選挙妨害のない公正な選挙の実現VS表現の自由。
今回のケースは、あきらかな選挙妨害です。
『北方ジャーナル事件(最高裁大法廷S61.6.11)』と同様の考え方で、裁判所判断による事前出版差止めが認められるべきケースと考えます。
出版社の不正に対し、抗議をする第一義的な相手は、裁判所です。
裁判所の公正なる裁判に期待を致します。
北方ジャーナル事件(最高裁大法廷S61.6.11)
⇒ 最高裁ホームページ 判決文 http://www.courts.go.jp/app/files/hanrei_jp/665/052665_hanrei.pdf
http://www.courts.go.jp/app/hanrei_jp/detail2?id=52665
抗議文 http://shuntorigoe.com/archives/22
******朝日新聞20160720*******
http://digital.asahi.com/articles/ASJ7N7FJSJ7NUTIL05B.html
鳥越氏陣営、週刊文春に抗議文 女性疑惑「事実無根」
2016年7月20日23時29分
東京都知事選に野党統一候補として立候補している鳥越俊太郎氏(76)の選挙事務所は20日、21日発売の週刊文春に掲載予定の記事について、鳥越氏の弁護士が同誌編集部に抗議文を送付したことを同氏のホームページ上で明らかにした。
記事は、鳥越氏の過去の女性関係に疑惑があるとする内容。抗議文は「(週刊文春の取材には)事実無根であると回答した。明確な選挙妨害であり、公職選挙法違反と名誉毀損(きそん)の疑いで近く、東京地検に刑事告訴すべく準備を進めている」としている。週刊文春編集部は朝日新聞の取材に対して「記事には十分自信を持っている」と回答した。
*********鳥越氏ホームページより**********************
http://shuntorigoe.com/archives/44
弁護団からのコメント
平成28年7月21日
弁護団からのコメント
本日、発売された週刊文春の記事につき弁護士弘中淳一郎、弁護士藤田謹也は、本日、午前10時40分、東京地方検察庁に対し、刑法第230条名誉毀損及び、公職選挙法第148条第1項但書、同法第235条の2第1項違反で週刊文春編集人新谷学に対する告訴状を提出しました。
これにより、週刊文春の記事が事実無根であることを明確にしました。
今後につきましては、選挙運動に集中すべきであると考えます。
よって、この件につきましては、会見等を開くつもりは無いことを本書面をもってお伝え致します。
弁護士 弘中 淳一郎
弁護士 藤田 謹 也
***********条文参照********************
細かいことですが、上記コメント、「刑法第230条名誉毀損及び、公職選挙法第148条第1項但書、同法第235条の2第1項違反」は、正確には、「刑法第230条第1項名誉毀損及び、公職選挙法第148条第1項但書、同法第235条の2第1号違反」
です。なお、抗議文では、そのようになっています。
刑法
(名誉毀損)
第二百三十条 公然と事実を摘示し、人の名誉を毀損した者は、その事実の有無にかかわらず、三年以下の懲役若しくは禁錮又は五十万円以下の罰金に処する。
2 死者の名誉を毀損した者は、虚偽の事実を摘示することによってした場合でなければ、罰しない。
公職選挙法
(新聞紙、雑誌の報道及び評論等の自由)
第百四十八条 この法律に定めるところの選挙運動の制限に関する規定(第百三十八条の三の規定を除く。)は、新聞紙(これに類する通信類を含む。以下同じ。)又は雑誌が、選挙に関し、報道及び評論を掲載するの自由を妨げるものではない。但し、虚偽の事項を記載し又は事実を歪曲して記載する等表現の自由を濫用して選挙の公正を害してはならない。
2 新聞紙又は雑誌の販売を業とする者は、前項に規定する新聞紙又は雑誌を、通常の方法(選挙運動の期間中及び選挙の当日において、定期購読者以外の者に対して頒布する新聞紙又は雑誌については、有償でする場合に限る。)で頒布し又は都道府県の選挙管理委員会の指定する場所に掲示することができる。
3 前二項の規定の適用について新聞紙又は雑誌とは、選挙運動の期間中及び選挙の当日に限り、次に掲げるものをいう。ただし、点字新聞紙については、第一号ロの規定(同号ハ及び第二号中第一号ロに係る部分を含む。)は、適用しない。
一 次の条件を具備する新聞紙又は雑誌
イ 新聞紙にあつては毎月三回以上、雑誌にあつては毎月一回以上、号を逐つて定期に有償頒布するものであること。
ロ 第三種郵便物の承認のあるものであること。
ハ 当該選挙の選挙期日の公示又は告示の日前一年(時事に関する事項を掲載する日刊新聞紙にあつては、六月)以来、イ及びロに該当し、引き続き発行するものであること。
二 前号に該当する新聞紙又は雑誌を発行する者が発行する新聞紙又は雑誌で同号イ及びロの条件を具備するもの
(新聞紙、雑誌が選挙の公正を害する罪)
第二百三十五条の二 次の各号の一に該当する者は、二年以下の禁錮又は三十万円以下の罰金に処する。
一 第百四十八条第一項ただし書(第二百一条の十五第一項において準用する場合を含む。)の規定に違反して新聞紙又は雑誌が選挙の公正を害したときは、その新聞紙若しくは雑誌の編集を実際に担当した者又はその新聞紙若しくは雑誌の経営を担当した者
二 第百四十八条第三項に規定する新聞紙及び雑誌並びに第二百一条の十五に規定する機関新聞紙及び機関雑誌以外の新聞紙及び雑誌(当該機関新聞紙及び機関雑誌の号外、臨時号、増刊号その他の臨時に発行するものを含む。)が選挙運動の期間中及び選挙の当日当該選挙に関し報道又は評論を掲載したときは、これらの新聞紙若しくは雑誌の編集を実際に担当した者又はその新聞紙若しくは雑誌の経営を担当した者
三 第百四十八条の二第三項の規定に違反して選挙に関する報道又は評論を掲載し又は掲載させた者