CLASS3103 三十三組

しがない個人ホームページ管理人の日記です。

【読書】成瀬は信じた道をいく

2024-04-01 20:58:33 | 読書感想文とか読み物レビウー
成瀬は信じた道をいく  作:宮島未奈

滋賀県で結構な推し作品となっている成瀬シリーズの第二弾
相変わらずの成瀬っぷりを堪能できつつ、
やっぱり膳所高から京大というコースなんだと
納得しつつも、ところで成瀬って専攻なんなんだろう、理系だよな?と
思ったり考えたりしつつ、まぁ、そこはあんまり関係なく
いつも通りの成瀬が、受験して、大学生になって、
あいかわらず地元のために何ができるかと、もくもくと使命感をもって生きている
ただそれだけの毎日が描かれているんだが
出会う人たちも、やさしいというか、いいひとが多いので
大変精神衛生によい内容で、ほんわかとあっという間に読み終えてしまうのでありました

それはそれとして、フレンドマートでがっつりバイトしているというくだりから、
これは平和堂と謎の提携まで、完全に見据えられているなと思うわけだけども
まぁ、そういう商業主義はさておいて、滋賀県在住の大学生が
いかにもそうやって生きているという感じもして、非常に面白く読んだのである
そうかと思うと、唐突に琵琶湖観光大使に応募してみたりと
相変わらずのスターダムっぷりというか、
それでいいんだという感じから、ハレの舞台へ土足で踏み込んでいく感じが
見ていて清々しいのがよい
相方がちゃんとフォローしてくれるということが前提なんだが、
そうさせる魅力がありそうにも見えるし、また、そういう人だからこそ成瀬の周りにきて
世話を焼いてしまうというのもまた、リアルだなと思って
実在しないはずの、琵琶湖観光大使を応援したい気分になってしまうのであった
また、いちいちセリフが頭いいというか、妙な知的センスにあふれるあたりが
成瀬の魅力だなとかみしめてしまうんだが
これは、実写向きだけど、演じるのすげぇ大変だなと
無難にアニメ化とかがよろしいのではと、ありもしないコンテンツ展開を考えてしまうのであった
でも、映像作品で、観光大使コンテストで、普通にしゃべることができてしまう成瀬が是非見てみたい
そこの演技っぷりというか、その切り替えが、多分小説以上の効果が期待できるというか見たい

巧妙というでもないが、最終的にけん玉が大きなヒントになったのは
ちょっと笑ってしまったんだが、紅白で実際ありそうだなと思ったりしつつ
本人は普通にしてるつもりで、周りをひっかきまわしてしまうという
古典的な物語なのに、なんか新しいように思うキャラクタだとあらためて思うのであった
ともあれ、成瀬という凄い何かが、誰かとつながることで、新しいことをやることができる
誰が成瀬の操縦者になれるかという話でもあって、
どっちが上とか下とかではなく、バディものとしても面白いんだなと感心したのでありました

この感じで、三作目で完結といった具合に、
さっさと結婚でもしてしまいそうだなと思うのだが
はたしてどうなっていくか、別に凄い話とかでもないんだが
成瀬というキャラクタを楽しむという読書なんだけども、
それがとても面白いと、笑いながら読める一冊でありました