さて、1月12日締め切りで、豊洲新市場開設工事の環境アセスメント(『環境影響評価書案』段階)への意見書が募集されています。
この前段階の『調査計画書』に対する意見書が、『環境影響評価書案』の最後の部分に掲載されています。
(残念ながら、東京都のホームページでは、『環境影響評価書案』の概要版しか、読む事が出来ません。本来なら、本編も、ホームページ上で読めるようにすべきです。)
その意見書では、
「1.全般事項
(1)基本姿勢に関する意見」において
****以下、引用****
・豊洲新市場建設事業での土壌・地下水浄化対策を行うにあたり、世界に冠たる東京都の誇りをもって正々堂々・公明正大に、世界に通用する環境改善処置を行っていただきたい。
・中央環境審議会の「最新の土壌汚染対策のあり方についての答申」等を最大限尊重し、WHOのガイドラインを尊重し、世界中に通用する土壌汚染対策・水質汚濁対策はこうあるべきという規範を示すことが重要である。全体の土壌改善プロセスを世界中の誰でもが理解し納得できるレベルでの使用化を行い、公開することを通して、環境改革の技術者を育て技術の向上に貢献する端緒としての役割を東京都の積極的なリーダーシップのもとで担うべきであると考える。土壌対策・水質改善対策が必要な世界中の要求に東京都が確立する仕様での改善プロセスの適用を可能とし環境改善技術の提供を考慮してほしい。
・豊洲での経験を有効活用し、改善プロセスの改良に反映し、一豊洲土壌対策・水質汚濁対策に留まらず、改善されたプロセスの活用を内外(国内だけでなく海外)の汚染地域の環境改善に役立てることを推進すべきである。
・この観点からの考察及びリーダーシップは、残念ながら今までの専門家会議、技術会議の議事録・報告書、または東京都の豊洲新市場整備方針の中には見当たらない。ぜひ、この観点での見直しを切にお願いする。
****引用終わり****
なる意見が出されています。
まさに、正論であり、同感であります。
専門家会議の提言に沿わないで形で技術会議の対策方針が出されていないでしょうか。
技術会議の対策の方針を、実証実験であたかもできるかのように装っているところはないでしょうか。
『環境影響評価書案』をいくら読んでもどの場所にどのような土壌汚染対策工事をするかは、特定出来ません。土壌汚染対策工事の設計後に、『環境影響評価書案』は書かれなければ、意味が無いのではないでしょうか。
環境影響評価審議会では、専門家会議・技術会議で提言された内容で土壌汚染処理ができるかどうかをきちんと検証し、その上での環境アセスメントを行っていただきたいと思います。
そうなると、日本環境学会の専門家らが指摘するような問題点が、専門家会議・技術会議の提言では浮かび上がり、食の安心・安全を第一とする卸売市場建設は、現状ではできないとの判断になるのではないかと考えます。
築地市場は、都議会で現在地再整備実現に向けた継続審議がなされているところです。
築地市場のほうは現在地再整備が実現し、今後、豊洲東京ガス工場跡地が、なんらかのものとして土地が利用されることになった場合には、これら意見に真摯に応える努力が大切であり、真に土壌汚染の実態を把握する調査を実施し、それをもとに、日本の英知を結集し、開かれた公開の場での土壌汚染対策立案を行っていただきたいと考えます。