「中央区を、子育て日本一の区へ」こども元気クリニック・病児保育室  小児科医 小坂和輝のblog

感染を制御しつつ、子ども達の学び・育ちの環境づくりをして行きましょう!病児保育も鋭意実施中。子ども達に健康への気づきを。

プレス発表 区長の考え方:明石小学校をはじめとする復興小学校の改築問題について

2010-08-23 16:51:01 | 教育
 保存再生を望む区民、卒業生、地域の声を中央区は十分聞き入れたのでしょうか。

 「国指定重要文化財」相当の価値があると日本建築学会から評価をうける一方で、中央区として建築学的評価を十分検討を行ったのでしょうか。

 日本建築学会・日本建築家協会・東京建築士会 合同での解体を見合わせる要望も十分検討を行ったのでしょうか。

 本日だけでも、NHK7時ニュース、NHK13時ニュース解説、産経新聞社説など多くのマスコミが中央区の姿勢・対応を批判し、警鐘を鳴らしています。

 どうか、今一度立ち止まり、性急な取り壊しを再考していただきたいと思います。

 
 そんな中、残念ながら、改める姿勢がまったく見えないプレス発表が、午後4時半過ぎ、中央区のホームページに掲載されました。

 いったいこの区は、どうなってしまったのだろうか。

 
*****中央区ホームページより*****
http://www.city.chuo.lg.jp/kyouikuiinkai/kyosyomu_20100820223602337/files/kuchou.pdf

平成22年8月23日

明石小学校をはじめとする復興小学校の改築問題について

中央区長
矢 田 美 英

 明石小学校改築をめぐっては、現在、さまざまな報道がなされ、保護者の方々をはじめ
とする区民の皆さま、さらには多くの関係者の皆さまにご心配をおかけしておりますが、
本区としては以下のように考えておりますので、何とぞご理解、ご協力を賜りますようお
願い申し上げます。
 明石小学校は、大正15年建築のいわゆる復興小学校であります。このたび、社団法人
日本建築学会から重要文化財にふさわしい条件を備えていると評価されましたことは、首
都東京の核としての役割を担ってきた本区の歴史、文化を含めて評価していただいたもの
と受け止めており、その建築的価値に着目したご意見はできる限り尊重してまいります。
学校は、次の時代を担う子どもたちを育てる教育の拠点であることは言うまでもありま
せん。同時に地域の核であり、心の支えであり、シンボルであります。
 それだけに、震災後の困難な状況の中で未来の子どもたちのために立派な校舎を建設さ
れた大正時代の先人の高い志、すなわち、子どもたちの教育環境を何よりも大事にすると
いう精神をしっかりと引き継いでいかなければならないと、その責務の重さにあらためて
身の引き締まる思いであります。
 本区は「教育の中央区」を標榜しております。その心は、“子どもの幸せ”をまず第一義
に考えるということであります。平成11年4月には、教育環境の向上はすべての大人の
責務であるとする「中央区の教育環境に関する基本条例」を全国で唯一制定するなど、教
育の充実に全力を上げて取り組んでまいったところです。
 復興小学校7校についても、地域の核となる現役の小学校としての教育環境の向上、防
災拠点としての役割などを踏まえて、改築等のあり方について検討してまいりました。
このうち明石小学校については、老朽化への対応はもとより、今後の児童数増加に伴う
教室の確保、体育館の拡充やバリアフリー化など教育面に加え、地域の防災拠点としての
充実が求められていること等の課題があり、建築後84年が経過し構造体のコンクリート
の劣化が進む現校舎でこれら課題に対応していくことは困難であります。また、20数年
来にわたり保護者の方々をはじめとする学校関係者や地域の皆さまより、改築してほしい
との強いご要望をいただき、区としてもさまざまな観点から検討してきたところでありま
す。
 その結果、将来にわたって安全性の確保を図り、子どもたちの教育環境を向上させるこ
とが今日的行政課題であり、区の責務として改築を行う必要があるとの判断に至ったとこ
ろです。こうした経緯を踏まえ、明石小学校につきましては中央小学校や明正小学校とと
もに現在の改築計画を進めさせていただき、未来にわたり一段と誇りうる学校として再生
してまいりたいと存じます。
 また区内には、この3校のほか4つの復興小学校があります。これらの小学校につきま
しては、本区の「小学校改築計画策定調査報告書」(平成21年3月)の中で整理した今後
の整備の方向性に沿って、次のように考えております。

1 城東小学校につきましては、東京駅前にふさわしい特色のある学校となるよう、まち
づくりと連携した整備を検討してまいります。

2 東京都選定歴史的建造物である泰明小学校および常盤小学校につきましては、免震対
策も含めた現校舎の保存・活用について、調査研究を進めてまいります。

3 阪本小学校につきましては、将来的に改築などの検討を進めてまいります。
本区といたしましては、今後とも、先人の精神を引き継ぎ、21世紀にふさわしい子ど
もたちの教育環境の一層の充実に取り組んでまいります。区民の皆さまをはじめ関係各方
面のご理解とご協力を賜りますよう重ねてお願い申し上げます。

※ 参考 「中央区の教育環境に関する基本条例」(平成11年4月1日公布)

****以上*****
コメント (2)
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【主張】震災復興小学校 近代支えた技術に敬意を

2010-08-23 14:07:47 | 教育

 産経新聞の主張でも取り上げられています。

*****産経新聞****
http://sankei.jp.msn.com/life/education/100823/edc1008230312001-n1.htm

【主張】震災復興小学校 近代支えた技術に敬意を
2010.8.23 03:12
 
このニュースのトピックス:主張
 関東大震災後に建設された復興小学校の保存問題が、東京都中央区の区立明石小学校の解体工事で大きく注目されている。日本建築学会が「重要文化財に匹敵する近代建築」として保存を求めたのに対し、中央区は予定通り工事に着手し、今週中には解体作業が本格化するからだ。

 建物は失われれば戻らない。近代建築の価値をどう評価するかという大きな文化的課題にもつながる事態だけに、工事の一時中断も含め冷静な判断を可能にするための時間的余裕を持ちたい。

 大正12(1923)年9月1日の震災後、当時の東京市は帝都復興事業の一環として117校の復興小学校の校舎を建設した。当時の技術力を示す名建築と評価されているが、現在も校舎として残るのは10校だけだ。

 日本建築学会が7月に出した要望書によると、中央区には当時の校舎がいまも7校に残っている。それ自体は評価すべきことだが、ここにきて明石小を含む3校が建て替え対象となり、消滅の危機に追い込まれている。

 日本建築学会は緊急調査で(1)小学校教育への東京市の理想の高さ(2)表現主義的な外観デザイン(3)小公園の付設や避難拠点としての位置づけ、の3点から近代建築としての価値を確認した。

 中でも明石小は天井が高く、窓も大きく、階段は避難時を考え幅を広くするなど児童の安全に配慮している。保存状態も良く、耐震性も高い。復興小学校の中で最初に設計され、設計規格の形成に重要な役割を果たしたと考えられる点でも貴重だという。

 18日には学術団体の日本建築学会に加え、職能団体の日本建築家協会、東京建築士会も含めた3団体が記者会見で工事の一時中止と十分な調査の実施を求めた。校舎を破壊して建て替えれば、廃棄物が増え、都市環境に悪影響を及ぼしかねない。古い建物を活用する方が低炭素化社会を目指す環境教育の観点からも効果的だ。

 区側は決定していることとして工事を進める方針だが、区民の関心も高い。工事を一定期間止め、調査と検討の時間を確保しても失点にはならないはずだ。経済の停滞が長引き、自信喪失の気分が国内に広がる中で、最近は逆に近代を支えた戦前の技術力を見直す機運も高まっている。こうした点も含めて考えるべきだろう。

****以上*****

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中央区は、日本建築学会・日本建築家協会・東京建築士会の要望を聞き入れるべき

2010-08-23 12:19:31 | 教育

 以下は、8月18日 日本建築学会・日本建築家協会・東京建築士会 3会合同記者会見で、解体を中止して保存活用を検討するよう呼びかけた模様がNHKで放送された内容です。

 中央区は、明石小学校の文化財としての価値を十分に調査していません。調査の上、学校施設・設備の更新方法を考えるべきです。

****NHK*****

http://www.nhk.or.jp/news/html/20100818/k10013432101000.html

復興小学校 解体見合わせ訴え
8月18日 19時19分 

 関東大震災のあとに再建された「復興小学校」の一つで、東京・中央区が来週から解体工事を予定している明石小学校について、日本建築学会などが、18日に会見して、「小学校には重要文化財級の価値がある」として工事を見合わせるよう訴えました。
 復興小学校は、関東大震災で倒壊した木造の小学校を鉄筋コンクリートで再建したもので、現存する10校のうち、最も古い東京・中央区の明石小学校について、区は老朽化などを理由に建て替えることを決めています。これについて、建築士や専門家などで作る日本建築学会や、日本建築家協会の関東甲信越支部それに東京建築士会の3つの団体が18日、緊急の記者会見を行い、「明石小学校は高い耐震技術が用いられているほか、震災復興に向けた意欲的なデザインが施されており、建築学的にも歴史的にも重要文化財に匹敵する近代日本の誇るべき遺産だ」と説明したうえで、「文化財としての十分な調査が行われておらず、中央区には冷静な判断を求めたい」と工事を見合わせるよう訴えました。明石小学校について、中央区では防災機能の強化やIT教室の導入などのために建て替えが効率的だとして、来週23日から解体工事に入る予定です。

****以上*****

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中央区は、今一度再考を!重要文化財相当価値 明石小学校取り壊し

2010-08-23 08:28:13 | 教育
 様々なマスコミに取り上げられている復興小学校・明石小学校取り壊し問題。
 本日朝7:00のNHKニュースでも、2分強取り上げられていた。
 日本建築学会により国指定重要文化財相当の価値があるとの見解が出された明石小学校を取り壊すことに、マスコミも警鐘を鳴らし続けてくださっているようである。

 一方、中央区は、一度決めたということにあくまでこだわり続けるのであろうか。

 教育委員会に、日本建築学会が明石小学校の建築学的価値を重要文化財相当と評価しているが、中央区自体は、どのように評価をしているのかその評価所見をご提出いただくように先週あらためてお願いをした。

 もし、区の評価がないというのであれば、文化庁とともに果たして重要文化財相当であるのか評価をすべきであると考える。

 そして、その評価をもってして、学校の更新を考慮すべきであろう。

 だれも、学校の施設・設備の更新自体は否定をしていない。
 
 重要文化財相当の価値も組み入れつつリノベーションの手法(原型を残しながらの改修再生)をしても、子ども達がプレハブで過ごす期間はそう変わらないであろう。

 今一度、中央区は、明石小学校の更新の手法を再検討すべきである。

 写真は、今週の改築計画(2010/08/23 7:50現在での日程)
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