「中央区を、子育て日本一の区へ」こども元気クリニック・病児保育室  小児科医 小坂和輝のblog

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選挙運動が禁じられる投票日当日に法定外文書を新聞広告で頒布した政党の当選者は、当選無効(公選法251条)

2016-07-11 19:21:22 | シチズンシップ教育

 選挙運動をしてはならない投票日当日(2016年7月10日)の新聞を開いた誰もが、驚き、首をかしげたと思います。
 (自分が目にしたのは、朝日新聞・日経新聞です。毎日、東京、読売、産經などはどうだったか、誰か教えて下さい。)


 ある政党が、選挙期間にしかできない「法定外文書」を新聞広告として、頒布しました。(その政党以外は、当然ながら、広告を一切出していませんでした。)

 各地の選挙管理委員会は、調査に乗り出しているところではないでしょうか?

 法定外文書頒布の違反は、お金のかかる選挙の原因となりやすく、選挙の公正を害するおそれがあるため、厳しく規制をされているところです。

 従って、その党の選挙区及び比例代表の当選者全員は、選挙犯罪を犯したがゆえに、当選無効になると、私は、公職選挙法を読む限り、考えます。


 判断をするのは、第一義的に選挙管理委員会であり、その判断をまずは、待ちたいと思います。 

 

第1、許される新聞広告について

 新聞広告が許される場合が、公職選挙法149条に記載されています。
 今回の新聞広告は、「選挙運動の期間中」にしか許されない内容であり、「法定外文書」となり、公職選挙法149条3項(参議院比例代表選出)と4項(参議院選挙区選出)に違反すると考えられます。

<公職選挙法149条>
(新聞広告)
第百四十九条  衆議院(小選挙区選出)議員の選挙については、候補者は、総務省令で定めるところにより、同一寸法で、いずれか一の新聞に、選挙運動の期間中、五回を限り、選挙に関して広告をし、候補者届出政党は、総務省令で定めるところにより、当該都道府県における当該候補者届出政党の届出候補者の数(十六人を超える場合においては、十六人とする。)に応じて総務省令で定める寸法で、いずれか一の新聞に、選挙運動の期間中、総務省令で定める回数を限り、選挙に関して広告をすることができる。

2  衆議院(比例代表選出)議員の選挙については、衆議院名簿届出政党等は、総務省令で定めるところにより、当該選挙区における当該衆議院名簿届出政党等の衆議院名簿登載者の数(二十八人を超える場合においては、二十八人とする。以下この章において同じ。)に応じて総務省令で定める寸法で、いずれか一の新聞に、選挙運動の期間中、総務省令で定める回数を限り、選挙に関して広告をすることができる。

3  参議院(比例代表選出)議員の選挙については、参議院名簿届出政党等は、総務省令で定めるところにより、参議院名簿登載者の数(二十五人を超える場合においては、二十五人とする。以下この章において同じ。)に応じて総務省令で定める寸法で、いずれか一の新聞に、選挙運動の期間中、総務省令で定める回数を限り、選挙に関して広告をすることができる

4  衆議院議員又は参議院(比例代表選出)議員の選挙以外の選挙については、公職の候補者は、総務省令で定めるところにより、同一寸法で、いずれか一の新聞に、選挙運動の期間中、二回(参議院選挙区選出議員の選挙にあつては五回(参議院合同選挙区選挙にあつては、十回)、都道府県知事の選挙にあつては四回)を限り、選挙に関して広告をすることができる

5  前各項の広告を掲載した新聞紙は、第百四十二条又は第百四十三条の規定にかかわらず、新聞紙の販売を業とする者が、通常の方法(定期購読者以外の者に対して頒布する新聞紙については、有償でする場合に限る。)で頒布し又は都道府県の選挙管理委員会の指定する場所に掲示することができる。

6  衆議院議員、参議院議員又は都道府県知事の選挙においては、無料で第一項から第四項までの規定による新聞広告をすることができる。ただし、衆議院(比例代表選出)議員の選挙にあつては当該衆議院名簿届出政党等の当該選挙区における得票総数が当該選挙区における有効投票の総数の百分の二以上、参議院(比例代表選出)議員の選挙にあつては当該参議院名簿届出政党等の得票総数(当該参議院名簿届出政党等に係る各参議院名簿登載者(当該選挙の期日において公職の候補者たる者に限る。)の得票総数を含むものをいう。)が当該選挙における有効投票の総数の百分の一以上である場合に限る。




第2、「法定外文書」の頒布の罰則について


 公職選挙法149条に従わない新聞広告は、公職選挙法 第16章罰則の章にある243条違反の選挙犯罪であり、「二年以下の禁錮又は五十万円以下の罰金」が課せられます。




  公職選挙法149条3項(参議院比例代表選出)違反⇒ 公職選挙法243条2項:二年以下の禁錮又は五十万円以下の罰金

          4項(参議院選挙区選出)違反⇒ 同条1項7号:二年以下の禁錮又は五十万円以下の罰金

<公職選挙法243条>

(選挙運動に関する各種制限違反、その一)

第二百四十三条  次の各号のいずれかに該当する者は、二年以下の禁錮又は五十万円以下の罰金に処する。
一  第百三十九条の規定に違反して飲食物を提供した者

一の二  第百四十条の二第一項の規定に違反して連呼行為をした者

二  第百四十一条第一項又は第四項の規定に違反して自動車、船舶又は拡声機を使用した者

二の二  第百四十一条の二第二項の規定に違反して乗車し又は乗船した者

二の三  第百四十一条の三の規定に違反して選挙運動をした者

三  第百四十二条の規定に違反して文書図画を頒布した者

三の二  第百四十二条の四第二項(同条第三項において読み替えて適用される場合を含む。)又は第五項の規定に違反して選挙運動用電子メールの送信をした者

三の三  第百四十二条の六の規定に違反して広告を文書図画に掲載させた者

四  第百四十三条又は第百四十四条の規定に違反して文書図画を掲示した者

五  第百四十六条の規定に違反して文書図画を頒布し又は掲示した者

五の二  第百四十七条の規定による撤去の処分(同条第一号、第二号又は第五号に該当する文書図画に係るものに限る。)に従わなかつた者

六  第百四十八条第二項又は第百四十九条第五項の規定に違反して新聞紙又は雑誌を頒布し又は掲示した者

七  第百四十九条第一項又は第四項の規定に違反して新聞広告をした者

八  削除

八の二  第百六十四条の二第一項の規定に違反して立札若しくは看板の類を掲示しなかつた者又は同条第二項若しくは第四項の規定に違反して文書図画を掲示した者

八の三  第百六十四条の三の規定に違反して演説会を開催した者

八の四  第百六十四条の五第一項の規定に違反して街頭演説をした者

八の五  削除

八の六  第百六十四条の七第二項の規定に違反して選挙運動に従事した者

九  第百六十五条の二の規定に違反して演説会を開催し又は演説若しくは連呼行為をした者

十  第百六十六条の規定に違反して演説又は連呼行為をした者

2  候補者届出政党、衆議院名簿届出政党等若しくは参議院名簿届出政党等が第百四十二条の二の規定に違反してパンフレット若しくは書籍を頒布したとき若しくは第百四十九条第一項から第三項までの規定に違反して新聞広告をしたとき又は候補者届出政党若しくは衆議院名簿届出政党等が第百六十四条の二第一項の規定に違反して立札若しくは看板の類を掲示しなかつたとき若しくは第百六十五条の二の規定に違反して政党演説会若しくは政党等演説会を開催したときは、当該候補者届出政党、衆議院名簿届出政党等又は参議院名簿届出政党等の役職員又は構成員として当該違反行為をした者は、二年以下の禁錮又は五十万円以下の罰金に処する。




3、選挙犯罪を犯した当選者の選挙の無効について

 公職選挙法 第16章罰則の章にある罰則を犯した者の当選は、公職選挙法251条により無効となります。
 なお、公職選挙法251条には、選挙犯罪であっても、軽微であるため、無効にならない場合が、カッコ書きの条文で示されていますが、243条は除外されていません。

<公職選挙法251条>
(当選人の選挙犯罪による当選無効)
第二百五十一条  当選人がその選挙に関しこの章に掲げる罪(第二百三十五条の六、第二百三十六条の二、第二百四十五条、第二百四十六条第二号から第九号まで、第二百四十八条、第二百四十九条の二第三項から第五項まで及び第七項、第二百四十九条の三、第二百四十九条の四、第二百四十九条の五第一項及び第三項、第二百五十二条の二、第二百五十二条の三並びに第二百五十三条の罪を除く。)を犯し刑に処せられたときは、その当選人の当選は、無効とする



*******参院選 投票日当日2016年7月10日 新聞に掲載され頒布された法定外文書と考えられる新聞広告********

朝日新聞 朝刊


日経新聞 朝刊

コメント (4)
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