Kinoの自転車日記

自転車と共に過ごす日々

パークツール スポーク テンションメーターの 校正

2011-03-23 20:17:20 | 自転車 工具
前回 Park Tool TM-1 スポークテンションメーターを使い
不具合が発生した この様な測定器でその数値が信頼出来
なければその数値は何の意味も持たなくなってしまう それを
信頼出来るものにする為 テンションメーターの校正をしました






お手頃な価格で人気が高い Park Tool TM-1
パークツールはアメリカのメーカーだが 日本国内での
取り扱いは HOZAN ホーザン 昭和 21年創業の老舗です






今回の不具合は前回の日記で紹介しましたが
メーカー発送状態のテンションメーターの駆動部、摺動部に
オイルを差すと オイルが枯れた状態の時と全く違った数値を
示すと言う物です

これでは梱包から出したオイルが枯れた状態 又オイルを差した
状態の数値 どちらが正しいか もう確認のしようが有りません

前回の日記には沢山のコメントを頂き その中には手持ちの
新品未使用の同じ器具で 私と同じ様に注油をし、試行して
下さった方もいらっしゃり その結果はやはり注油前後で
数値が変ったとの事です






このポインタが適正な数値を示す様に テンションメーターの
校正が必要です それもオイルを差し測定器が滑らかに動く
状態での校正が望ましい じゃどうするのが良い?




これはホーザンさんにお断り無くカタログの写真をお借りしました
HOZAN C-737 スポークテンションメーターです このホーザンの
メーターは 46200円と高価な物

ただこの測定器は VIA (財)日本車両検査協会での検定品で
一つずつ検査された優れた測定器です

パークツールのテンションメーターの校正には
このホーザンの C-737 を使い スポークの正常な張力を測り
パークツールのメーターをその数値に合わせると言う計画
パークツールのメーターには それを調整するアジャスト
ボルトが付いています(普段は触ったら駄目ですよ)

豆知識
VIA とは 競輪競走に使う旧自転車振興会の認可部品 BIAの
刻印と間違われる事が良くありますが それとは全く関係ありません

VIA = JAPAN VEHICLE INSPECTION ASSOCIATION の略で
(財)日本車両検査協会の事です





と前記の様な校正計画を立てていたのですが HOZAN ホーザンさんにも電話をしてみました
今回の経偉と今後の校正方法の相談 担当者もしっかりと物が言える方 これが頼りないと
話が出来ないが 今回は先方の知識も豊富で大変助かりました

校正方法は私が思い描いていた方法で一致 この様な相談が頻繁にあるのじゃないですか?
に対しては どうも私が始めてらしい と言う事は ホーザンさんにとっても始めてのケース

私がテンションメーター T-737 を用意し自分で校正するよと言ったのですが 今回は是非弊社で
させて欲しいので現品を送って下さいとの事 じゃお任せしましょうと言う事で送る事にしましたが
私が希望する調整方法や細かな事を伝えておきました






中二日でテンションメーターが帰ってきました 外見に
変った所は認められません メーターを保護する為か
かなり多く緩衝材が入れられています




ちなみに校正は 
この写真の左側、バネを押えているアジャストボルトで行います

今回ホーザンさんに校正を任せ
まず先方に到着した日に電話をすると 今 箱から出し室温に慣らしています
ほ~ 私はそこまで気が回らなかったな やるじゃないか・・・とちょっと感心する
そして更なる細かな希望を伝える

校正が完了しましたと連絡が有る
その調整方法も詳しく報告をくれたのだが 私が思い付かない優れた方法
(これは測定用のスポークはホイールを用いるのではなく スポークを張る
為の治具が用意されていた)を用いて かなり真剣に取り組んでくれた事が
想像出来る いやいや今回は しっかりした担当者に出会えた事に併せ
先方に任せて良かったな

実は校正作業時の写真も添え報告をくれたのだが その写真をブログに
掲載する事を先方も望んでいないだろうから 皆さんには申し訳ないですが
今回は控えさせて頂きます





と先方を褒めちぎっても 本体がしっかりしていないと
何にもならない 以前と同じホイールで使ってみよう








これは前回不具合を確認する為に測定したホイールで
測っているスポークも当然同じもの 慎重にテンション
メーターを使い 数値を読んでみる 19強






スポーク張力換算表でテンションを確認すると 85kgf
このテンションは 箱から出したまま動きが固かった時より 
駆動部にオイルを差した時の数値とほぼ一致

この様な測定器はどう考えても ガリガリと動く物ではなく
滑らかに動いて当たり前だよね しかしオイルを差しここまで
気を使いながら使っても スポークを挟み少し置いておくと
ポインタがピクと動き 数値が変りますからね・・・
突き詰めると その程度のメーターだと言う事なのか




どんな事でも 不具合が起こる事はある それは仕方が無い事 その時にどの様に解決するかが
凄く大切 今回のホーザンの対応と捌きの見事さで 少し HOZAN ホーザンが好きになりました

今回の一連の出来事 同じ校正を HOZAN に依頼するとその報酬額が気になると思いますが 
決まった価格設定が現在無いので直ぐにお答え出来ませんとの事 私が始めてのケースで
これからパークツールも交え良く話し合いますとの事です

しかし報告をもらった校正方法 その手間隙を考えると少々お高くても納得出来る内容でした





今回は測定器と言う器具の性格上細かな事を考えてしまいました 
この様な測定器はスポークテンションメーターを含め世の中には多くの物が有ります
それらに求められるのは 廉価版、高額な物の区別なく同じ使用目的、用途の物はどれを用いても
同じ数値、結果が出るという事 それに依って数字が意味を持ち 比較対照が出来ます

測定器の精度にバラつきが有ればその数値は 何の意味も持たないただの数字になってしまいます
正確に測定出来ない器具を 我々現場では 狂っている と言います

正確な時計を持った人と 狂った時計を持った人が時間を決め 会う約束をしても 上手く会う事は
出来ませんよね 今回の商品の問題はここに有ると思い長い記事にしてしまいました でもこれって
何か意味があったんだろうか ただ商品をこき下ろしただけの様な気もし ちょっと申し訳なかったかな・・・


今回の一連の日記
商品紹介 【 Park Tool TM-1 スポークテンションメーター 】
使用方法 【 Park Tool スポークテンションメーターの 使い方 】
信頼性について 【 パークツール スポークテンションメーターの 信頼性 】 

コメント (39)
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