というわけで、精力的に仕事から逃げ出して
現実逃避と夢への旅立ちを続けています昨今
今回は、京都御所近くにあります
楽美術館というところに行ってまいりましたのでありました
噂に聞く楽茶碗の開祖でよいのかどうかわからんが
ともかく、楽茶碗の大変高名な方の作品展というか
実家に遊びに行ったみたいな具合でありました
場所は、中立売油小路上ル
京都駅から歩いて小一時間というところ
社会人が小一時間も目的地まで歩くなよ
と思わないでもないですが、健康のためだ、そうしておこう
と、まれ
歩いてたどり着いてみると
なんといったらよいのか、豪邸、というのがふさわしいような所
塀が続き、美術館と銘打たれてはおりますが
おそらく自宅というのか、家を改造したそれでしょう
漫画やらドラマやらで出てくる家元さんの家風(わかんねぇよ)
おずおずと気後れしながらも入ってみると
あらびっくり、スリッパに履き替えないといけない
この日、裸足にスニーカーという頭悪い装備で歩いていたので
気後れどころか逃げ出そうかと思ったのでありますが
ぐっと堪えてスリッパに履き替えます
なんとなし、私のひがめでありましょうが
係りの人がげんなりな顔をしたように思われます
ごめんなさい、足くさいです、ひぎぃ
余計なことはそれとして、入ってみると
とりあえず待合室みたいなところがあって
うろうろ、奥に暗がりがあって、ああそのさらに奥で
ライトに浮かび上がる黒茶碗が、うわあ
おずおず、またもゆっくりと近づいていく
途中でパネル展示というか、なにやら
楽茶碗についてのあれこれが書かれていて
勉強しつつ進むのであります
どうやら楽茶碗というのは手捏(てびねり)と言うのだそうで
なるほど、確かにろくろでまわした綺麗なものじゃなくて
ごわごわと粘土細工っぽいよなと感心したのでありますが
その手法について書かれておりました
釉薬についてやらはさっぱりわからんので
とりあえず斜め読みしつつ、手でこさえるところが
ポイントなのだなと思うところ、へらで削るとかも書いてあったので
なるほど、手で捏ねた割には薄いのもあるのはそういうことかと
勝手な納得をして先へ
先へというほど広くないのでありますが
展示室というような場所に入ると
いよいよ楽茶碗があれこれと並んでおりました
今回は、「楽道入と本阿弥光悦」という題材で
楽茶碗の三代目道入という有名な人らしきその作品と
こちらは高名な本阿弥光悦の作品が並んでおりました
どうやら、二人とも知人というか
親交があったんだそうで、そのときのやりとりの文献なども
一緒に展示されておりましたが
二人の作品がメインでありました
光悦に関しては、もともと研ぎ師なんだから
本業でないということも自分でわかっていたらしい
コメントも書かれておりましたが
やはりどこか違う、より芸術家っぽいのかもしれないと
ちょっと思ったのですが、いずれも、ごわごわとして
分厚くて傾いでいる
これがほとんどでありました
ガラスの向こうにあるので、どうなっているかわからないところ
懸命に角度を変えて眺めてみましたが、どこから見ても
不細工というか、どうも座りが悪い
聞かなかったら素人作品ではなかろうかと思うような
そんな感想を持ったのであります
私の眼力が足らないせいであろう
で、かたや道入の作品でありますが
こっちは凄かった、ライトのあたり具合のせいかと
理由を探してしまうほど凄い
やはり本物の茶碗屋が焼いたものは全然違う
同じ手捏の作品なのに、凄い均整が取れているというか
崩れがあるのに、それが気にならない
なによりも、茶が飲みやすそう
光悦のはどっから茶飲むんだと口つける位置を迷うような
やたら分厚い作品やらが多かったのでありますが
こちらはとてつもなく薄い
へらで削るとあったが、それだけで
こんなに薄くできるものなのかと震えてしまったのでありますが
へうげものの待庵にて、左介が宗匠に茶を振舞われた際に
軽い、まるで茶の重みしか感ぜられぬ
的なことを言っておりましたが、きっとそうなんだろう
触れないのがもどかしかったのでありますが
説明にも、驚くほど軽いと書かれていたのであります
最近、赤茶碗がほしいなぁなどと
使いもしないのに探して歩いたバカでありますが
赤茶碗てどうしてああも安物っぽい質感だろうかと
わからないなりに思っておりましたが
違うのでありますね、あれは安いから安っぽかったのであります
本物はどうも、肌が違うというのか
釉薬の具合がまるで違う、説明がきには
その特有というか簾のようになる部分について
「むらむら」とやたら滅法かかれていたのでありますが
まさしくむらむらでありました、破れノンカウだったか
そんなような作品だったかの
どうやったらこんな色が出るんだという得体の知れぬ赤みに
身震いを覚えてしまった次第
これらの感動的な作品が30点くらいあったように思われたのでありました
ステキ、道入なりの赤茶碗が欲しい
なお、ついとなる黒茶碗も当然あって
雨雲だったか、そんなのと
稲妻というのと、それぞれ凄いものが
黒の中にきらきらと光る何かがある
釉薬の妙を出すのは黒のほうが圧倒的なのか
そちらに価値がある様子ですぐれたものでありましたが、
黒よりもやはり赤がよいと個人的に思ったりしつつ、
眼福して帰ってきたのでありました
とりあえず良いもの見たから
目利き力が上がっていると信じつつ
あれが全部偽者だったらどうしようなどと
ふと考えたりしながら
赤茶碗風の酒器をそろそろ買ってこようかと悩むのでありました
ぐふふ
現実逃避と夢への旅立ちを続けています昨今
今回は、京都御所近くにあります
楽美術館というところに行ってまいりましたのでありました
噂に聞く楽茶碗の開祖でよいのかどうかわからんが
ともかく、楽茶碗の大変高名な方の作品展というか
実家に遊びに行ったみたいな具合でありました
場所は、中立売油小路上ル
京都駅から歩いて小一時間というところ
社会人が小一時間も目的地まで歩くなよ
と思わないでもないですが、健康のためだ、そうしておこう
と、まれ
歩いてたどり着いてみると
なんといったらよいのか、豪邸、というのがふさわしいような所
塀が続き、美術館と銘打たれてはおりますが
おそらく自宅というのか、家を改造したそれでしょう
漫画やらドラマやらで出てくる家元さんの家風(わかんねぇよ)
おずおずと気後れしながらも入ってみると
あらびっくり、スリッパに履き替えないといけない
この日、裸足にスニーカーという頭悪い装備で歩いていたので
気後れどころか逃げ出そうかと思ったのでありますが
ぐっと堪えてスリッパに履き替えます
なんとなし、私のひがめでありましょうが
係りの人がげんなりな顔をしたように思われます
ごめんなさい、足くさいです、ひぎぃ
余計なことはそれとして、入ってみると
とりあえず待合室みたいなところがあって
うろうろ、奥に暗がりがあって、ああそのさらに奥で
ライトに浮かび上がる黒茶碗が、うわあ
おずおず、またもゆっくりと近づいていく
途中でパネル展示というか、なにやら
楽茶碗についてのあれこれが書かれていて
勉強しつつ進むのであります
どうやら楽茶碗というのは手捏(てびねり)と言うのだそうで
なるほど、確かにろくろでまわした綺麗なものじゃなくて
ごわごわと粘土細工っぽいよなと感心したのでありますが
その手法について書かれておりました
釉薬についてやらはさっぱりわからんので
とりあえず斜め読みしつつ、手でこさえるところが
ポイントなのだなと思うところ、へらで削るとかも書いてあったので
なるほど、手で捏ねた割には薄いのもあるのはそういうことかと
勝手な納得をして先へ
先へというほど広くないのでありますが
展示室というような場所に入ると
いよいよ楽茶碗があれこれと並んでおりました
今回は、「楽道入と本阿弥光悦」という題材で
楽茶碗の三代目道入という有名な人らしきその作品と
こちらは高名な本阿弥光悦の作品が並んでおりました
どうやら、二人とも知人というか
親交があったんだそうで、そのときのやりとりの文献なども
一緒に展示されておりましたが
二人の作品がメインでありました
光悦に関しては、もともと研ぎ師なんだから
本業でないということも自分でわかっていたらしい
コメントも書かれておりましたが
やはりどこか違う、より芸術家っぽいのかもしれないと
ちょっと思ったのですが、いずれも、ごわごわとして
分厚くて傾いでいる
これがほとんどでありました
ガラスの向こうにあるので、どうなっているかわからないところ
懸命に角度を変えて眺めてみましたが、どこから見ても
不細工というか、どうも座りが悪い
聞かなかったら素人作品ではなかろうかと思うような
そんな感想を持ったのであります
私の眼力が足らないせいであろう
で、かたや道入の作品でありますが
こっちは凄かった、ライトのあたり具合のせいかと
理由を探してしまうほど凄い
やはり本物の茶碗屋が焼いたものは全然違う
同じ手捏の作品なのに、凄い均整が取れているというか
崩れがあるのに、それが気にならない
なによりも、茶が飲みやすそう
光悦のはどっから茶飲むんだと口つける位置を迷うような
やたら分厚い作品やらが多かったのでありますが
こちらはとてつもなく薄い
へらで削るとあったが、それだけで
こんなに薄くできるものなのかと震えてしまったのでありますが
へうげものの待庵にて、左介が宗匠に茶を振舞われた際に
軽い、まるで茶の重みしか感ぜられぬ
的なことを言っておりましたが、きっとそうなんだろう
触れないのがもどかしかったのでありますが
説明にも、驚くほど軽いと書かれていたのであります
最近、赤茶碗がほしいなぁなどと
使いもしないのに探して歩いたバカでありますが
赤茶碗てどうしてああも安物っぽい質感だろうかと
わからないなりに思っておりましたが
違うのでありますね、あれは安いから安っぽかったのであります
本物はどうも、肌が違うというのか
釉薬の具合がまるで違う、説明がきには
その特有というか簾のようになる部分について
「むらむら」とやたら滅法かかれていたのでありますが
まさしくむらむらでありました、破れノンカウだったか
そんなような作品だったかの
どうやったらこんな色が出るんだという得体の知れぬ赤みに
身震いを覚えてしまった次第
これらの感動的な作品が30点くらいあったように思われたのでありました
ステキ、道入なりの赤茶碗が欲しい
なお、ついとなる黒茶碗も当然あって
雨雲だったか、そんなのと
稲妻というのと、それぞれ凄いものが
黒の中にきらきらと光る何かがある
釉薬の妙を出すのは黒のほうが圧倒的なのか
そちらに価値がある様子ですぐれたものでありましたが、
黒よりもやはり赤がよいと個人的に思ったりしつつ、
眼福して帰ってきたのでありました
とりあえず良いもの見たから
目利き力が上がっていると信じつつ
あれが全部偽者だったらどうしようなどと
ふと考えたりしながら
赤茶碗風の酒器をそろそろ買ってこようかと悩むのでありました
ぐふふ