平成22年7月14日の中央区議会 区民文教委員会での区の提出資料で、保存活用要望を出された日本建築学会への区の回答文書です。
7月14日時点では、あくまで、区は、明石小学校を取り壊していく方針であることが、読み取れます。
しかし、いまや、多くのマスコミが、区の対応について問題視する報道がなされているところであり、日本建築学会が「国重要文化財相当」と評価する新しい展開において、区は、今一度立ち止まり、校舎更新のあり方を見直すべきであると考えます。
多くの区民もまた、区が考え直すことを求めています。
多くという根拠のひとつは、私のクリニックに来院される明石小学校関連の患者さん・親御さんで、明石小学校のお話をするとほぼ全員が取り壊しに異議を唱えていらっしゃいますし、私に届けられる意見・コメントの内容でも同様です。
なお、何度も書いていますが、明石小学校をはじめ、中央区のすべての小学校の耐震性は大丈夫です。
⇒ http://www.city.chuo.lg.jp/kyouikuiinkai/iinkaiyori/gakkou.taisin.sindan/index.html
*****以下、文書*****
平成22年7月14日
社団法人日本建築学会
会長 佐藤 滋 様
中央区長 矢田 美英
復興小学校7校舎の保存要望書に対する回答について
時下ますますご清祥のこととお喜び申し上げます。
さてこの度、本年2月に引き続きあらためて要望書をいただきましたが、本区の立場につきましては、2月の説明及び5月20日に佐藤滋会長以下の皆様にご説明したとおりであります。
すなわち、現行の3校の改築計画は、地元の要望も踏まえて、老朽化への対応や機能アップによる子どもたちの教育環境の向上はもとより、防災拠点など地域の核となる学校施設の充実を図るものであり、計画自体を変更する考えはありません。また、これまで、地元・学校関係者からなる改築準備協議会なども含め、数年度にわたり手順を踏んで進めてきたところであり、この8月には中央小学校及び明石小学校の仮校舎への移転も予定されているところであります。
一方、改築対象校以外の4行の校舎のあり方につきましては、現時点では、将来的な課題であります。
そこで本区といたしましては、要望にある保存・活用について、下記により対応してまいりたいと考えておりますので、ご理解・ご協力をお願い申し上げます。
記
1 中央小学校、明石小学校、明正小学校の改築対象3校については、設計において意匠の継承に努めるとともに、現校舎の記録保存、さらには再利用可能な部材の活用について、貴学会からの助言もいただきながら可能な範囲で対応してまいります。
2 改築対象校を除く4校については、将来に向けて貴学会の協力もいただきながら、あらかじめ調査を行うなど、幅広く保存・活用に関して研究・検討を進めてまいります。
*****文書以上*****