていた時期と思うが、それに合わせた出版だったのかもしれない。
著者もその議論に噛んでいたようだ。
一旦、議論が止まってしまったが、問題が解決されたわけではなく、また議論が必要になるのは、目に見えている。
本書を読むと、皇位継承の難しさが、古代から、現代にいたるまで、続いている問題であることがわかる。
古代については、記紀に散々書かれているが、その後もだ。
その難しさから、皇位継承は、貴族や、武士が、主導権を握るようになるが、すんなり行くことは少なかった。
古代については、原典が記紀中心なので、あまり新鮮味がないが、平安中期以降については、たいへん面白かった。
天皇家は、古代から、一応ずっと続いているわけだが、ずっと日本の統治者であった訳ではない。
貴族や、武士の実権者に翻弄され、時には、天皇家が実権を得ようと画策し、夢破れ。
但し、常に日本の歴史にかかわってきたことがわかる。
それだけでも、稀有の一族だ。
形的には、古代と明治維新後が、天皇家の力が強かった時代と言えるが、平安時代にも、上皇として、実権を持った時代もあるし、建武の中興や、後醍醐天皇の時代も、天皇家が力を持とうとした時代。
しかしその後には、反動で、ただいるだけの天皇家の時代も長かった。
信長、秀吉も、天皇家の力を利用しようと、天皇家を立てたが、徳川の世になり、また天皇家の上に徳川家が立つ体制に戻り、維新前までその状況が続いていた。
維新で、天皇の世に戻るが、昭和の大戦で、大敗戦を喫した。
本書では、昭和天皇が、その際、退位しなかったことに否定的だが、ではどうすることがベストだったのか、お聞きしてみたい。そこで、平成天皇に譲位すればよかったのか。
譲位の話、女帝の話も、当然出てくるが、一つ一つの論点について、様々な議論・考え方があることがわかる。それほど、複雑な問題なのだ。
ちなみに女帝は、古代と近代にしかなく、譲位も、恣意的に乱用され、混乱を招いた歴史がある。
明治維新の際、皇室典範ができ、男系のルールが定められたが、側室制もなく、現在の皇室継承問題が起こるのは、必然だった。
万世一系の天皇家を誇るのであれば、後の世にしっかり引き継ぐ仕組みを構築するのも、我々の責務であろう。
本書を読んで強く感じる。