民法の憲法14条違反の部分が改正になりました。
法律も少しずつではあるが、よりよい方向に進む一例。
秘密保護法なる悪法が、成立するのは論外であるが。。。。
*************************
http://www.moj.go.jp/MINJI/minji07_00143.html
平成25年12月5日,民法の一部を改正する法律が成立し,嫡出でない子の相続分が嫡出子の相続分と同等になりました(同月11日公布・施行)。
民法の改正の概要
1 法定相続分を定めた民法の規定のうち嫡出でない子の相続分を嫡出子の相続分の2分の1と定めた部分(900条4号ただし書前半部分)を削除し,嫡出子と嫡出でない子の相続分を同等にしました(注)。
2 改正後の民法900条の規定(以下「新法」といいます。)は,平成25年9月5日以後に開始した相続について適用することとしています。
(注)「嫡出でない子」とは,法律上の婚姻関係にない男女の間に生まれた子をいいます。
新法が適用される相続について
新法が適用されるのは,平成25年9月5日以後に開始した相続です。もっとも,平成25年9月4日の最高裁判所の違憲決定があることから,平成13年7月1日以後に開始した相続についても,既に遺産分割が終了しているなど確定的なものとなった法律関係を除いては,嫡出子と嫡出でない子の相続分が同等のものとして扱われることが考えられます。
詳しくは,以下のQ&Aをご覧ください。
改正民法Q&A
Q1 今回の法改正によって,どのような点が変わったのですか。
A1 民法上の法定相続分の規定のうち,これまで嫡出でない子の相続分を嫡出子の相続分の2分の1としていた部分を削除し,嫡出子と嫡出でない子の相続分を同等にしました。これにより,相続人の中に嫡出子と嫡出でない子の双方がいる事案においては,法定相続分が変わることになります。
例えば,死亡したAに配偶者B,嫡出子C,嫡出でない子Eがあり,相続財産の価額が1200万円の場合の法定相続分に従った各相続人の相続財産取得額は次のようになります。
Q2 なぜ改正が必要だったのですか。
A2 平成25年9月4日,最高裁判所は,民法の規定のうち嫡出でない子の相続分を嫡出子の相続分の2分の1とする部分について,遅くとも平成13年7月当時において,法の下の平等を定める憲法14条1項に違反していたとの決定をしました。そこで,違憲とされた規定を改め,嫡出子と嫡出でない子の相続分を同等とする改正が必要になったのです。
最高裁判所の決定については裁判所のホームページをご覧ください(新たなウィンドウが開き,最高裁判所のホームページへリンクします。)。
Q3 新法はどのような場合に適用されるのですか。
A3 新法は,最高裁判所による決定がされた日の翌日である平成25年9月5日以後に開始した相続について適用することとしています(附則第2項)。相続は被相続人の死亡によって開始しますので,平成25年9月5日以後に被相続人が死亡した事案に適用されます。
また,改正による影響を受けるのは,相続人の中に嫡出子と嫡出でない子の双方がいる事案です。相続人となる子が嫡出子のみの事案や嫡出でない子のみの事案では,子の相続分は,これまでと変わりません。
Q4 新法が適用されない平成25年9月4日以前に開始した相続についてはどのようになるのですか。
A4 平成25年9月4日の最高裁判所決定(以下「本決定」といいます。)においては,(1)嫡出でない子の相続分に関する規定(以下「本件規定」といいます。)が遅くとも平成13年7月においては違憲であった,(2)その違憲判断は,平成13年7月から本決定までの間に開始された他の相続につき,本件規定を前提としてされた遺産の分割の審判その他の裁判,遺産の分割の協議その他の合意等により確定的なものとなった法律関係に影響を及ぼすものではない,と判示しています。
最高裁判所により違憲判断がされると,その先例としての事実上の拘束力により,その後の同種の紛争は最高裁判所で示された準則に従って処理されることになります。
そのため,平成13年7月1日から平成25年9月4日(本決定の日)までの間に開始した相続について,本決定後に遺産の分割をする場合は,最高裁判所の違憲判断に従い,嫡出子と嫡出でない子の相続分は同等のものとして扱われることになります。
他方,平成13年7月1日から平成25年9月4日(本決定の日)までの間に開始した相続であっても,遺産の分割の協議や裁判が終了しているなど,最高裁判所の判示する「確定的なものとなった法律関係」に当たる場合には,その効力は覆りません(Q5参照)。
Q5 平成13年7月1日から平成25年9月4日までに相続が開始した事案について,どのような場合が「確定的なものとなった法律関係」に当たるのですか。
A5 どのような場合が「確定的なものとなった法律関係」に当たるのかは,解釈(最終的には裁判所の判断)に委ねられることになりますが,基本的には以下のように整理できます。
(1) 平成25年9月4日までに相続財産について遺産分割をしていない場合
「確定的なものとなった法律関係」には当たらないと考えられますので,遺産分割をする際には,違憲判断に従って処理すべきこととなります。
なお,相続財産の中に可分債権(※)がある場合は,相続が開始されただけでは「確定的なものとなった法律関係」には当たりませんが,少なくとも相続人全員が相続分による払戻しを完了した場合には,その可分債権については「確定的なものとなった法律関係」に当たると考えられます。
(2) 平成25年9月4日までに遺産分割の審判が確定している場合
「確定的なものとなった法律関係」に当たると考えられます。
(3) 平成25年9月4日までに遺産分割の協議が成立している場合
「確定的なものとなった法律関係」に当たると考えられます。
※ 可分債権とは,分割して実現することができる給付(可分給付)を目的とする債権をいいます(民法第427条・第428条参照)。
Q6 家庭裁判所における遺産分割の手続について教えてください。
A6 相続人の間で遺産分割について話合いがつかない場合には,家庭裁判所に調停又は審判を申し立てることができます。詳しくは,裁判所のホームページをご覧ください(新たなウィンドウが開き,最高裁判所のホームページへリンクします。)。